キネマ旬報で1位は『この世界の片隅に』で、
2位が『シン・ゴジラ』だという。
『君の名は。』は圏外だったらしい。
まさに、やっぱりなという評価である。
評論家は映画を「理屈」で見るのだ。
だが、少年少女や一般庶民は映画を「感覚」で見る。
評論家が好む映画には「言葉」や「理屈」がべったり
張り付いている。
だが、庶民が夢中になる映画は「無意識」で何かを
感じているのだが、それを言葉に昇華できない。
本当に重要なことは、少年少女の「無意識」が何を受容
しているのかという洞察だ。
大人は少年少女の「無意識」を分析できない。
それは、これからの世界を創造する未来人の「感覚」
だから仕方がないのだ。
『この世界の片隅に』は原作を読んでないから、映画と
どんな違いがあるのかが分からない。
だが、玉音放送の後の主人公の絶叫シーンで、評論家は
確実に「反戦平和」を確信して、安心して評価するのだ。
そういう左翼臭は気にいらない。
それでも戦時中の生活感を再現してくれた丁寧さは
面白かったので、総じて良質の映画だったなという
感想はある。
『シン・ゴジラ』は見てる最中から「理屈」と「言葉」が
溢れ出してきて、童心ではさっぱり見れなかった。
わしはハリウッドの「ゴジラ」や「キングコング」の方が
好きである。童心だけで見れるからだ。
本物の知性は少年少女の「無意識」に何が生まれて
いるのかを洞察できなければならない。
『君の名は。』には現代社会で最も重要なメッセージが
内包されているのだが、理屈好きな大人でさえ、それを
言語化できないほどに娯楽に徹していたから凄いのである。
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