2014/01/10
2:15 am
渡邉有三さんが旅立った。
一昨日の昼間、告別式があり、僕も参列した。
日本の音楽業界の本流で第一線のレコードプロデューサーだった。
まだサブカルの域を出ていなかったアニメ、
アニソン音楽は彼の仕事では多分ごく脇の仕事だったのだろう、
でもそこにも彼は全力を注いだ、そんな時代だった。
会場に彼の作った曲がたくさん流れていた。
僕の好きな中島みゆきさんの「別れうた」が流れていた、
これも有三さんだったのか、いい曲だ、
またカラオケで歌おうって思ったら、
次の「時の河を越えて」が流れた瞬間に30年近い昔が鮮やかによみがえった。
彼と一緒にたくさん歌を作った、
作ったのは彼で、僕は周りにいたにすぎないけど、
でも一緒にたくさんの仕事をした。
「タッチ」でもたくさん曲をお願いした。
一番の思い出は「時の河を越えて」だろう、
「うしろ髪引かれ隊」が歌った「ハイスクール!奇面組」の後期の主題歌だ。
アニメ番組側代表の僕が言いたいことを言うのを、
ふんふん、それいいですね、と相槌を打ってくれながら、
必ずもう一回り考えたアイディアを出してきてくれる、
おそらくはそれが彼のプライドというか、
丁寧さだったのだろう。
彼がプロデュースしてくれると現場は揉めずに、
最後に優れた曲が出てくるとっても安心して一緒に仕事をできる人だった。
都倉俊一さんの友人としての語りかけ、
石坂浩二さんの従兄としての幼少時の思い出、
工藤静香さんの直前まで続いた家族の付き合い、
どの人の弔辞も聞く人の胸を打った。
僕もひとこと、出会えてよかった、
いい曲をたくさん作ってくれてありがとう。
告別式が始まる前、関係者控室の廊下の奥に木村拓哉くんが立っていた。
こちら側の廊下の端にいた僕に
彼が目線を止めやや控えめに手を挙げた、
僕が近寄っていき、久しぶり、
何年ぶりですか10年以上とか、
20年以上じゃないかな、池袋芸術劇場の楽屋で会ったのが最後だと思う、
そうですね…と会話が始まり、覚えていてくれたんだ。
「聖闘士星矢」でたくさん語り合ったのも
これももう20年以上前になる。
葬儀って不思議ですね、いろいろな人に会わせてくれる、
昔が懐かしいって別に悪くない、
こういうのが人生なんだと。
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