田中康夫公式ブロマガ「だから言わんこっちゃない!」

ダイジョウビか?今のニッポン!再来週は2・26事件から78年目!「あとは自分で考えなさい。」無料生放送連動「だから、言わんこっちゃない!」2月12日号。

2014/02/12 11:58 投稿

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【ブロマガ月別アーカイヴ: 2012-12 / 2013-1 / 2013-2 / 2013-3生放送はこちら 】

ダイジョウビか?今のニッポン!再来週は226事件から78年目!「あとは自分で考えなさい。」無料生放送連動「だから、言わんこっちゃない!」212日号。

 

タイムシフト予約は⇒ http://live.nicovideo.jp/watch/lv168253705

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いやはや、迷走・妄想・混迷な奇っ怪ニッポンでごじゃるぞ。

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今週も扱うべき内容が盛り沢山。予習・復習を忘れずに。

ではでは、スタート!

 

まずは、必読。

安倍首相の靖国参拝、知られざる波紋

大前研一の日本のカラクリ

http://president.jp/articles/-/11835

強く懸念されるのは、靖国問題で日本が孤立し、国内と国外の認識ギャップがさらに広がり、それに対して感情的に反発する日本人が次第に増え、かつ急速に右傾化していく、つまり、いつか来た道に引きずり込まれることだ。

宗教学者でフクイチ問題、取り分け被曝問題・甲状腺癌に関し、洞察力に富む論考を「島薗進・宗教学とその周辺」 http://shimazono.spinavi.net/ 

で展開される畏兄・島薗進氏のtweetretweetしました。

https://twitter.com/#!/loveyassy

 

この問題に関しては既に僕も、浅田彰氏との「ソトコト」の「憂国呆談」 

http://www.nippon-dream.com/?p=11404 

VERDAD」の「新ニッポン論」でも「戦後レジーム」と題して

http://www.nippon-dream.com/?p=11373

扱っています。

大前研一氏も文中で「靖国神社」を欧米メディアは「Yasukuni War Shrine

と表記しています。

害・無能省おっと誤植(涙)外務省は、各国駐箚(ちゅうさつ)大使に「反論」にもなり得ていない文章を海外メディアに寄稿させる前に、この表記を「放置」している段階で既に勝負はあった、でしょ。

大前氏の論考は、一番最後に全文を再録しておきます。

これまでにも御紹介の

靖国参拝を米国が許容できない理由  日米の認識のギャップ 辰巳由紀

http://wedge.ismedia.jp/articles/-/3484?page=3

も再録ね。

 

で、「フィナンシャルタイムズ」「CNN」「ワシントンポスト」「米国Yahoo!」を御紹介。

Japanese PM provokes anger with Yasukuni war shrine visit

http://www.ft.com/intl/cms/s/0/079d6a3a-6ddc-11e3-bbc6-00144feabdc0.html#axzz2soc7cu7U

Japanese Prime Minister Abe visits controversial Yasukuni war shrine

http://edition.cnn.com/2013/12/25/world/asia/japan-pm-war-shrine/

 

Japanese prime minister’s visit to Yasukuni war shrine adds to tensions in Asia

http://www.washingtonpost.com/world/japanese-prime-ministers-visit-to-yasukuni-war-shrine-spurs-new-tension-in-asia/2013/12/26/c04b0616-6df8-11e3-b405-7e360f7e9fd2_story.html

 

Japanese prime minister visits Yasukuni war shrine

http://news.yahoo.com/japanese-prime-minister-visits-yasukuni-war-shrine-025340271.html

 

フィナンシャルタイムズの別の社説は、日本経済新聞が再録ね。

[FT]国家主義的傾向強める安倍首相(社説) 

http://www.nikkei.com/article/DGXNASGV10001_Q4A210C1000000/

日本経済の活性化を目指す大胆な戦略である安倍晋三首相の「アベノミクス」の陰には台頭する中国の脅威がある。そもそも自民党の関心が安倍氏に向かい、国民の多くが選挙で同氏を支持したのは、拡大する中国の影響力への懸念が理由だった。安倍氏が、15年に及ぶデフレを根絶し、経済力の向上を追求するのも同じ危機感からだ。

 同氏は、歴史修正主義の立場から、日本は戦時の残虐行為を巡り不当に批判されてきたと考えているが、これまでは経済運営を優先してきた。ただ、就任後1年が過ぎ、少なくとも2016年まで政権の安定が予想される今、国家主義的な政策を前面に押し出し始めている。

