千葉県柏市に本社を置く株式会社クリエすずき建設は、柏を含む東葛エリアに暮らす人たちを悪質なリフォーム業者から守る対策運動をスタート。ご近所の相談窓口となる「おうち110番の家」の看板を設置し、活動をサポートしてくれるボランティアとして個人・団体・法人を募集しています。

「無料点検をしています」などといきなり訪問し、「異常がある」「すぐに修理が必要」といった言葉で不安をあおり、修理契約を迫る、悪質なリフォーム業者が社会問題となっています(※1)。これに対し、国土交通省は2005年7月「悪質リフォーム対策検討委員会」を設置。消費者が安心して適切なリフォームを実施できる環境整備として、相談体制の強化に努めてきました(※2)。

しかしながら、全国の消費生活センターに寄せられた業者とのリフォーム契約に関わる相談件数は、2009年度以降も増加傾向を見せています。また、2011年3月の東日本大震災をきっかけに耐震性への関心が高まると、さらにこういった傾向が見られるようになりました。そして、2024年の能登半島地震の発生により、国民の不安に便乗する形でこういった悪質なリフォーム業者は、さらに増えることが予想されます。

そこで、今回の対策運動で「おうち110番の家」の看板を設置してもらい、悪質なリフォーム業者の訪問を未然に防ごうというのが狙いです。また、自分の家を守ることができる、ご近所のおうちも守れる、地域のコミュニケーションがとれて、絆が深まるといったことが期待できるとしています。

じつは、クリエすずき建設代表の実母は、友人からから「お宅の息子さん、工務店さんだよね」と、相談を受けることが最近増えていたそう。相談の多くは、飛び込みの業者から修理を勧められた、というもの。詐欺かもしれない……と思っても、やはり「修理が必要」などといわれると不安に思うものです。セカンドオピニオン的にどこかに相談したくても、信頼できる業者かどうかの判断が難しい。つまり、ちょっと不安な時に相談する先がないのです。

そこから、クリエすずき建設では、ご近所さんがリフォーム業者の訪問を受け、少し不安に思われたときや困っているときに、ちょっと相談に乗ってもらえる「おうち110番の家」を着想。まち全体で悪質なリフォーム業者から柏の人たちをまもる活動「おうち110番の家」をスタートするに至ったといいます。

総じて従来の悪質なリフォーム業者対策の問題点は、被害に遭ってから相談することが多いということが挙げられます。実際に業者の訪問後に相談する、という後手の対策しかありません。さらに、解決策は自ら行動することのみです。しかし、行政に直接相談するのは、ハードルが高いと感じる方も多いのが現状です。

そういう状況を鑑みると、未然の対策が必要だということになります。業者の訪問後に違和感を抱いたり、不安に思って初めて「相談」したりという行動が生まれということは、未然に防ぐ対策がなされていないことの表れです。そこで、飛び込み訪問の業者をうかつに信じない、おかしいと思ったら連絡する、など何かしらの対策や啓発活動が急務です。

また、まち全体で防御体制をする必要性があります。悪質なリフォーム業者の被害に遭わないようにするためには、「未然に防ぐ」「不安に思ったら相談できる場所がある」といったまち全体での防御体制・対策が重要になります。

悪質なリフォーム業者にだまされないために気を付けること。それは、「テン・シン・ハン」つまり、すぐに点(テン)検させない、安易に信(シン)じない、その場で判(ハン)子を押さない、ということ。この「テン・シン・ハン」運動を広め、「おうち110番の家」活動を広げていきたいとしています。

クリエすずき建設がスタートした、柏を含む東葛エリアに暮らす人たちを悪質なリフォーム業者から守る対策運動。悪質なリフォーム業者によって、リフォーム業全体への不信感が募れば、真っ当に事業を営んでいる会社にとっては大きな痛手です。また、地域に住む人にとっても、悪質なリフォーム会社からの訪問を受けた時に相談できる相手が存在するということは大変心強いものがあります。

地域に根ざした建設会社にとっては、地域の人々のためにも、自社のためにもなる取り組みです。また、合言葉の「テン・シン・ハン」というのも、実情を端的に表現していながらキャッチーで親しみやすいものとなっています。

・※1:悪質なリフォーム事業者にご注意ください!!(消費者庁HP)

※2:住まいるダイヤル(公益法人住宅リフォーム・紛争処理支援センター)

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