ここまで82回にわたって庭について書いてきた。最初の記事が2022年9月30日なのでちょうど2年である。思えばこのメルマガで一番長い連載となった。
今回が「庭について」の最終回である。そこでここでは、少し雑感というか、今思っていることなどを書いてみたい。
まず、この連載を通して発見したのは、庭というのは総合芸術であるということだ。しかも、あらゆるジャンルの上位に位置する。
この「総合芸術」という呼び方は通常建築、あるいは映画に対してなされるが、庭にはそれ以上の重要性があるように思う。また、実際にそう考えている人も少なからずいる。
庭は建築とは違う。そこには自然――取り分け植物が不可欠だからだ。例外的に枯山水という植物を用いない庭もあるものの、これもたいてい遠景には木々があるし、そもそも岩を山に見立てたりもしているので、植物と全く無関係というわけではない。
そんなふうに、庭は植物と共にある。
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1994:その23(1,620字)
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