最近、若者がさらに貧乏になっているらしい。資本主義のシステム、あるいは議会制民主主義のシステムの中で、圧倒的な少数という憂き目を見て、社会の片隅に追いやられている。多数派からの搾取を受けている。

今の日本は、偶然ながらそういう構造になってしまった。いや、日本だけではない。世界中でそうだ。アメリカでもヨーロッパでも、若者の失業率は断然高い。一方、教育にかかるお金は高騰する一方だ。アメリカの公立大学の学費は、この10年で2倍になったそうだ。

この構造の解決に皆が積極的にならないのは、ベビーブーマー世代があらかた亡くなる30年後には、ガラリと解決していることが目に見えているからだろう。30年後には、もはや少子高齢化社会ですらなくなる。人口ピラミッドが健全な形に回復するから、議会制民主主義はもう少しまともに作用するだろう。そういうふうに、すでに解決の目処が立っているから、なかなか真剣に取り組めない