第一一章「スタンド・バイ・ミー」
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古い水道をどれくらい歩いただろうか。実際はそれほどの時間ではないのだろうけど、ずいぶん長く歩いたような気がした。
やがて、遠くに小さな光が見えてきた。上に続く縦穴があって、地上から光が漏れているのだ。そこから、ぼくたちは地上へと出た。出口はマンホールになっていて、そこを開けるのに少し苦労したけれど、無事、獣道の中に入ることに成功した。
そこは住宅街だった。本来であれば何の変哲もない景色のはずだったが、今では廃墟が立ち並ぶ、打ち捨てられた町となっていた。ぼくは、獣道に入るのは初めてで――いや、正確には物心ついてから初めてだったが――そういうふうに廃墟の町並みを間近で見ることも初めてだったから、興味深く辺りを見回した。
それから、携帯電話を取り出した。獣道に入って間もないこの辺りは、電波が問題なく通じたが、しかしもう少し内側に入ると、通じない可能
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