 安倍氏は201312月、米国政府の忠告や外交上の懸念を無視して靖国神社を参拝。その結果、中国との関係改善の見通しが大きく後退、韓国とも緊張が高まっているようだ。靖国参拝の前には、過度に厳しい特定秘密保護法案を成立させている。

 この政策に対する懸念は、官邸が影響力を持つNHKのトップ人事でさらに強まった。会長に指名された籾井勝人氏は12月の就任記者会見で「政府が右ということを左というわけにはいかない」と発言し、多くの関係者を驚かせた。

 また、同氏は従軍慰安婦問題を「戦場地域にはどこの国にもあった」などと発言、その後撤回したものの、大きな波紋を呼んでいる。さらに、安倍氏が任命した別の経営委員が「南京大虐殺はなかった」などと述べ、事態を悪化させた。原子力の利用が焦点となった東京都知事選を前に、NHKは原子力業界に対する批判の抑制を図ったようにもみえる。自民党は基本的に原発推進を支持する立場だが、11年に起きた東京電力福島第1原発の事故を受けて国民は警戒感を強めている。

■議論の機会を狭めようとする安倍氏

 安倍政権は公の議論の幅を狭めようとしており、中国の日本批判はそれを後押ししている。米世論調査機関ピュー・リサーチ・センターが最近行った世論調査では、中国に肯定的な印象を持つ日本人はわずか5%にすぎないことが分かった。国民の多くが受け身で、意見を主張しない日本では、世論を操作しようとする安倍氏の政策は危険だ。

 日本にとって議論すべき課題は多い。「集団的自衛権」の解釈を変更し、同盟国などが攻撃された場合、自国への攻撃と見なして反撃できるようにするのはその一つ。およそ世界に類を見ない戦争放棄を定めた憲法9条の改正も議論が必要だろう。安倍氏にとって不都合なのは、国民の大部分が戦後の平和主義を支持しており、同氏のように保守的ではないということだ。安倍氏は、議論の機会を減らすことで、自身に好ましい方向に世論を向かわせようとしているようだ。

 安倍氏は日本の近隣諸国にとって脅威だとする中国の主張はおおむねばかげているが、同氏の政策は日本自身を脅かしかねない。中国の脅威が口実にされ、日本の開かれた社会がたたかれればこれ以上の悲劇はない。

2014年2月10日付 英フィナンシャル・タイムズ紙)

日本の特攻機を修復

http://www.oita-press.co.jp/worldInternational/2014/02/2014021201001137.html

 

更に本日付「日経」

靖国参拝、日中が場外戦 広報外交激化(真相深層) 

http://www.nikkei.com/article/DGXDZO66683850S4A210C1PE8001/?df=2&dg=1

昨年末の安倍晋三首相の靖国神社参拝を受け、世界で日本と中国の応酬が広がっている。中国は「侵略戦争の美化」と批判すれば第2次世界大戦の戦勝国の理解を得やすく、欧米諸国と共通の土俵に立つ好機とみる。人権や民主主義を尊重する国と協力する「価値観外交」を掲げて欧米と連携を強めてきた首相も対抗している。

「戦後秩序に挑戦」

 中国政府は首相の靖国参拝を批判する宣伝戦を仕掛けるよう在外公館に指示した。大使らが現地紙に寄稿したりインタビューに応じたりしたのは約70カ国に及ぶ。欧米の主要国のほかアフリカや中南米にも広がる。カリブ海のグレナダ、地中海のキプロス、インド洋のコモロ、南太平洋のバヌアツなど小国も目立つ。

 寄稿に共通するのは、首相の靖国参拝が「日本の軍国主義の復活」を意味し「第2次大戦の結果と戦後の国際秩序に挑戦している」と決めつける論法だ。そのうえで国際社会に安倍首相への警戒を呼びかけている。

 中国がこれほどの規模で対日批判を展開するのは珍しい。「安倍政権を国際社会から孤立させるチャンス」。清華大の現代国際関係研究院の閻学通院長は外交戦略を指摘する。

 中国外務省の公式文書の「靖国神社」には初出で必ず「第2次大戦のA級戦犯をまつる」という枕ことばが付く。第2次大戦に焦点を当てれば、米英仏ロなど戦勝国と同じ側に立ち、日米の結束を緩めることができる――。こんな戦略が垣間見える。

