NHKの『さよなら私』が最終回になった。
大林宜彦の『転校生』に想を得たドラマで、
女同士の親友が入れ替わるのだが、
一人は未婚のキャリアウーマン(石田ゆり子)で、
一人は子持ちの主婦(永作博美)としただけで、
これほど深い話ができるとは驚いた。
しかも永作の夫が、妻の親友とは知らず、
石田と不倫していたという設定。
魂が入れ替わって、それぞれの人生を生き、
永作の身体がガンに蝕まれて、死に向かっている
ときに、やっと二人の魂が元に戻される。
最後には永作がガンで死ぬことによって、
わが子の次の母親として石田を指名するというのだから、
男は結局、妻と愛人の両方を正式に手に入れたわけで、
なんだかうらやましくなる設定だった。
永作はアイドルグループribbonのメンバーだったが、
現在44歳であの童顔だから驚く。
しかも演技が抜群に上手くなっていて、
アイドルから女優として成功した者もいるのだから、
大島優子も頑張ってほしいものだ。
しかしテレビドラマでこれだけ充実したストーリーと、
俳優たちの演技を楽しむと、映画のレベルと
どうしても比べてしまう。
最近、『セカンドバージン』や『紙の月』など、
NHKのテレビドラマを映画化する例があるが、
あれはどうなんだろう?
テレビを上回っていると言えるのだろうか?
今シーズンのテレビドラマの中では、
『さよなら私』が最高の出来だった。
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