4歳の頃、ぼくは東京の日野市に住んでいた。家で、いつも夕方になると、母親がNHK-FMのラジオを聞いていた。そこでかかった曲の中でお気に入りがあると、カセットに録音し、それをくり返し流していた。
ぼくは、居間のラジオの前で本を読んだりオモチャで遊んだりしながら、子守歌代わりにそれらの曲を聞いていた。「サバの女王」もそんな曲の一つだった。だから、ぼくはこの曲を聞くと4歳の頃を思い出すのである。
先日、この曲を聞いていたところ、ふと、4歳のときの記憶が蘇ってきた。
それは、夕方だった。夕方、母親が夕ご飯を作りながらラジオを聞いている。すると、窓の外が段々陰ってきて、やがて夜へと移り変わっていく。
その頃合いでは、居間はまだ電灯をつけていないので、薄暗くなる。母親はキッチンで食事を作っていて、ぼくは一
コメント
コメントを書く