 中国は沖縄県の尖閣諸島を巡る対立でも「日本が盗み取った」と強調。集団的自衛権の行使容認の動きも「軍国主義の復活」と歴史問題に結びつけようとする。

 国際社会で相手を動かす要素では、軍事力や経済力のハードパワーが大きいが、価値観や文化などに共感を得ることで発言力を増すソフトパワーの重要性も増している。ソフトパワーの強化を狙う日本と中国が力を入れるのが、国と国の直接交渉とは別に、外国の世論に直接働き掛け、味方に付けるパブリック・ディプロマシー(広報外交)だ。

 中国が長く対日関係の議論の土俵にしてきたのは歴史問題。首相はかつて著書で、対中外交では「相手のつくった土俵の上で、相手に気に入られる相撲をとって」きたと指摘している。中国が歴史問題を持ち出して圧力をかけ日本が譲歩してきた、というのが首相の認識だ。

 首相は第1次政権から歴史問題の比重をできるだけ下げようとしてきた。200610月に訪中した際は当時の胡錦濤国家主席と「戦略的互恵関係」の構築で合意した。中国側も「日本は軍国主義化する」とみていた江沢民政権時代の対日観を修正。胡錦濤政権は戦後の日本の平和国家としての歩みを積極的に評価するようになった。

日本は「自由」強調

 さらに首相が狙ったのは外交戦の土俵の転換だ。自由や民主主義、法の支配など「普遍的価値」は民主主義国家の結束を強める触媒になる。実際、中国が南シナ海への海洋進出や民主活動家への弾圧を強めるほど、中国の国際イメージは悪くなり、日本に引き寄せる作戦は奏功した。

 だからこそ、靖国参拝で再び歴史問題に焦点が当たるのは痛い。「今回の中国の対日批判は度が過ぎている」(首相周辺)として、中国側の主張にきちんと反論するよう外務省に指示。外務省はすべての批判への反論を在外公館に命じ、約60カ国はすでに対応した。日本大使の寄稿は中国による海洋進出や軍備拡張に触れ、日本が戦後一貫して自由や民主主義、法の支配を擁護してきたと強調している。

 習近平国家主席は「中華民族の偉大な復興」を掲げ、歴史問題を再び日中関係の中心に据え、先祖返りした。中国にとって歴史問題は過去のテーマではなく、現在の外交や内政に利用できるカードだ。来年は戦後70年の節目。中国は韓国やロシアも巻き込んだキャンペーンを狙うとみられ、外交戦は一段と熱を帯びるだろう。

 

続いて、牽強付会w今上天皇をも恐れぬ産経新聞(涙)

オザワンの「事実誤認」をdisってるのは御愛敬(苦笑)として、看過し得ぬのは、

天皇陛下は平安時代に編纂(へんさん)された「続日本紀」を引用されたにすぎない。」との最後の件ですね。

天皇陛下は平成13年12月、翌年の2002年サッカー・ワールドカップ日韓共催に関連し「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されている」と述べられた。……百済は桓武天皇誕生の70年以上も前に滅亡しており、天皇陛下は平安時代に編纂(へんさん)された「続日本紀」を引用されたにすぎない。

TwitterFacebookで「2001年の今上天皇のお言葉「私自身としては桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されている事に韓国とのゆかりを感じています」を「平安時代に編纂された『続日本紀』を引用されたにすぎない」と「侮蔑」の産経新聞の牽強付会」と記しました。

畏友・八幡和郎氏が以下の投稿を下さっています。

https://www.facebook.com/yassy.tanaka.1/posts/10152203021959586?comment_id=29377374&offset=0&total_comments=6

まあ、煎じ詰めれば「帰化人」とは何か、に行き着く訳です(苦笑)。

小沢氏、皇室と韓国の関係で事実誤認

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/140211/stt14021119370002-n1.htm

