不可逆な時間の一瞬を静止画として切り取る“写真”。その価値は実際に写している被写体の様子だけでなく、その文脈や背景、撮影するまでの経緯などすべてを尊い瞬間として切り取って永遠に保存しているとも言えます。そんな写真の情緒的価値を伝えるためにフランスのWebプリントサービスCheerzが公開したのは、被写体が浮かべる笑顔の文脈をキャッチコピーとして添えたエモーショナルなプリント広告でした。

“Every smile has a story(すべての笑顔には物語がある)”という共通キャッチコピーが書かれたビジュアルの数々で紹介されているのは、笑顔を浮かべる主人公たち。単純な笑顔に見えますが、その笑顔を見せるまでの間に起きた人生のイベントとセットで表現することでその意味合いに深みを持たせています。LGBTQ+のレインボーフラッグを掲げながらキスをするカップルの横には「ポール、マーク、ルーカス、アンナ」と書かれており、男性と交際をしてきた結果今の女性パートナーとの幸せがあることを表現。

その他にも「1つの指輪。1つの質問。0.03秒での即答」と書かれた女性の写真や「あぱ。ばぱぱ。ばぱ。パパ」と書かれた男性と幼い子どもとの写真、「流産。流産。リリー」と書かれた母親と新生児の写真など、さまざまな状況を言葉で補足した上で描いているビジュアルの数々が公開されています。

写真が持つ本質的な魅力とその価値をシンプルだからこそ力強いビジュアルで描いたキャンペーンは、Cheerzの写真に対する向き合い方が伺える情緒あふれる施策でした。

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