「ITOMACHI HOTEL 0（ゼロ）」は建物に省エネルギーと創エネルギーの機能を同時に備えることで、ホテル運営において実質的な電力エネルギー消費をゼロとするホテルです。日本国内のホテルで初めて、環境省が定める「ZEB」の認証を取得しています。「ZEB」とは、Net Zero Energy Building（ネット・ゼロ・エネルギー・ビル）の略称で、「ゼブ」と呼びます。建物の中では人が活動しているため、エネルギー消費量を完全にゼロにすることはできませんが、省エネによって使うエネルギーを減らし、創エネによって使う分のエネルギーをつくることで、エネルギー消費量を正味（ネット）でゼロにすることができます。
地球温暖化対策のため、日本では2020年10月に「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。2021年10月に閣議決定された地球温暖化対策計画では、業務部門（事務所ビル、商業施設などの建物）においてエネルギー起源CO2排出量を2013年度比51％削減するといった目標が設定されており、建物でのエネルギー消費量を大きく減らすことができるZEBの普及がカーボンニュートラルの実現に向けて求められています。
建物用途別のエネルギー消費量において延床面積辺りの電力使用量が第2位となっているのがホテル・旅館業界です。この電力使用量を実質0にすることは、脱炭素社会を加速させる大きな可能性を秘めています。ゼロエネルギーホテルが増えることで、自然環境負荷をかけることなく、人のたのしみを創り出す、これからの時代の持続可能な観光と宿泊体験を多くの人に届けることができるようになると期待されるのです。
「ITOMACHI HOTEL 0（ゼロ）」は、ゼロエネルギーホテルとして、日々当たり前のように使用するエネルギーと向き合うきっかけを提供しながらも、愛媛ならではの魅力が集められており、建築・客室・食・アメニティとあますところなく「愛媛のたのしみ」を体験できるのも嬉しいところ。今後は「人が快適なだけでなく、環境にとっても快適」な宿泊施設がますます増えていくと思われるなかで、日本初のゼロエネルギーホテルの動向は引き続き見守りたいものです。
・関連資料：ZEB PORTAL（ゼブ・ポータル）「 ZEBとは」（環境省）
