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RIZIN大会終わり恒例となった笹原圭一RIZIN広報インタビュー!! 苦戦する視聴率、ファンから批判を浴びがちな地上波中継の試合構成、大会内で突如告知されたUFC日本大会などについて語ってくれました!




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――笹原さん! 大会が終わったばかりですが、10月の福岡大会、そして年末の2連戦と息をつくヒマもない感じの日程ですね。

笹原 いやあ、本当に気が遠くなりますよ……。大晦日に向けての仕込みもしなくちゃいけないですし。

――興行の基本は男子のバンタム級GPと、女子のスーパーアトム級GPですが、RENA選手はよくGP出場を決断しましたね。

笹原 そうですね。よく決断してくれましたよね。ワンマッチで試合するのとでは、見え方も違ってきますし。

――MMAは本職じゃないですし、ワンマッチの出場でも、RIZINにとっては大きいことだと思うんですけども。

笹原 とはいっても、RENA選手は自分から「本職ではない」とは言えないじゃないですか、もはや。本音のところでは、「本職じゃないのに無理矢理、RIZINのジョシカクを背負わせられている」という気持ちはあるのかもしれませんけど、まぁでもこれまでの彼女の活躍からすれば、当然じゃないですか、女子初のトーナメントの主役になるのは。

――正直RENA選手が出なかったら企画する意味が……と言えちゃうくらいの存在ですね。

笹原 誰でも簡単になれるポジションじゃないですし。でも、RENA選手はMMAでも間違いなく強くなっていますよ。凄く進化しています。今回のレイディータパじゃないですけど……ってレイディータパに例えるのはどうかしていますが。

――いや、今大会で一番ビックリしたのはレイディータパの成長ですよ!(笑)。MMA2戦目とは思えないほど打撃が上達してて。

笹原 いまレイディータパがギャビ・ガルシアと再戦したら勝ってもおかしくないですよ。身体のでかい人が本気で技術を習得すると恐ろしいなぁって感じました。それにしてもKINGレイナはよく相手の懐に飛び込んでグラウンドに持ち込んだなあ、と。

――女子三日会わざれば刮目して見よ!(笑)。

笹原 KINGもタパも成長していますけど、RENA選手が4月の横浜大会で見せた踏みつけとか、あんなの男子でもすぐに出せない技ですよ。適応力というか、スイッチが入ったときの集中力はやはり傑出していると思います。

――女子といえば、世界最大の女子団体Invictaの浜崎(朱加)選手が同団体のアトム級のベルトを返上しましたが、RIZIN参戦はありえるんですか? 浜崎選手も「RIZIN女子GPに出たい」というツイートもされていて。

笹原 浜崎選手はまだInvictaとの契約が残っているとも聞きますし。そこが完全に明確にならないと……やっぱりみんな出たいんでしょうね。ありがたいことですけど。

――浜崎選手はRENA選手のセコンドについていてRIZINの熱気を感じてますね。

笹原 今度石岡(沙織)選手がジュエルスで(浅倉)カンナちゃんとGP出場決定戦をやりますよね。GP優勝賞金の額を聞いて「700万円ですか!!!!!!」って目ん玉ひんむいてたって聞きますし(笑)。いまの女子のファイトマネー相場からすれば破格ですよね。

――女子格闘技の環境がガラリと変わってるわけですよね。みんな稼いでほしいですよ!

笹原 男子でいえば、パンクラスの石渡(伸太郎)選手が参戦します。石渡選手は今回リング上から挨拶しましたけど、始まる前に「会場でオープニングを見ていいですか?」って聞いてきて。あの雰囲気や高揚感を感じたかったのかなって思ったんですけど。

――やることはこれまでと同じMMAなんですけど、別世界的なところはあるかもしれませんね。

笹原 石渡選手や、浜崎選手たちの反応を見ていると、あらためてやっぱり日本にもメジャー団体は必要だなって思いますよね。いままでに自分の選択肢になかった世界があれば、それはやっぱり覗いてみたくなる。覗いてみたら、なんか思ってたよりキラキラしてるぞ!みたいな感じですよね。

――実際RIZINで人生が変わった選手は多いですよね。中井りんや北岡(悟)選手が地上波に間に合った感はありましたし、RENA、那須川天心、堀口恭司が柱になるとは旗揚げ時には想像もできなかったですし。

笹原 本当そうですよね。特に天心くんに関しては一昨年の大晦日からボクが熱心に推薦して、RIZINに出てもらえることになったので、これは明らかにボクの功績ですよね。

