“火気厳禁”であるはずの書店で「花火大会」ということで、出版業界に長くいる人も「聞いたことがない」という異例のイベントとなりました。さらに、会場には、本との出会いを演出する屋台も用意され、来場者が書店の新たな魅力を再発見できるように工夫もされています。そんな影響もあってか、今回の花火大会で六本木の蔦屋書店には、通常の150%ほどの来訪があったといいます。
また、全国の約300店の書店では9月13日まで「スマホで打ち上げよう。本屋であなただけの手のひら花火」を開催中。書店店頭のポスターにある二次元コードをスマホで読み込むと、書店の中で「花火」が上がります。自分の好きな本や書店の棚を背景に写真を撮って、SNSへ投稿すると、図書カードが当たるキャンペーンも実施しています。
書店内でプロジェクションマッピングを利用した花火を打ち上げる企画。『汝、星のごとく』という小説のイベントの一環ですが、小説のファンのみならず、花火を見た一般の人も思わず足を止めてカメラを構えており、全体的な来訪者の増加にもしっかりつなげています。本来、本と花火は交わらないコンテンツですが、映像技術が発達した現代ではこういった禁忌とされているもの同士を一緒に楽しめるようになりました。花火だけでなく本にまつわる屋台なども用意しており、徹底して世界観をつくり上げている姿勢も素晴らしいです。リアルイベントは”やるならとことん”が効果的という、お手本のような施策となっています。