第4回 まず資産運用の相談コーナーに行き、次にやったのは「グルメ」なのだ!の巻
すかしっぺ竹本が、マガイモノの宝庫・回転寿司の偽エンガワをほうばりながら、小市民の冷たい視線をかいくぐぐり、ここ「東京のチベット」板橋区の幸町に近いモルタルアパートの豚小屋から「怠惰だけど賢明な人生論」を、今回もお送りする。
《※編集部注:人生論なんて誰も頼んでない》
「堕落している人間ほど、他人の人生には正論を吐く」と言ったのは、ジャイアント馬場だったか矢口真里だったか。
《※編集部注:そんな小ボケを入れろとも誰も頼んでない》
堕落って、いいなあ。
だって、何が本当の堕落なんかわかりゃしないのだから。おまけに、そいつの本性や欲望や真の人間性がわかってしまうんだもん。
2003年12月末、ようやく交通事故の賠償金1500万円が入金された。
平均年収250万円の貧乏ライターだったオレにとって、夢ですよ。
0(ゼロ)がいっぱい並んだ通帳を何百回も見直したものだ。
まるで、オレの妄想オナニーの定番、スッポンポンの美人ぞろいのコンテストの審査委員長になって、お触り自由、挿入OKが実現したような気がしたものだった(なんと俗っぽい欲望)。
でも、カードの借金が250万円もあったので、借金返済で実質は1250万円。
それでも「5年間も無収入でも大丈夫なのか」と思うと、ヒトは確実に堕落します。それも当時、3冊の単行本の話が進められていて、「幸運の女神」がヘッドロックしてくれていたから、ホント、「有頂天」だったなあ。(※結局、この3冊は諸般の事情で出版されずじまい。今から思うと、金が入ってなければオレは必死になって出版まで努力したことだろう)
今だから思うが、偉そうに文章や評論で「俗物批判」をしていたオレだったが、見事にワタクシも「超俗物」でした。
まず、やったことが、銀行の資産運用の相談コーナーに行っちゃったこと。
「ボロアパートでもいいから持てないか?」と相談した。が、やんわりと言下に「1250万円のハシタガネじゃ無理ですよ」と言われちゃった。代わりに「マンション購入」や「元金保障の国債や投資信託の購入」をススメてきた。「考えてまた来ます」と帰ってきた。
次にやったのが「グルメ」でありんす(ホント俗物です)。
若い女の子を連れて、築地で高級寿司。フリーの雑誌編集をやっている30代前半の知的美女と、銀座の高級中華レストラン「過門香」で上海ガニ(うまかったなあ)を食ったり。
オレの持論だが、グルメを追及するのには2パターンがある。正統的グルメは、それなりにリッチな育ちで、当然の如く、ごく自然に美味いものを食い続けているパターン(オレの推測だと10~20%)。
《※編集部注:そんな曖昧すぎる推測も注釈もいらない》
大半のグルメは、グルメでもなんでもなくて、幼少年時代に食えなかった美味いものを食いたいという「ストレス解消型グルメ」。
ワシもこれの典型。よって、実に浅ましい食い方をする。
金があっても、値段と味や品質をかたくなに頭の中でソロバンをはじいてしまうのだ。よって、美味いかどうかよりも、どっちかというと、その料理が値段と合っているかが一番気がかりなのである。
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