この世界には、ルールがあるようで実はない。例えば法律やお金、宗教や常識・社会習慣も、全てその価値体系が実在するということに社会のルールとしてはなっているけれども、実際は存在しない。そういう本当に見える嘘のことを、社会学では「共同幻想」と言ったりする。

この共同幻想の存在を根底から疑わない人は、これからの時代、生きることに苦しむだろう。ただし、ルールの存在を疑う人も、やっぱり苦しむ。そういう難しい時代になってきた。

例えば今、まさに発生したロシアのウクライナ侵攻について、国際社会はこれを「ルール違反」と糾弾している。しかしながら、ロシアはロシアで「ウクライナの方がルール違反」と主張し、軍事侵攻はそれに対する報復だとの見解を示している。

そして、ロシアは国際社会の一員であるのみならず、大きな立場や発言権を有している。そのため、彼らの主張を完全に排除することはできない。そうなると、露呈されるのは