片岡義朗ブログ

再掲「山鳩さん夫婦」2012/08/18@我が家

2016/10/25 08:39 投稿

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2012/08/18

9:05 am

我が家の柘榴の木にヤマバトが巣を作った。

猫の額ほどの北庭にかなり生い茂ったザクロの木があり、
今年はなぜか豊作でちょっといやらしげな木の実がたーくさん生って壮観なのだが、
そこにどういうわけか、鳩が巣を作ったようなのだ。
ちょうど僕のベッドルームの窓から眼の高さ、
2mもないところ、重なり合う木の枝と葉っぱの奥に、
彼と彼女の小宇宙、木の枝がいくつも交差する奥まった空間に、
じーっとメスなのだろう小さなまだ若いヤマバトが落ち着いて座っている。
そこにこちらもまだ若いイケメンの彼が、
くちばしに木の小枝をつまんでは何度もやって来る。
巣作りが始まったばかりなのだろう。

でもどうしてだろう、メスはじっと座ったままなのだ。
既に卵を抱いているのだろうか。
これも計算が合わないのだけど、
昨日の朝には二人は重なり合って仲良く愛し合ってまでいた。
卵がいればもう愛し合わなくなるというのは人間の感覚がなせる予断なのだろうか。
或いは巣作りが先で卵はまだ出て来ていないのだろうか。
だとするとメスはなぜじーっと座ったままなのだろうか、
巣作りはあんたの仕事よ、
っとばかりに既に専業主婦の図々しさに染まってしまっているのだろうか。

そんなことはなさそうだと思うのは、
体の線がまだスレンダーだし動きもヒョイヒョイ身軽だけど、どこか落ち着かない。
持ってくる木の枝もそんなんでがっしりした建物が出来るかよと言った小さな枝が多い。
まだ木に繋がっている枝を取ろうと無駄にくちばしでしがみついたりしている。
若い恋人同士が初めて同棲するときのように生活設計なんてどうでもよい、
まずベッドがほしい、という風情なのだ。
時々メスのオスを呼ぶ泣き声が聞こえる。
だって、昨日目の前で愛し合っていた時、
オスの下に居た柔らかなメス鳩の眼が忘れられない、
トロンとしてうっとりした眼だった。
まだ愛が始まったばかりなんだ、と思って羨ましかった。

願わくば、もう何か月かしたら、卵がかえってひな鳥たちの誕生を観たい。
きっとザクロの実が子どもたちの良いおやつになるだろう、楽しいだろうな。

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