トランプがセクハラを病癖のようにやっていることが暴露
されて、もちろん全体としては支持率を微減させているが、
それでもトランプの支持者にとっては大した衝撃には
なっていないようである。 

トランプの女性支持者からは「うちの夫と同じようなものよ」
という感想らしい。
もう「男とはそういうもの」と諦めているのである。
こういう女性がまさに「名誉男性」であり、「準男性」であり、
男の女性蔑視社会を延命させる弊害なのだが、アメリカでも
やっぱりこうなのだ。 

日本でも「天皇は男系血脈だから美しい」と公言する女性が
いる。「名誉男性」「準男性」である。
もはや空気のように男尊女卑を受け入れている女性が、
少数派だがいる。
石原慎太郎が小池百合子のことを「厚化粧の大年増」と
言っても、女性差別とは思わず、むしろ石原を擁護するほど、
男性優位社会の奴隷と化した「名誉男性」がいる。 

「厚化粧の大年増」、まるでトランプのような発言だが、
さすがにアメリカではセクハラ認定のはずだ。
アメリカでは公的な場で女性差別をすると、その打撃は
計り知れない。
だからこそ慰安婦問題で、安倍首相は妥協せざるを得なかった
のである。
「強制連行はなかった」とか「あの時代は公娼制度で、売春が
公認されていた」とか「兵士よりも稼いで、家を買った慰安婦
もいた」とか「日本兵と結婚した慰安婦もいた」というような
主張は、アメリカでは許されないとされた。
それほど女性差別は公的にはタブーになっていたのだ。 

だが、実は私的にはセクハラだらけというのがアメリカ社会の
実態である。
その実態をはからずもトランプのセクハラ疑惑が証明して
くれることになった。
「公」と「私」の乖離がアメリカ社会はすさまじい。
日本の慰安婦問題がアメリカでは弁明を許されず、謝罪するしか
なくなるのは、そういう「公的には女性差別は許されない」
という空気の圧力だけでなく、やはり日本人の女性差別は
特に許せないという人種差別意識もあったのではないかと、
わしは疑っている。 

まあ、それでもトランプのセクハラ病癖は、共和党の議員の中
からも、強烈な嫌悪感が噴出して、支持を撤回した議員もいる。
トランプ支持のままだと、自分が次の選挙で負ける恐れがある
と判断するからだ。 

ようするに少数の「名誉男性」「準男性」である奴隷型の女性が
いるにはいるが、やはり男女平等という大きな理念への進展は、
もう止まらないのだ。
日本人もそこは理解した方がいい。
天皇制は時代とは無関係、伝統だから男尊女卑でもいいとは
いかないだろう。 

産経新聞の記者や自称保守の連中は、ボブ・ディランを聴いた
ことがあるか?
「時代は変わる」の歌詞を教えよう。

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さまよう人たちよ、回りに集まれ 

水かさが増していることに気づくんだ

そしてもうすぐ骨まで浸み込む

もしあなたにまだ助かる時間が残されているなら

泳ぎ始めたほうがいい

さもないと石のように沈んでしまう

時代は変わっていく

 

 

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