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デンコウアンジュ電光石火差し切りV/アルテミスS

2015/11/01 11:13 投稿

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<アルテミスS>◇10月31日=東京◇G3◇芝1600メートル◇2歳牝◇出走15頭

 田辺裕信騎手(31)が手綱を取った12番人気の伏兵デンコウアンジュ(荒川)が、電光石火の末脚で差し切った。勝ちタイムは1分34秒1。33秒3の最速上がりで、1番人気メジャーエンブレム(田村)をゴール前で捉えた。メイショウサムソン産駒は初のJRA重賞制覇となった。

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メジャーエンブレムを、首差かわしたデンコウアンジュ(手前)がアルテミスSを制した

 後方4番手を進んだデンコウアンジュと田辺は、直線で迷うことなく大外に持ち出した。1頭だけ次元の違う末脚で1完歩ごとに差を詰める。残り100メートルで粘るメジャーエンブレムを射程に捉えると、最後はきっちり首だけかわした。テン乗りの田辺は「いちかばちか、思い切って早めにスパートした。直線どこまで持つか分からなかったけどね」とにやり笑った。

 上がり3ハロンは最速33秒3。力勝負の東京で人気馬をなで切りにした。辛口の田辺が「見た通りのパフォーマンス」と目を細める完勝劇。牝馬クラシック戦線に楽しみな馬が誕生した。

 12年京都大賞典(メイショウカンパク)以来の重賞Vとなる荒川師も素質の高さを再認識。「この前もいい脚を使っていたから。でもいい脚を使ったね」と笑った。次走は「様子を見てから」としたが、阪神JF(G1、芝1600メートル、12月13日)の有力候補に急浮上したのは間違いない。

 自身の直感を信じて騎乗する鞍上が、田辺マジックで勝利をたぐり寄せた。「若い牝馬でオロオロするところはあるが、無事に成長していって欲しい」。今年の重賞5勝目を挙げた奇才は確かな手応えを感じていた。【山田準】

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