2014.2.11 19:36

 生活の党の小沢一郎代表は11日、都内で講演し、皇室と韓国の関係を引き合いに日韓関係について、日中関係とともに「非常に異例な状況になっている」と述べた。だが、事実誤認が相次ぎ、説得力を欠いた。 小沢氏は「紀元節(建国記念の日)は神武天皇のご即位なさった日だ」と述べた。その流れで「桓武天皇のお后は朝鮮半島の百済の王女様とのことだ」との認識を示した。 「今の天皇陛下がお話しになったことがある」と根拠に挙げ、「半島との縁は誰も否定できないほど」などと述べた。 天皇陛下は平成13年12月、翌年の2002年サッカー・ワールドカップ日韓共催に関連し「桓武天皇の生母が百済の武寧王の子孫であると続日本紀に記されている」と述べられた。 小沢氏は「生母」を「后」、「王の子孫」を「王女」と2カ所言い間違えている。百済は桓武天皇誕生の70年以上も前に滅亡しており、天皇陛下は平安時代に編纂(へんさん)された「続日本紀」を引用されたにすぎない。

 

先週も申し上げましたが、米国の諫言、天皇の憂慮に馬耳東風な「保守」は似而非保守でしょ。

万が一ならぬ百万が一、米国や天皇の認識が違うなら、体を張ってでも「逆命利君」すべきなのに、無視って不敬罪でしょ、世が世なら(涙)。

この辺りは「憂国呆談」でも慨歎しています。

http://www.nippon-dream.com/?p=11404

 

以下の記事を如何に読み解くか。少し詳説しましょう。

「主権回復」式典、開催見送りへ 政権、沖縄の反発懸念

http://digital.asahi.com/articles/ASG28555KG28UTFK00F.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG28555KG28UTFK00F

 安倍政権は、1952年のサンフランシスコ講和条約発効による主権回復を祝う4月28日の政府主催の式典を、今年は開催しない方針を固めた。式典は昨年初めて開かれたが、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を着実に進めるため、式典開催に反発する沖縄の県民感情に配慮した。

 沖縄は条約発効後も米国統治下におかれたことから、4月28日は「屈辱の日」と呼ばれている。式典に対しては抗議集会が開かれるなど反発が広がった。

 辺野古移設に向け、政府は昨年末に仲井真弘多知事から沿岸の埋め立て申請の承認を受けたものの、1月の名護市長選では移設反対派が勝利した。11月にも予定される沖縄県知事選では、申請を承認した仲井真知事の判断の是非が問われる見通しだ。

 政府関係者によると、そうした政治スケジュールもにらみ、県民感情を配慮して式典開催の見送りを決めたという。

 自民党は保守層に対するアピールのため、2012年末の衆院選政策集で「主権回復の日」に政府主催の記念式典を開くと明記している。政権内には、数年おきに開催する案もある。

 

これは「戦後レジーム」に関する、既に紹介の論考も併せてお読み頂きたいのですが、 http://www.nippon-dream.com/?p=11373 

無体な「卓袱台返し」を敢行する覚悟も持ち合わせず、遠吠えを繰り返しても詮方無いのですね。

「集団的自衛権」云々も、既にリチャード・アーミテージ氏の発言を始めとして、民主党・共和党を超えてアメリカの懸念をお伝えしてきましたが、同盟国のアメリカが了解もせぬ内に集団的にせよ個別的にせよ自衛権を「身勝手」に行使するのは、それこそが同盟国との信義則を自ら破棄する無体な話ですからね。

ライス補佐官、際立つ「親中」…防空圏批判なし

http://www.yomiuri.co.jp/world/news/20140208-OYT1T00963.htm

普天間5年内停止 岸田外相、米高官に一切提案せず

http://ryukyushimpo.jp/news/storyid-219143-storytopic-53.html

 

 

 

ダム反対の漁協組合長が自殺 山形・最上

http://www.asahi.com/articles/ASG2C4RLDG2CUZHB003.html?google_editors_picks=true

 

対岸の青森・大間原発建設、函館市が差し止め提訴へ

http://digital.asahi.com/articles/ASG2B7HTTG2BIIPE140.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG2B7HTTG2BIIPE140

 北海道函館市が、青森県大間町大間原発を建設中のJパワー(電源開発)と国を相手取り、同原発の建設差し止めを求める訴訟を3月にも東京地裁に起こす。工藤寿樹市長が12日に正式発表する予定だ。自治体が原告になる原発差し止め訴訟は全国初になる。

 函館市津軽海峡をはさんで大間原発の対岸に位置する。最も近い所で原発から約23キロで、原発事故に備えた避難の準備などが必要な防災対策の重点区域(UPZ=30キロ圏)に市域の一部が含まれる。

