今、中央アジアのカザフスタンの若者の間ではグローバルなブランドよりも自国ならではのブランドが高い人気を博しています。決して政治的なものではなく、情報の流通が盛んになりさまざまな文化圏のコンテンツが流れ込んでくるにつれ、1周回って自国の文化を大切にしようというムーブメントが起きているようです。

これは現地の会社にとってはいいことではあるものの、グローバルなスナックブランドとして有名なLay’sをはじめとした国際的な会社にとっては大きな痛手です。事実、Lay’sもこのトレンドに逆らうことはできずここ数年で大きく市場シェアを落としており、そんな状況を少しでも変えるために大胆な商品開発と大規模なリブランディングキャンペーンを行いました。

まずLay’sが行ったのは、ベシバルマックという中央アジアの郷土料理の味を再現した限定フレーバーチップスを発売するということ。その発売に合わせて、カザフスタンの伝統的な模様をAIイラスト生成ツールで現代風にアップデートすることで生まれたロゴをさまざまなグッズとして販売したのです。SNSでは、若者が自由に楽しむことができるARフィルターを展開し、360度の統合キャンペーンとしてLay’sをグローバルなブランドからローカルに寄り添ったブランドとして強く打ち出しました。

カザフスタンの若者の心をしっかりと掴むことに成功したキャンペーンは、1,000万を超えるSNSとメディア露出を獲得し、下がり続けていたシェアを再び上向きにすることに成功しました。

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