高校野球は今年、始まって100年だ。
ぼくは今年47歳だから、その約半分の大会期間中、生きているということになる。
それにしても、100年というのは長い歳月だ。
100年前は1915年だったので、ちょうど第一次世界大戦の真っ只中だ。この戦争の影響で、日本は一時的に景気が良くなるのだが、1920年代の後半、つまり甲子園大会が10回を数えるくらいから、関東大震災や世界恐慌の影響もあって、景気が一気に後退してしまう。
そういう苦しい世相の中だったから、大会運営はけっして楽ではなかったはずだ。それでも続けていたのは、それが人々にとっての大きな娯楽だったからだろう。当時は大学野球も含めたアマチュア野球が、庶民の数少ない楽しみの一つだったのだ。
今では想像しづらいが、当時の人々は高校野球を新聞で楽しんでいた。写真もほとんどない、ただ文字だけのその記事から、どういう試合が行われたのかを想像し、あれやこれ
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