 東京電力福島第一原発事故では、福島県浪江町が全町民の避難を迫られるなど、30キロ圏の自治体にも放射性物質による大きな被害が及んだ。函館市は訴状案で、事故が起きれば函館市も壊滅的被害を受ける危険性があると主張する。

 そのうえで、個人が生命・身体の安全を保障される人格権を持つのと同様、自治体も崩壊を防ぐ権利があるとして、Jパワーに建設差し止めを求める。

 また、原発事故前の基準に基づいて国が大間原発原子炉設置許可を出したことを理由に国の許可の違法性を主張。原発建設の同意手続きの対象が原発の立地自治体と都道府県に限られている点についても「30キロ圏の自治体を含めるべきだ」と国に求める。

 市は2月末に開会する定例市議会で提訴の承認を求める予定だ。多数の市議が提訴を支持している。

 工藤市長は原発事故直後の2011年4月、大間原発の無期限凍結を訴えて初当選。Jパワーが今春にも原子力規制委員会安全審査を申請する見通しになったため、函館市は10人の弁護団で提訴に踏み切る。まとめ役の河合弘之弁護士は脱原発弁護団全国連絡会の共同代表で、全国の原発住民訴訟にかかわっている。

 函館市の提訴について、Jパワー大間現地本部総務・広報グループは「正式に提訴が決まっていない段階でコメントはない。函館市には(大間原発の)情報提供をしており、今後も続けていく」としている。

 菅義偉官房長官も1月22日の会見で「提訴前の段階での答えは差し控えたい。いずれにせよ、実際の稼働については世界で最も厳しい(規制)基準をつくったので、原子力規制委員会で安全と認められることが一番大事だ」と述べた。

 対岸の大間町で1970年代から原発誘致に取り組んできた浅見恒吉・元町長(76)は「函館市民の気持ちはわかるが、(原発は)大間町再生のためだから……。事業者や国が函館市民の理解を得る努力をするしかない」と話す。マグロの魚影が消え、昆布、ウニ、アワビなどの資源も先細りするなか、当時は「町が消える」という危機感が町内に漂っていたという。

 金沢満春町長も1月21日の会見で函館市の動きに触れ、「(建設)推進の立場は変わらない」と述べた。

     ◇

 大間原発 津軽海峡に面し、出力は約138万キロワット。使用済み核燃料から取り出したプルトニウムとウランを混ぜた燃料(MOX燃料)を100%使う世界初の「フルMOX原発」として2008年5月に着工。東日本大震災で建設工事が中断したが、12年10月に再開した。

 【大間原発をめぐる函館市の動き】

2008年5月 Jパワーが大間原発着工

2010年7月 函館の市民団体が建設差し止め提訴

2011年3月 東日本大震災。建設工事が中断

2011年4月 工藤寿樹氏が函館市長に初当選

2011年10月 工藤市長が法的手段を示唆

2012年9月 函館市議会が無期限凍結を求める決議

2012年10月 Jパワーが建設工事を再開

2012年12月 函館市が訴訟準備費を補正予算に計上

 

フルMOXの大間原発に慎重姿勢 原子力規制委員長

http://www.asahi.com/articles/ASG1Q5HPCG1QULBJ008.html

原子力規制委員会田中俊一委員長は22日の会見で、Jパワー(電源開発)が青森県大間町に建設中で、ウラン・プルトニウム混合酸化物(MOX)燃料を100%使う世界初の「フルMOX原発」となる大間原発について、「すぐに認められる状況ではない」と慎重姿勢を示した。

 大間原発は、国の設置許可を2008年に受けて工事が始まったが、東日本大震災で中断。12年10月に再開した。運転を始めるには、原発の規制基準に適合しているか審査を受ける必要がある。

 田中委員長は、福島第一原発事故を念頭に「事故を起こした日本で、世界でやったことがないフルMOX炉心をやることは、相当慎重にならざるを得ない」と話した。

 国内の一部の原発で実施されたプルサーマルでは、炉心の一部にMOX燃料を使うが、大間原発では段階的に割合を増やして、将来的に100%使用する計画を立てている。

 

