青林堂から「ジャパニズム」という雑誌が送られてきた。

わしはこの雑誌が嫌いだ。

なぜかというと、在特会擁護雑誌からである。

在特会擁護で、原発推進派の、ゴリゴリの右派雑誌だから、
時間を割いて読む価値はない。

今号も大特集に在特会の桜井誠へのインタビューを掲げている。

「在特会、京都裁判の真相!」と題して、京都地裁で在特会が敗訴し、賠償金の支払いと、
京都朝鮮学校周辺での街宣活動の停止を求められた判決に対して、義を呈している。

だが、この雑誌の中ほどには「カウンター側からの反論」として
安田浩一のインタビューを載せている。

そのリード文には、
桜井会長の在日問題に対する“主張”を否定する読者は少ないだろう
と書いている。

つまりこの雑誌の読者は在特会であり、在特会を擁護する者たちであり、
朝鮮人差別が好きな者たちである。

しかもリード文ではこう書いている。

しかし、堂々と弊誌に登場してくれ、在特会を斬る安田氏の姿は
敵』ながら天晴れなのではないだろうか――。

この雑誌においては、在特会を批判する者は「敵」なのだ。

内容を読むと、確実に安田浩一氏の方が、理があり、正しい。

「朝鮮人は死ね!」「チョンは出ていけ!」と悪罵を投げつける
「ヘイトスピーチ」は、暴力なのだ。

殴る、蹴る、刺す、と何ら変わらない暴力である

安田氏が言うように、在特会には政治的主張がない。

ただ、差別しろ、在日の存在を否定しろと言っているだけだ。

「在日特権」などは、そもそもない。

安田浩一氏は、桜井誠に討論を持ちかけているが、
桜井は逃げるだけだという。

 

この差別雑誌に、なんと高森明勅氏と笹幸恵氏が登場している。

正直言って、わしは悲しい気持ちになった。

高森氏と笹氏が、こんな雑誌に載ってるなんて

一般の人が偶然見かけたら、「ゴー宣道場」の師範は、
在特会を支持してるのだろうかと疑念を持たれないか?

陣営への取り合いなどする気はないし、高森さんは意見の違う場所だろうと、
どこにでも顔を出して自分の主張をする人だ。

わしの目からは面の皮が厚い(冗談気味)人だが、別の角度から見たら、
陣営に閉じこもらないで、議論を開いていく人だということも出来る。

だからわしは、どこに登場しようが構わないと思っている。

だが笹さんはそんな面の皮が厚いタイプではないだろう。

だからわしは心配になる。

意見の発表の場があれば、どこだって嬉しいと思うのは、
表現者の性である。

だが、場を用意してくれるのは、大概が自称保守論壇村だったりする。

自称保守論壇村に取り込まれた人は、リベラルなメディアからは声がかからない。

最初にわしと関わって、「わしズム」や「ゴー宣道場」で名を知られた人が、
やがて自称保守論壇村のメディアに誘われて、いつの間にか村の同調圧力に染まり、
村の主張」を言い始めるという例をいっぱい見てきた。

驚くほど「個」が脆弱で、「集」に染まるのが、日本人なのだ。

高森、笹両氏が、その例にはならないのは間違いない。

だが、「正論」「Will」までならまだしも、
在特会擁護の雑誌だけは、書くなとはいわないが、警戒していてほしい。

それは最悪のイメージだ。

天皇陛下は、マイノリティーの人々も
大御宝(おおみたから)として慈愛を施されている。

わしは在特会という「個」が脆弱な差別集団は大嫌いである。

差別論(文庫)

 

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