村山談話・河野談話に未来はあるか?
第44回 東京新聞が報じた
「元日本兵供述の資料」の意味とは?(その3)
インドネシアでは抑留されたオランダ人女性が
慰安婦になっていたケースがあったが、日本軍の方針は、
あくまでも本人の自由意思で応募した者だけを
使うことになっていた。
抑留者を強制売春させるのは戦時国際法違反の
れっきとした戦争犯罪であるのみならず、
日本軍の軍規にも違反していたのだ。
だが実際には、その方針に違反した出先部隊もあったようだ。
インドネシアにおける慰安婦の多くは現地人だった。
オランダ人は少数で、主に幹部・将校向けだった。
日本軍の幹部・将校の中には、白人に勝ったことで思い上がり、
白人女性の慰安婦を求めた者もいたようだ。
そして、うまく自由意思による調達が出来なかった場合には、
違法行為の強制売春が起こっていたことも考えられる。
戦後、日本軍の戦争犯罪を裁く「BC級戦犯裁判」が
各国で開かれた。
オランダでも軍事法廷が開かれたが、慰安所の「強制売春」が
裁かれたのは スマラン慰安所のケースのみで、裁判では
死刑1名を含む11名に有罪判決が下っている。
東京新聞3月23日付記事に載ったバリ島の慰安所に関する
供述資料では、オランダ軍下士官の妻を慰安婦にした経緯などは
はっきりしないが、「軍需部、施設部に強硬談判」して
工作費を出させ、口止め工作を行なったのだから、
何らかの後ろ暗いことがあったと見るしかない。
「これが完全に功を奏したと見え(慰安婦関連では)一件も
訴えが出なかった」というが、もしもそうでなければ、
スマランの場合と同様、BC級戦犯裁判に
かけられていたかもしれないケースだったのだろう。
この資料を持ち出した関東学院大教授・林博史や東京新聞は
この資料を「河野談話の裏付け」だとしているが、
これはあくまでも出先部隊による非行行為で、当時の日本軍全体の
方針としても決して認めていない犯罪だったということを、
まったく理解していない。
左翼学者や東京新聞は、当時は日本国内でも合法だった売春と、
当時も違法だった抑留女性に対する強制売春の区別も
つかないのだ。
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