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「◯◯だけ」一点突破で企画を貫くPR・マーケティング施策10選

2024/03/18 06:00 投稿

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今回は、そのわかりやすさから人々の関心を引き込む力と、そういう「だけ」なのかという驚きを演出するアイデア施策まで、まさに「◯◯だけ」一点突破で企画を貫くPR・マーケティング施策と言えそうな最新事例を10事例まとめてお届けします。

01.ひたすらエアコンだけを映した90分の映画が、ニューヨーク市内限定で公開! その企画意図とは?

2022年、エアコンや冷蔵庫をはじめとした大型家電を展開するMideaは、米ニューヨーク市民の多くが毎年猛暑を避けるために映画館に逃げ込むということに着目し、暑さから逃げ込むことを目的とした90分尺のエアコンの映画を制作し、実際に市内の映画館で公開しました。常に冷房が効いた空間の中で通行人に涼むためのスペースを提供しつつ、自社製品の存在感をアピールしています。

一切内容のない映像を前に観客たちはスマートフォンをいじったり、昼寝をしたり、ポップコーンを食べたり、自由気ままな行動を取っていて、上映後に感想を聞かれると「とてもリラックスできたよ」や「中は涼しかった」「いい昼寝ができました」など、作品には触れることなく映画館の空間そのものについてのみ言及。

映画を上映することそのものに意味はなく、あくまでもエアコンの素晴らしさを実感してもらいつつ自社製品のビジュアルを好きなだけ見てもらう場所を提供した施策は、ニューヨーク市民の夏に涼しい一時を提供しました。

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2.植物由来の原料だけの新商品をアピールした、パンダエクスプレスのCM

2022年、アメリカの中華料理レストラン大手パンダエクスプレスが、甘酸っぱいソースと鶏肉を絡めた看板商品・オレンジチキンを植物由来の原料のみで再現した期間限定メニュー「BEYOND THE ORIGINAL ORANGE CHICKEN(オレンジチキンを超えしオレンジチキン)」のCMを公開しました。

おいしさはそのままにベジタリアンも楽しめる商品が登場したことをアピールした動画は、その新規性と話題性を体現することでパンダエクスプレスのファンだけでなく幅広い視聴者の興味を引きました。

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3.皆既月食の写真をファンタと交換できる? オレンジ色という類似点だけで企画されたプレゼントキャンペーン

ザ コカ・コーラ カンパニーが販売するフルーツ風味の炭酸飲料ファンタは、2022年11月8日に世界中で観測された皆既月食のタイミングに合わせて、SNSに写真を投稿するとファンタが無料で1杯飲めるデジタルキャンペーン「FANTAMOON(ファンタの月)」をメキシコで実施しました。

キャンペーンは、皆既月食の写真とともに指定のファンタのSNSアカウントをタグ付けすることで、マクドナルドをはじめとした指定の店舗でファンタを1杯無料でもらえるという内容。多くの人が特定の写真を投稿するタイミングをピンポイントで狙うことで、自社のSNSにおけるプレゼンスの最大化を図ると共に、ユーザーにとってもメリットが大きいウインウインの施策となったようです。

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4.「赤い」というだけ!?『逆転裁判456 王泥喜セレクション』と「PARM」のSNSコラボ

2024年1月25日(木)発売予定の『逆転裁判456 王泥喜セレクション』と森永乳業株式会社が販売する、大人が満足する上質なアイスバー「PARM(パルム)」は、赤いという理由だけで(!?)コラボレーションの実施が決定しました。

コラボキャンペーンの一環として公開された動画「パルム特別コラボレーション法廷」内での議題は、『逆転裁判456 王泥喜セレクション』に登場するキャラクターの中で、パルムとのコラボにふさわしい人物を決める、というもの。

「赤い」という色だけの繋がりを理由としたコラボレーションということですが、ゲームの世界観と商品の紹介とをうまく融合させた動画の仕上がりとなっています。おなじみの「異議あり!」が繰り出されながら進む、誰がパルムとコラボするのにふさわしいかというストーリーには心躍らせる魅力がありました。

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5.3つのセリフだけでまだまだ広がる、 WEB CM『ハジメとケンとセツ』最新版が熱い

2023年、一建設株式会社は、昨年公開されるや話題となった、世界的サッカー漫画『キャプテン翼』の作者である高橋陽一先生監修・戸田邦和先生作画のWEB CM『ハジメとケンとセツ』の最新版(第7~12話)を公開しました。

『ハジメとケンとセツ』は、2022年11月に第1弾を公開。SNSで話題を呼び、「総集編」と「第1~6話」のYouTube再生回数は累計約560万回を突破し、第2弾の予告編もYouTube再生回数約230万回を突破しています。

たった3つだけのセリフで、物語がハイスピードに進んでいくという思いきりの良いコンセプトが効いているWEB CMが待望の新作公開。「ハジメケンセツ」という存在の認知は、格段に広がったのではないでしょうか。今回はWEB CMに加えて、一駅間の平均時間にあわせた電車内放送ドラマVer.や広告掲出など、さらに攻勢を強めている印象です。

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6.準備は食材を切って詰めるだけ!「個食」時代に寄り添う簡単便利なレシピ本

「冷凍レンチンパック」とは、保存袋に材料と調味料を詰めて冷凍保存し、食べたいときにレンチン調理で完成するごはんです。火を使用せず、準備は具材を詰めるだけなので、子どもから料理が苦手な方まで誰でも簡単に作ることができ、毎日のごはんはもちろんのこと、仕送りごはんやお弁当にも大活躍します。

そんな簡単で便利な調理レシピを集めた書籍として、KADOKAWAから『保存袋に具材を詰めたら、冷凍保存! 冷凍レンチンパック』(著者:どめさん)が発売されました。肉料理・魚料理・麺類・スープ・副菜など、全152品が掲載されています。

少子高齢化の影響もあり1人世帯も増えているなか、自宅での食事についても変化がみられます。自分1人分を調理する、または家族がいても個別のメニューを調理するという傾向をみると、この「冷凍レンチンパック」という冷凍保存して好きなときにレンジ調理のみで食べられるレシピのありがたみが高まります。

そして、152種類のさまざまなタイプのレシピが一冊にまとまっているというのもポイントです。ひとつのテーマで多様なニーズに沿えるようにアイデア集をまとめるという企画の基本でありながら、しっかりと時代のニーズに寄り添っています。

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7.必要なのは“思い”だけ、サポートサービス広がる「推し広告」って?

