おそらくほとんどの人が、「他者とは論理的に話した方がいい」と思っている。しかしながら、これは大きな誤りだ。人は、他者と感情的に話した方がうまくいく。

なぜかというと、実はほとんどの人が論理性を身につけていないからだ。そのため、論理的に話せない。それなのに無理やり論理的に話そうとすると、話そのものが破綻してしまう。しかも、その破綻に気づかない場合が多いから、それが後々大きな問題となる。

例えば、子供がご飯を残したとする。そのとき親は、以前だったら感情的になって、「残すんじゃない!」と一喝して食べさせた。文字通りの「問答無用」だ。
ところが今は、子供を怒鳴ってはいけないことになっている。だから、ご飯を残した子供に対して、論理的に諭そうとする。親が論理的に、「ご飯を残してはいけない理由」を語ろうとする。

ところが、「ご飯を残していけない理由」というのは、きわめて難解な哲学的命題だ。よっぽど論理学