もんじゅ「増殖炉」白紙 政府、エネ計画から削除 

2014/2/7 2:00

日本経済新聞 電子版

http://www.nikkei.com/article/DGXNASFS0602J_W4A200C1MM8000/

政府は発電しながら消費した以上の核燃料を生み出せるとしてきた高速増殖炉もんじゅ(福井県敦賀市)の実用化に向けた目標を白紙に戻す。これまで掲げてきた開発計画や期限を新たなエネルギー基本計画に入れない。トラブルが続き、燃料となるプルトニウムを増やす「増殖」のめどが立たないためだ。原子力発電所から出るゴミを減らす研究施設に衣替えする案が出ている。

 核燃料を無限に使い回しできることをうたい文句に、もんじゅは「夢の原子炉」と呼ばれ、原発から出る使用済み核燃料を再利用する核燃料サイクルの柱とされてきた。核燃料サイクルの政策は見直しを迫られる。

 政府は月内にも閣議決定を目指す新たなエネルギー基本計画で、もんじゅの位置付けを見直す。2010年に決めた計画は高速増殖炉について「25年ごろまでの実証炉の実現、50年より前の商業炉の導入」という段取りで普通の原発並みのコストで発電できるようにする目標を掲げていた。新たな計画にはこの文言を入れない。

 もんじゅの炉内では増殖と呼ばれる特殊な核分裂反応が起こり、投入した以上の核燃料が発生するはずだった。1995年に冷却材に使うナトリウムが漏れる事故が起き、組織的な情報の隠蔽が判明。その後もトラブルや管理の不備が相次ぎ、原子力規制委員会は13年5月に運転再開準備の停止命令を出した。活断層の調査や新規制基準への対応など再稼働への壁は高い。実証につながる研究成果を出す時期のめどが立たなくなっていた。

 新しい基本計画では核のゴミを減らす研究を、もんじゅで進める方針を明確にする。高速炉を使えば、強い放射線を出す期間を約10万年から300年に短縮でき、体積も7分の1に減らせるとされる。新たな目的を与え、もんじゅの存続と原発政策への理解を得ることを目指す。

 使用済み核燃料の最終処分場は国内にない。核のゴミや管理期間を抑えられれば、政府は処分場建設に自治体の理解を得やすくなるとみている。自民党内でも研究と処分場の選定を一体で推進すべきだとの声が出ていた。核のゴミの減量化と並行して増殖に関する研究も続ける方針だ。

 もんじゅは建設後の約20年間でほとんど動いていない。新しい計画の下で施設を再び動かせるかは不透明だ。核燃料サイクルは使用済み燃料のウランやプルトニウムを加工して高速増殖炉で燃料として再利用する政策。高速増殖炉を実現できなければ、高いコストをかけてプルトニウムを取り出す意味は薄れるため、核燃料サイクル全体の見直しが必要となる。

亀ちゃんの卓見

未来への禍根 亀井静香

http://www.kamei-shizuka.net/opinion/140130.html

 

他方で

憲法解釈、閣議決定で変更=集団自衛権容認へ首相方針

http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2014021100231

首相、原発再稼働へ前向き 「現実見据えた計画を」http://www.47news.jp/CN/201402/CN2014021001001659.html

現実を見据え責任を持って実現可能かつバランスの取れたものを取りまとめていく。周辺国やアジアで原発が新設される際、福島第1原発事故の経験と教訓を共有してもらうことは安全上、重要だ。

 

 

社説:視点…「国富流出」の議論=論説委員・中村秀明

◇再稼働に絡ませるな

http://mainichi.jp/opinion/news/20140202k0000m070105000c.html

◇再稼働に絡ませるな

 「原発を止めたせいで巨額の国富が流出した」。過去最大になった貿易赤字の拡大と原発再稼働への思惑を絡ませるかのような主張が、政府や経済界などから繰り返されている。だが、それは乱暴な論法ではないか。貿易赤字と原発再稼働の是非は、切り離して多面的に議論すべき問題である。

 2013年の貿易赤字は11兆4745億円で過去最大となった。この赤字のうち4兆円近くは、東日本大震災後、原発の代わりに火力発電をフル稼働するため天然ガスや原油の輸入を増やしたせいだ、という。

 安倍晋三首相も先月29日の参院代表質問で「昨年、原発がないことで化石燃料の輸入に3.6兆円も多く支払った」と答えた。「だから早く再稼働を」と言いたいのかもしれないが、それは筋が違う。

 大震災前で原発が稼働中だった10年と13年を比べると、天然ガス輸入量は25%増えたが、原油輸入量は微減だった。ただし金額では天然ガスが倍増して約7兆円、原油は1.5倍の約14兆2000億円となった。輸入量がそんなに増えていないのは、「原発停止」に直面して節電意識が広がり電力需要が減ったことによる。

