ハックルベリーに会いに行く

1994:その23(1,620字)

2024/10/03 06:00 投稿

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1994年、日本の中心は渋谷だった。渋谷が文化の発信地で、けっして大袈裟ではなく老若男女にとって注目の的だった。

中でも若者にとっては一種の聖地だった。当時の社会における若者に対する注目度はきわめて高く、経済も若者中心に回っていた。だから若者の街渋谷は「経済の中心」でもあったのだ。

1990年代は渋谷が最も輝いていた時期だ。この頃の渋谷を象徴するのが「音楽」である。
渋谷と音楽には大きく二つの関係がある。一つはレコードショップが多かったこと。当時の渋谷は、世界で一番単位面積当たりのレコードショップの数が多かった。

おかげで日本全国はもとより世界中からもコレクターが渋谷にレコードを買いに来ていた。当時すでにCDは普及していたがDJ用のレコードもまだまだたくさん売っていた。だから世界中のDJにとって渋谷は憧れの街となった。

もう一つは「渋谷系」という音楽が流行ったこと。フリッパーズ・ギターとピ

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