秋華賞トライアルのローズS(G2、芝1800メートル、20日、阪神、3着までに優先出走権)に出走するレーヌドブリエ(矢作)が、母子制覇のかかる秋華賞切符をかけて、桜花賞馬、オークス馬に挑む。手綱を取る吉田豊騎手(40)は、8月に北海道洞爺湖町のレイクヴィラファームを訪問し、主戦を務めた母メジロドーベルと13年ぶりに再会。娘のG1出走権獲得を誓った。【取材・構成=水島晴之】
13年ぶりにメジロドーベルと再会し、笑顔を見せる吉田豊騎手
ドーベルに会うのは13年ぶりです。ちょっと、おばあちゃんになりましたが、近寄ると耳を絞って威嚇(いかく)するあたりは、現役時そのまま。元気そうでホッとしました。
僕の初重賞勝ちは、デビュー3年目の阪神3歳牝馬S。もちろんドーベルとのコンビですが、この時初めて「走る馬の背中って、こんな感じなのか」と思ったのを覚えています。それほど衝撃の走りでした。その後もオークス、秋華賞、エ女王杯連覇を含め、G1・5勝をもたらしてくれた、かけがえのない馬です。
子供にもたくさん乗せてもらいましたが、重賞に出走できたのはメジロオードリー(10年フェアリーS4着)1頭。なかなか結果を出せなくて申し訳ない気持ちです。11年5月に「メジロ牧場」が閉場し、今年は大久保洋厩舎が解散。ドーベル一族もいろいろなところに預けられてますが、やはり頑張ってほしいという気持ちは強いです。
レーヌドブリエの矢作先生には、新潟の新馬戦から声をかけていただき、500万に続いて、ローズSにも乗せてもらうことになりました。折り合いの難しさと反応の速さは母譲り。春は非力な印象もありましたが、休ませて体がふっくらしたと聞いています。ドーベルの成長力はすごかったので、そのあたりもお母さんに似たらいいですね。
昨年は孫のショウナンラグーンでダービーに出走しました。今度は娘のレーヌドブリエで、秋華賞切符を狙います。G1初出走の便りを、ドーベルに届けられたら最高です。(JRA騎手・吉田豊)
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