 一方、量の増加に比べ額の増え方が大きいのは、天然ガスと原油の国際価格上昇に加え、アベノミクスによる円安で円建て価格がふくらんだからだ。増加額のすべてを原発停止に絡めるのは短絡的だ。もともと日本の天然ガス輸入価格は欧米に比べ割高である。足元を見られている面もあるが、コスト意識の低い購入契約に問題がある。

 貿易赤字拡大は、天然ガスと原油の輸入増以上に、電子部品やスマートフォン、衣類などの輸入が増える一方で、円安が追い風になるはずの日本企業の製品輸出が伸びなかったためだ。国別では中国向けの赤字が5兆円超で、巨額の国富が中国に流れたとも言える。

 そもそも貿易赤字を「国富流出」といった表現で問題視するのがおかしい。国の成熟に伴って貿易赤字が増え、それを海外投資などの貿易外の黒字でまかなう構造に変わるのは自然なことだ。対中赤字も経済的な相互依存の深さを物語る。

 そして原発再稼働問題は、こうした議論とは切り離すべきだ。福島第1原発の事故は、国土の一部を人が住めなくなる状態に汚し回復の見通しもない。それはお金にかえられない国富の消失だった。再稼働の是非は徹底した安全性の議論が何より優先される。ソロバン片手に、前のめりになる話ではない。

 

晴耕雨読

http://sun.ap.teacup.com/souun/13351.html

「もんじゅ」をやめると国の原子力政策はどう変わる?

http://thepage.jp/detail/20140207-00000023-wordleaf?page=2

使用済み核燃料 その処理システムと問題点 九州大学

http://rche.kyushu-u.ac.jp/~in-kyotsu/H25/3_ito_nakashima.pdf

 

お二方とも似てますねぇ心智がw

「知事、市長1票はおかしい。合わせて10票分あるべきだ」 橋下氏、都構想を具体化する法定協の議決方法で不満

http://sankei.jp.msn.com/west/west_affairs/news/140210/waf14021013100009-n1.htm

米国:百田尚樹氏発言「非常識」 東京裁判批判に反論

http://mainichi.jp/select/news/20140208k0000e030258000c.html

 

長谷川三千子 いまアメリカに罰が下された

http://books.google.co.jp/books?id=f3anAgAAQBAJ&pg=PT56&lpg=PT56&dq=%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E4%B8%89%E5%8D%83%E5%AD%90%E3%80%80%E3%81%84%E3%81%BE%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AB%E7%BD%B0%E3%81%8C%E4%B8%8B%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F&source=bl&ots=YN3ozfdWOI&sig=O8zvQ-66S0Avz-Wkl_8-uBhg7yc&hl=ja&sa=X&ei=y13yUs_MDovakgXRsIGIBA&ved=0CCsQ6AEwAA#v=onepage&q=%E9%95%B7%E8%B0%B7%E5%B7%9D%E4%B8%89%E5%8D%83%E5%AD%90%E3%80%80%E3%81%84%E3%81%BE%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AB%E7%BD%B0%E3%81%8C%E4%B8%8B%E3%81%95%E3%82%8C%E3%81%9F&f=false

 

英国の「エコノミスト」もサジを投げちゃいました(涙)

Japan’s national broadcaster

My country right or righter

The ghosts of the past once again embrace Shinzo Abe

http://www.economist.com/news/asia/21595983-ghosts-past-once-again-embrace-shinzo-abe-my-country-right-or-righter?fsrc=scn/tw_ec/my_country_right_or_righter

 

http://www.nytimes.com/2014/02/03/world/asia/news-giant-in-japan-seen-as-being-compromised.html?_r=1

NHKは日本国民の歴史と生活に深く関わってきた、『国民のための』メディアであるはず 国民にとって大切な場所で、民主主義が後退を始めている
マーティン・ファクラー / ニューヨークタイムズ

http://kobajun.chips.jp/?p=16429

http://kobajun.chips.jp/?p=16445

FM番組でも「脱原発」回避要請 NHK会長、参院委で発言

http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/news/CK2014020502000238.html?ref=rank

 

