村山談話・河野談話に未来はあるか?
第23回 慰安婦「謝罪派」の理論的支柱・吉見義明
朝日新聞に慰安所「軍の関与」の資料を渡したのは、
中央大学教授の吉見義明という人物だった。
吉見は慰安婦訴訟の原告第1号、金学順の記者会見を見て
慰安婦問題に興味を持ち、以前防衛庁(当時)図書館で
慰安婦に関する資料を見たことを思い出し、
再び同図書館に出向いて決定的資料を「発見」したという。
吉見はこのことに関して、
「まさか防衛庁図書館に慰安婦の資料があるとは誰も
思わなかったんでしょうが、私は偶然見つけて、
これは非常に重要だと思ってコピーしたのです」
と語っている。
誰もが見過ごしていた「盲点」に自分だけが気付き、
埋もれていた資料を発見したものと思い込んでいるらしく、
失笑を禁じ得ない。
実際は、防衛庁図書館に所蔵されている旧日本軍の資料の中に
慰安婦の資料が含まれていることぐらい、
研究者だったら誰でも知っていたのだ。
そして、そこに記されている程度の「軍の関与」など、
普通の研究者だったら周知の常識で、珍しくも何ともなかったから、
誰もわざわざそんな資料を取り上げなかっただけの話だったのだ。
結局のところ、吉見義明という人は「普通の研究者」
ではなかったということだ。
「強制連行が起こらないようにするための軍の関与」を
「強制連行への軍の関与」とひっくり返して見せる
朝日新聞と極めて近い目を持った「特殊な研究者」だったのだ。
こうして吉見はさらに慰安婦関連の資料の「発見」を続け、
『従軍慰安婦資料集』という600ページに及ぶ大著を刊行。
さらに岩波新書『従軍慰安婦』などの著書により、
慰安婦問題において日本政府に謝罪・賠償を求める
左翼市民グループの「理論的支柱」と言われるに至った。
そもそも「従軍慰安婦」という不正確・不適切な用語を
平気で書名に使うような「研究者」であり、
その資質には疑問を持たざるを得ないのだが、
それでも吉見は徹底的に資料を収集した結果、
研究者としてはどうしても認めざるを得ない
「不都合な真実」にぶち当たることとなった。
「強制連行」の証拠が、吉田清治の証言以外に
何一つないという事実である。
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