片岡義朗ブログ

ミュージカル「監獄学園」PRISON SCHOOL始まる20180131

2018/01/31 17:08 投稿

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ミュージカル「監獄学園」がいよいよ始まる。
prison-stage.com/

この芝居、僕にははっきり狙いがあって始めました。
それは昨今の2.5次元舞台の余りの粗製乱造に、スタッフ不足と舞台の質の低下を感じていて、
そこを何とかしたいと言うのが底流にありました。

多くの舞台での
脚本家の不在による、キャラクター像をシークエンスを作らずに設定通りに説明してできたとする、結果、キャラクターは立ち上がらずしかも場合によっては原作から離れてしまう。
同じく事象を単純に並べて見せるだけでその連なりだけで舞台が終わるというドラマの不在、
演出家の不勉強による音楽とダンスとドラマが錯綜しながらキャラクター像が浮かび上がってくるというようなミュージカルとしての楽しさの欠如
などに危機感を持つに至り、
この手で若くセンスある作家や演出家を育てる「場」を用意したいと思っていたのです。
その時に脚本と演出に才能ある若い畑雅文くんに出会い、
彼を世に出すべく、苦しい台所になるのは承知で、
コントラ手打ちで、作るに至った舞台が、これです。

㈱コントラを作る時に、自分ではもう、アニメも、2.5ミュージカルも、作品のプロデュースは辞め、相対的に貧しいアニメスタジオ&クリエーターの側に立ったビジネスコンサルタントに徹しようと考えて居たのですが、その禁を破っても作りたくなった舞台です。

畑くんは舞台演出家としてはまだキャリアは浅く、ミュージカル演出の経験はありません。
その彼と、僕なりのミュージカル感を話合い、この舞台になりました。

稽古に参加して居て、作り手としてはかなり面白いものに仕上がっていると思います。
原作漫画にある際どい場面は、どなたにも楽しんでいただけるように、
すこし穏やかな表現にしてあります。
畑くんが狙い通りに、彼の独特のギャグセンスの衝撃を撃ちながら、
ミュージカルという形式をオーソドックスに踏襲し
なおかつその中で新しい2.5のセンスオブワンダーを生み出す、
という期待を現実化していると感じるのです。

出来ていないこともたくさんあります。
キャパの小さな劇場からくるリスクの限界というビジネス上の制約、
このサイズのビジネス規模でミュージカルにすることに伴う困難、
長い漫画原作のどこで舞台でのドラマに休止符を打つか、という答えのない悩み、
小劇場公演の常で100分は越えられない時間の壁、
ミュージカル俳優の出演で作っていない俳優事情、
これらのすべての事情はそのまま舞台に出ています。
でも諸々の事情を分かっていて、それでもこの芝居、
観るに足りる新しさが詰まっていると思うのです。

ほんのわずかな新しさかもしれません、
でも僕はそのわずかな新しさを追求したいと思って今までアニメも舞台も作ってきました。
おんな舞台になっているか、ぜひ確かめに劇場に観に来ていただきますようお願いします。
あ、ニコニコ動画の劇場生中継もあります。
生で観れなかった方はタイムシフトで3月末までネットチケット購入可能
なのでチェックしてください。

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