8月30日に安保法制に対する大規模な反対デモが
予定されているらしい。
わしは誰であろうと反対意思を表明する者に
一定の理解を持つのだが、果たして
国会周辺に集結して声を上げるデモに、
どれほどの効果があるのだろう?
60年安保闘争の時も、岸首相は「国会周辺は騒がしいが、
銀座や後楽園球場はいつも通りである。
私には声なき声が聞こえる」と言い放ったというのが、
有名な伝説となっているほどだ。
大衆のデモに揺るがぬことが名宰相と言わんばかりの
観念が、自称保守派には共有されており、一般にも
常識化されつつある状況だ。
岸首相の安保改定が、不平等な旧安保条約をより
双務的にしたと評価されているのは、実は
大馬鹿な説であることをわしは実証できるが、
とにかく「岸神話」は今のところ生きている。
安倍首相は岸信介の真似をして悦に入りたいのだから、
国会周辺がデモで物々しくなればなるほど、
自信を深めるだけだろう。
マスコミからデモが盛り上がっていると報じられれば、
安倍首相のナルシシズムは最高度に高まって、
健康状態が回復するだけのような気がする。
しかも最近は一般人も悪い意味で保守化してるから、
反対デモの参加者の自己満足を感じ取って、
逆張りの世論となって安保法制賛成に転じてしまう
危険性もある。
デモに過剰な期待をするのはもう時代遅れではないのか?
静かなる侮蔑と反抗心で、世論調査の極端な
支持率低下に導く方が、政権は恐いのだろうが。
権力の暴走を阻止する覚悟は国民に必要なことだ。
憲法9条が属国化する日本を食い止められないという
事実にも、厳粛に気づいておくべきだろう。
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