センイル広告エージェンシーJAPANから、2023年10月1日より「センイルJAPAN」としてサービス名称・ロゴを変更し、推し広告(センイル・応援広告)専門のサポートサービスとして活動するとの発表がありました。

この広告形態がおもしろい点は、通常であれば企業が営利目的で出すことが多いところ、この場合は営利目的ではなく、「この推しをとにかく有名にしたい!」とか「お誕生日に何かできることをしてあげたい」というファンの応援心理で広告を打つことにあります。センイルJAPANでは、2018年12月の推し広告(センイル・応援広告)代理事業スタートから、年間500件以上もの推しのセンイル・応援広告のサポート実績があります。

応援広告の具体例は、街頭ビジョン広告、地下鉄・バスなどの広告、LEDトラック広告、カフェでのカップホルダーイベント、SNS広告など、多岐にわたります。個人で実現するには資金集めが難しい大規模なプロジェクトでも、クラウドファンディング形式で同じ推しを応援する人たちと協力することで、実現の可能性を高めています。

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8.“売るのも、買うのも、子どもだけ”マネーリテラシーを育む「キッズフリマ」福岡で開催

ショッピングモール「MARK IS 福岡ももち」では、SDGsの取り組みの一環として、2023年10月21日(土)に小学生以下の子どもたちを対象としたフリーマーケット「キッズフリマ」を開催されました。

同イベントは近隣14校の小学生を対象に、本物のお金を使って買い物をしたり、中古品を販売したり、お金の価値の重要性やリサイクルの大切さを学ぶ貴重な機会。小学3年生~6年生が店主となり、自宅から使わなくなったおもちゃやぬいぐるみなどを持ち寄り、自分たちで値段をつけて販売します。

今回のイベントでは、自分で選んだ商品にお金を使うことの体験によって価値や大切さを感じられるだけでなく、不要品を持ち寄って売り買いすることで、リユース意識やコミュニケーション能力も学べるようになっているところがポイントです。全国での開催実績や人気ぶりも納得の取り組みがありました。

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9.ポップコーンに振りかけるだけの魔法!フレーバーパウダーの微笑ましいCM

さまざまなスナック菓子が販売されているアメリカにおいて、特定のお菓子専用のフレーバーをセット売りすることは効率的に売上を増加できる手法の一つです。Kernel Season’sはバラエティー豊かなフレーバーを通じてどんなスナックも好みの味付けに変えられる体験を提供している企業で、この度ポップコーンをより味わい深くするための専用パウダーを発売しました。テレビCMでは、あまりの魅力に思わず意外な行動を取ってしまう、表情豊かな登場人物たちが描かれています。

多くの商品がその特長を直接的にアピールする中で、特殊な演出を多用することで他社のCMよりも目立たせたいというブランドの意欲的な挑戦が伺える事例でした。

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10.罪悪感なし? NOMENラーメンメンヌキスープダケ「のんべえライン」の巧みさ

あみ印食品工業は、「NOMEN(ノーメン)ラーメンメンヌキスープダケ」を、2023年11月30日(木)より販売を開始しました。

「NOMENラーメンメンヌキスープダケ」は、ラーメンから麺を抜いたカップ型の「飲むラーメンスープ」です。一杯あたりのカロリーが24~42kcalと、「ラーメンを食べたい!でもカロリーオーバーはしたくない、胃もたれも気になる」という方にぴったりの商品です。

また、カップには通常注ぐ湯量ラインに加え、「のんべえライン」が設定されています。お酒を呑んだ時など、濃い目の味を求める時におすすめの湯量ラインとなっています。お酒を呑んだ後の締めスープとしてはもちろんのこと、食事時の一汁一菜のスープとして、夜食として、ランチの携帯用スープとして、アイデア次第で幅広い楽しみ方ができる商品となっています。

忘年会シーズンにあわせての麺なしスープだけラーメン商品の登場。濃い味がほしくなるという需要に応える「のんべえライン」という湯量調整のための工夫もポイントです。これならちょっといいかも、と思わせる商品を絶妙なタイミングでの販売開始とプレゼントキャンペーン施策の実施となりました。とくに、これからの年末年始は、ごちそう続きで体重増加が気になる時期でもあり、潜在的な需要は多そうです。

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一点突破で企画を貫く施策10選

「◯◯だけ」という強力ワードの発信力を用いながらも、実際の施策や企画はかなりバラエティ豊かなものとなっています。

ポイントは、「◯◯だけ」というワードから引き込まれた人へ、次の展開でどう納得してもらうか、もしくは驚きを持って楽しんでもらえるかという点ではないでしょうか。導入で想像したものとのギャップが大きければ大きいほど印象もより強まり、施策や企画の魅力度につながるのかもしれません。

そんな着眼点からPR・マーケティング施策を練ってみるのも、アイデアの引き出しを豊かにしてくれそうです。

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