小林よしのりライジング

公と私、空転する意欲

2014/08/18 13:30 投稿

  • タグ:
  • 登録タグはありません
  • タグ:
  • 登録タグはありません
 

自分自身と周囲の者の覚悟の差が凄すぎて呆然とする。

この一冊で何が何でもの勝負と、眦を決して
描いているのに、誰も分からんようだ。

わしは8月中に今描いている作品のコンテを
上げたいと必死である。

だがもうほとんどその見通しを修正しなければ
ならないほどの遅れが出ている。

わしの焦りを察することもなく、今日の夕食は外で
ディナーにすると妻が言い出す。本当にむかつく。

ふざけるな、勝手に決めるなと一喝。

わしは今日中に一本ペン入れを済ませて、
ただちに次のコンテを開始したいのだ。

ものすごい意欲に燃えていたのだ。

だが仕事と言う「公(パブリック)」には、
「私(プライベート)」の安定が大いに影響する。

家族やスタッフへの気配りを考えていないと、
いい仕事はできないのも事実なのだ。

 

理研の笹井教授が自殺したのも、NHKスペシャルで
小保方さんとのメールのやりとりまでばらされたことが
大きかっただろう。

週刊誌があのような「私事」を暴露するのと、
NHKが暴露するのでは影響力が違う。

女(私)に血迷って仕事(公)をしくじったとなると、
その評価はたちまち家族(私)の信頼を崩壊させる。

もし家族が、笹井氏の社会的名声が地に落ちようと、
断固支えるという覚悟をしていれば、自殺するまでに
追い込まれることはなかったかもしれない。

 

公的な領域と、私的な領域のバランスをとるのは難しい。

そういう煩わしさから逃れるために、昔は1ヶ月くらい
東京を離れてカンヅメしていたが、最近は体力が
なくなって、食事の栄養のバランスが崩れたり、
クーラーや空調のかげんが合わないと、
喘息が出たりする。

歳をとっているのだ。もう時間がないかもしれない。

描きたいものがあるから描きたい。

描けなくなる前に描いてしまいたい。

そういう思いは強くなるのだが、仕事に集中できない
煩雑な私事が出てきて、空転していく。

描きたいと思うことは悪いことだろうか?

 

 

ブロマガ会員ならもっと楽しめる!

  • 会員限定の新着記事が読み放題!※1
  • 動画や生放送などの追加コンテンツが見放題!※2
    • ※1、入会月以降の記事が対象になります。
    • ※2、チャンネルによって、見放題になるコンテンツは異なります。

小林よしのりライジング

小林よしのり(漫画家)

月額:¥550 (税込)

コメント

コメントはまだありません
コメントを書き込むにはログインしてください。

いまブロマガで人気の記事

継続入会すると1ヶ月分が無料です。 条件を読む

小林よしのりチャンネル

小林よしのりチャンネル

月額
¥550  (税込)
このチャンネルの詳細