今まで描き下ろしで描いていけばいいと思っていたスタイルを、雑誌連載型に変えたが、連載4本を順調にやって行けるかどうか、まだ分からない。
今のところ綱渡りだ。
チーフ広井によれば、『おぼっちゃまくん』のペン入れを始めたときには、次の『おぼっちゃまくん』のコンテが仕事場になければならない。
『大東亜論』のペン入れを始めたときには、次の『大東亜論』のコンテが仕事場に届かねばならないのだそうだ。
週刊連載と同時並行で、この2本を描いていくしかないのだという。
誰かが病気をしたら、原稿は落ちる。
それを克服するには『おぼっちゃまくん』と『大東亜論』のコンテが1か月先まで進んでいなければならない。
残念ながらわしがまだそこまで進行できていない。
やらねばならぬのだが。いや、絶対にやるのだが。
まさかわしが64歳にもなって、週刊連載+3本の連載を抱えることになろうとは思ってもいなくて、だが、幸いにもチーフ広井が「青春だ!」とやる気満々。
ポカQも緊張感が漲る指導的な役割を発揮し始めた。
殿が愛人と独立したら、カネの切れ目が縁の切れ目になったかのように、残された軍団がグダグダになっているが、あれは子分がお荷物になっていたからだろう。
よしりん企画は、スタッフ全員が職人であって、わしの仕事には必要不可欠、運命共同体だから、わしが潰れたら、全員解散。
そのときの保証も考えている。
だが、我々はまだ青春であって、漫画制作の道を邁進するのみだ。
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