アニマックス10周年記念パーティ

アニマックス

アニマックスの設立10周年記念パーティに出席し、
その設立当時を思い出して書いた文章をキーワード登録します。
個人名の肩書きは2008年7月時点の肩書で、
文末に現在と異なる場合のみ現肩書を注記しました。

2008/07/17の日記から

昨日、ANIMAXの10周年記念パーティがあった。
集まったメンバーの顔触れを見ると、
11年前に東映アニメの泊会長、CXの重村取締役たちと
アニメ製作会社連合のCS放送局を立ち上げようと奔走した当時を思い出す。
その途中でアニメ連合とソニーが連携することになり、今のアニマックスができた。
まさにかんかんがくがくの議論を激しく戦わせた結果が、
いまや、750万世帯を擁するスカパー最強のチャンネルになった。
素直によかったと思う。

たぶんトップの意向をくんでの話だろうが、言いだしっぺはCXの清水さん、
CXも出資してCSのプラットフォームを作る、
その中で、アニメ製作会社をまとめてコンテンツ供給側が放送局を持たないか、
それにはまずADK片岡が東映アニメと話し合ってくれないか、
皆さんがまとまればCXも出資するという話だった。
確かに東映アニメは日本で最大のアニメコンテンツホルダーで、
ここが参加し常に作品を供給してくれないとアニメ専門の放送局は成り立たない。
泊社長にアポをとりCSアニメ放送局を持つ構想をぶつけた。
まず設立趣意書を書きなさい、と言われ、
必死になってアニメ専門チャンネルをアニメ製作会社が連合して持つ必要を趣意書にまとめた。
ずいぶん後になってから、サンライズの吉井社長から
その僕が書いた設立趣意書をがよく書けていると誉めてもらった。
こういう時代が来るといいね、と言ってくれサンライズも参加することになった。
トムスの加藤社長も参加することになり、
会議にはいつもアニメの制作現場で会っていた仲間たちがそろった。
そこに、CXの重村さんから、ソニーと連携してほしいという話が舞い込み、
資金的な不安を抱えるアニメ製作会社連合としてはその話に乗るしかなく、
アニメ製作会社側が34%、ソニー66%の出資で話がまとまった。

結果的にソニー主導の会社になったわけだが、
現在の状況を見ればその判断は正しかった、ということになるのではと思う。

地上波TV局のCM枠の電波料負担が大きく、
DVDマーケットが縮小してその負担をもはやとても支えくれなくなっているのが実情で、
そのアニメの2次利用スポンサーが電波料を払う必要のない放送局があり、
そこで放送すればアニメファンの目に留まる、
ということになればアニメ製作現場は活性化されるだろう。
新たなビジネスモデルが登場することになり、DVDマーケットの縮小に少し抵抗できるかもしれない。
次の配信からの収入でアニメが制作できるようになるまで、ペイTVは日本のアニメを支えてくれるはずだ。

注記:肩書は2008年当時
泊懋さん(現東映アニメーション相談役)
重村一さん(現ニッポン放送会長)
清水賢治さん(現CX経営企画室室長)
吉井さん(現サンライズ会長)
加藤さん(現創通映像社長)
アニマックスの現在の受信可能世帯は830万世帯