――(無視して)こうして人材が揃いつつありますが、RIZINのひとつの生命線といえる視聴率が……。

笹原 ……そうなんですよねぇ。

――一転して苦渋の表情! 今回は平均6・3パーセントでした。

笹原 イベントとして改善すべきところは多々あるんですけど、やっぱり日曜日19時からという時間帯が……裏番組が超強力じゃないですか。

――とくに日本テレビの『世界の果てまでイッテQ!』はオバケ番組ですね。

笹原 RIZINの前番組は『サザエさん』です。アットホームな内容から、リング上の殴り合いを見せるわけじゃないですか。堀口選手や天心くんは『サザエさん』に出てきそうファミリー感溢れるキャラではありますけど、まるで違う世界観ですからね。

――堀口恭司はカツオ、KINGレイナは花沢さん、那須川天心はワカメちゃんの怪しい同級生・堀川くんに見えなくもないですけど(笑)。

笹原 視聴者の方が「あれ?これサザエさんの実写版?」と思って、チャンネル変えずにいていただければ良いんですけど(笑)。

――高齢者は『世界の果てまでイッテQ!』ではなかったら、NHKの大河ドラマを見ますよね。

笹原 潜在的に格闘技が見る人たちがテレビの前に座っている時間帯じゃないんですよね。PRIDEもこの時間帯で数回放送したことがあるんですけど、そのときもやっぱり視聴率では苦戦しましたから。

――笹原さんは今回どんな結果が出ると予想してましたか?

笹原 目標は7パーセントくらいでしたけど、予想は……。もうちょっとなんとかなるんじゃないかと思ったし、かといってすべて枠のせいかといえばそういうわけじゃないし。

――RIZINファイターの中で一番知名度のあるRENA選手が出なかったので、前回の5・4パーセントを維持できるのかなっていう不安はありました。

笹原 そこは真珠オークライヤー選手が“野沢直子の娘”という触れ込みと美しさ、そしてファイターとして可能性を示したことで視聴者の興味を繋いだり、堀口選手や天心くんの存在が浸透してきたりしたことで、数字アップに繋がっているところはあるでしょうね。

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番組の瞬間最高視聴率は前番組『サザエさん』から切り替わった番組冒頭の8.9パーセント。
選手としては野沢直子の長女・真珠オークライヤーの7.6パーセント。



――
判定勝ちだった山本美憂選手の試合を3Rフルで流したじゃないですか。格闘技ファンの立場からすると、そこまで見どころはなかったので「えっ、この内容をフルで流すの?」って驚いたんですけど。でも、美憂選手は知名度もあるし、家族愛がテーマだったりするから、この時間帯の視聴者層には合うんですかね。

笹原 それはあると思いますし、判定のほうが視聴率が取れるケースも多いですし。KOだと一瞬で終わっちゃいますから。名前が知られている選手の試合が長引けば「どうなるんだろう?」とチャンネルを変えづらくなりますから。

――今回は番組冒頭と終わりに真珠選手の試合を繰り返し流したり、那須川天心衝撃KOミニ特集をやったり、なんとか工夫して視聴率を取った感じはあります。でも、格闘技ファンからはこの構成に関して「ふざけるな!他の試合もちゃんと流せ!!」という声が上がってて。

笹原 うーん、皆さんの気持ちは凄くよくわかるんですけど、そもそもの話で言うと、自分の好きなものを興味のない人に説明するのって凄く大変な作業だと思うんですね。くりぃむしちゅー有田哲平さんがAmazonプライムで『有田と週刊プロレスと』という番組をやってるじゃないですか。

――毎回一冊の『週刊プロレス』を取り上げて、非プロレスファンやビギナーにそのときに何があったのかを面白おかしく紹介する番組ですね。

笹原 あの番組って豊富な知識と巧みな話術がないと伝えられないですよね。「こんな素晴らしい試合や面白い事件があったんです!凄いでしょ!!」と熱量だけでプレゼンしても無理。格闘技もそれと同じで、ストレートに伝えればいいかというと……そういう簡単な話ではないと思うんですよ。やはり伝え方を考えなくちゃいけない。

――興味のない人を振り向かせ、さらにそこから興味を持たせるには簡単じゃないっていう話ですね。

笹原 そうです。我々もフジテレビもRIZINを地上波に流すうえで、アーでもないコーでもないと何時間も話し合いながら、どのカードをどうやって流すかを考えてやっているんですね。作っているスタッフたちもコアな格闘技ファンばかりですよ。誰よりも格闘技を好きな人たちがどうすれば世間に届くかということで知恵を絞っているわけです。



・大晦日は悪魔に魂を売ってでも……
・桜庭和志、UFC日本大会告知のウラ側
・矢地祐介に足りなかったものとは――インタビューはまだまだ続く!


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