生きるとは何か?
それはやはり「流れる」ということになるだろう。比喩的な意味ではなく、物理的・実際的な意味での大きなエネルギーの流れがあって、そこに乗っかって流れていくのが生きるということだ。だから、ひとつの大きな原則としていえるのは、流れに逆らったら大変だということだ。それは不幸や死を意味するだろう。
しかしながら、「流れに棹さす」という言葉もある。「智に働けば角が立つ情に棹させば流される」と『草枕』の冒頭に書いたのは漱石だが、この「棹さす」という感覚は面白い。
我々は、巨大な川に浮かぶ小舟のように流されている。ただ、必ずしも無力なわけではない。我々の手には棹があって、それを流れにさせば、ある程度は向きを変えられる。そうして、大きな流れに逆らいさえしなければ、ある程度の自由を得られる。
これこそが「生きる」ということの面白さではないだろうか。全体的には不自由だが、その枠組みの中には自由が
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