「人間とAIが共創する」ということをコンセプトに、AI校歌生成プログラムを使って、地域や子どもたちに愛される校歌を作成していくことになっています。
日本特有の学校文化として発展を遂げてきた校歌の起源は、明治政府の教育改革の一環として、価値観や思想の統一のために導入されたと言われています。その後「郷土の歌」として広がることで、学校という範囲を超え、地域社会に結び付きを持つ歌として歌われるようなった日本の校歌ですが、テクノロジーが急激に発展し、また価値観も多様化した令和の時代において、子どもたちが今聴きたい歌、歌いたい校歌とはどんなものなのか。今こそ時代にふさわしい進化が必要なタイミングではないかと考え、今後の校歌の在り方についてAI技術を用いてみんなで検討することとしています。
そこで、まずは全国の小・中・高・大の校歌を集め、それらをAIに学習させ、AIが楽曲と歌詞を生成するプログラムを構築し、全国の学校が自校の校歌を再評価・編曲する機会を提供していく予定です。研究メンバーのうち、理研AIPはAIによる楽曲の生成や歌詞生成支援システムの開発を担当し、B Labは研究コンセプトの企画、全国の学校を巻き込んだ普及啓発や、AIが生み出したコンテンツの著作権に関する共同検討を行うものとしています。
特設サイトも新たに開設され、今後の研究の成果など情報発信がなされていく予定です。
たしかに全国にたくさん存在する学校の校歌を集めれば、データベースとしては十分なものになりそうです。そして、全校生徒や関係者から理想の言葉やイメージするメロディを大量に集めてつくれば、より多くの人の多様な意見が反映された民主的な楽曲が生まれる可能性があり、おもしろい取り組みとなっています。そして、同様に見直されつつある社歌でも取り組んでみたらどうなるのか、または期間限定のキャンペーンソングとして施策に活用したらどうなるのか。いろいろな企業PRにも取り込める可能性を感じます。