(byよしりん企画・トッキー)
『新戦争論1』の感想、
本日は若林丸さんのブログから、
一部ご紹介します!
「戦争論(1998年)」から17年、
シリーズ最終巻「3(2003年)」から数えても
12年ぶりの、新シリーズ発売です。
帯のコピーは「ようござんすね?このまま戦争で」。
まさに、当事者意識を問う一冊。
僕は(今の所)アマチュアとはいえ、漫画描き、
ストーリーテラーの端くれという自負があるので、
「漫画・アニメ」の視点から、
本書をレビューしてみたいと思います。
漫画作品である以上、ネタバレには注意しますが、
ある程度の解説は容赦してください。
第1章「ウォーボット・ゲーム」は、
「スマホアプリの戦争ゲームだと思っていたら、
実は・・・」という、ふだん「艦これ」などで
遊んでいる僕らには少し怖い内容です。
昔、コミックボンボンで池原しげと先生が(※)、
ゲームを戦争に利用する組織という
荒唐無稽なストーリーを
描いていましたが(古くて申し訳ない)、
現代の電子機器の発達を考えると、
それこそ事実は小説より何とやら、
という気がしてきます。
例えばガンダム等のアニメを見ていると、
イケメン・美少女がしたり顔で
「これが戦争なのだ」みたいな事を語ります。
単にストーリーとして見ている分にはカッコいいのですが、
では、それを見ている自分たちが「戦争」という
極限の状況に立たされた時、それが言えるでしょうか?
やはり「ただしイケメンに限る」
なのでしょうか?(←そこはどうでもいい)
日本という国は結局のところ、
まだ自分で戦争ができない国です。
戦争できる国というのはつまり、
1.戦略目的を決定し
2.宣戦布告し
3.戦闘を開始し、終了させ(勝敗は関係なく)
4.戦争を終結させ
5.戦後処理をする
という一連の流れが自分自身でできる国、ということです。
どこかの大国の傘に入っていたいためだけに
「戦争するからお前も参加しろ」と言われたら
ホイホイ付き従うだけの国は、「属国」と言うべきでしょう。
真に独立した国であれば、
その戦争の正当性を考えたうえで、
異議があれば「参加はできない」と突っぱねる事も
できなければなりません。
この点について「新戦争論」では、
イラク戦争に反対したドイツとフランスを挙げています。
本書では、前半においてイラク戦争の総括を行っています。
それも、戦争と政治的な流れだけでなく、
日本の言論人たちが当時何を言っていたか、
を詳細に振り返っているので、
本人たちには耳が痛いことでしょう。
イラク戦争が始まった当時、すでにネット上には、
極めてゲーム的な感覚で、好戦的なムードを
煽る人たちが現れていました。
不気味に思ったのは、彼らの多くがどうやら、
自分と同じアニメ・漫画が好きな人達らしい、
と知った時です。サブカル好きな人なんて、
みんな根は無邪気なもんだろうと思っていたのです。
しかし実際は、「無邪気に」恐ろしい事を
平然と言い放つ人々が、少なからずいました。
これはむしろ冷静に考えると、「無邪気だからこそ」
そのような事が言えるのではないか?と、考えています。
以下略、全文はこちら↓
Laboratory of Dr.W イラスト・漫画その他適当に綴る日記。
(※)若林丸さんから訂正
ゴー宣道場でトッキーさんに本記事を紹介していただいて、
読み返して気づいたのですが、これは池原先生でなく、
やまと虹一先生だったかも知れません。あるいはぜんぜん違う人かも・・・
「少年達のゲーム技術を軍事に利用する」という内容の漫画
だったのは覚えています。間違っていたら各方面に失礼なので、
情報があやふやだという事を補足しておきます。
案外語られない「漫画・アニメ」の
視点からの『新戦争論1』(漫画作品なのに)
の感想、参考になります!
「無邪気に恐ろしい事を言う人たち」
当事者意識どころか、世の中で起きている
ことに対する「現実感」さえ希薄な人たちが
相当にいて、それが危機感のない空気を
作っているのかもしれないとも思いました。
『新戦争論1』を読める人が
もっと増えなければ、
このままの空気じゃ
本当にヤバイ!と思います。
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