おいおいな記事w

ロシア:本当のソチ、同性愛に寛容…「海外は騒ぎすぎ」

http://mainichi.jp/select/news/20140206k0000e030194000c.html

ソチ真野森作

ソチはソ連時代から同性愛に寛容な街だった

@naokobaba: 先輩の真野森作記者が現地をルポしました。ロシアは同性愛者に厳しいと思いきやソチの事情は違うようです。真野記者はイケメンなので現地でもモテているかも。本当のソチ同性愛に寛容「海外は騒ぎすぎ」

@Mai_Intl: ソチ五輪で話題になっている同性愛者の人権問題。街最大のゲイクラブを訪れた真野記者が見た、現地の同性愛者らの受け止め方は海外のそれとはちょっと違うようです。

 

こちらは英国の「デイリーメール」

Don't look now Mr Putin! Inside one of the only gay bars left in the Winter Olympics host city of Sochi as row over Russia's treatment of homosexuals deepens

http://www.dailymail.co.uk/news/article-2527414/Dont-look-Mr-Putin-Inside-one-gay-bars-left-Winter-Olympics-host-city-Sochi.html

 

おいおいな記事パート2

東京組織委の語学力に厳しい質問 森会長らがソチで会見

http://www.47news.jp/CN/201402/CN2014020901001997.html

【ソチ共同】2020年東京五輪・パラリンピック組織委員会が9日、ソチで記者会見し、森喜朗会長(76)ら執行部が高齢で語学力に乏しいことなどについて厳しい質問を受けた。森氏は第2次大戦に触れ、英語は「敵国語だった」などと説明した。

 英語力について、森氏は「昔はボール、ストライクも『よし』『駄目』と日本語を使わされて野球をやっていた。私の世代はよほど特別に勉強した方じゃないと外国語をよく理解しない」と話した。出席者からは「敵国語とは不快な表現だ」(英国人記者)「ジョークだと言えば笑い話で済んだが、そうではなかった」(米国人記者)と当惑する声が聞かれた。

 

お口直しに!

米ロサンゼルスに出現した「間抜けなスターバックス」店

http://jp.wsj.com/article/SB10001424052702303374704579374093041294068.html?dsk=y

「なんちゃってスタバ」登場に本家が抗議 米ロサンゼルス

http://www.cnn.co.jp/business/35043717.html?google_editors_picks=true

夢国籍ならぬ無国籍企業へのオマージュですね。

米マクドナルドの1月既存店売上高、欧州と中国好調で予想上回る

http://jp.reuters.com/article/topNews/idJPTJEA1900O20140210?feedType=RSS&feedName=topNews&google_editors_picks=true

GMのバーラ新CEO14年報酬は1440万ドル、前任の60%増

http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTYEA1908520140210

殺処分のキリン解体を一般公開、死骸はライオンの餌に デンマーク

http://www.cnn.co.jp/fringe/35043657.html

女子学生発作も男子禁制と救急隊妨害か

http://www.nikkansports.com/general/news/f-gn-tp1-20140207-1254355.html

法王のハーレー:パリで競売 落札額は3300万円http://mainichi.jp/select/news/20140208k0000m030032000c.html

法王庁:「長崎の教会群」世界文化遺産登録に支援文書

http://mainichi.jp/feature/news/20140211k0000m040028000c.html

カザフスタン:国名変更へ…スタン取り近隣諸国と違いPRhttp://mainichi.jp/select/news/20140209k0000m030025000c.html

北京を上回る世界最悪の大気汚染都市は・・・

http://www.cnn.co.jp/world/35043380.html?google_editors_picks=true

電通、中国のネット広告会社を買収 

http://www.nikkei.com/article/DGXNASDD100VS_Q4A210C1TJ2000/

 

ニャンと、「きっこ」さまが秀逸なtweetをw

きっこ @kikko_no_blog  

4月から消費税が増すぞえ。年金の支払い額も増すぞえ。国民保健料も増すぞえ。病院の窓口支払いも増すぞえ。NHK受信料も増すぞえ。電気料金もガス料金も増すぞえ。公衆電話料金も増すぞえ。タクシー料金も増すぞえ。他にもいろんな料金が増すぞえ。そして失業者も自殺者も増すぞえ。

「いじめ」も加えないとね(涙)

 

RÉPONSE GRADUÉE – Des femmes tokyoïtes appellent à la grève du sexe après les propos insultants d’un politicien

http://bigbrowser.blog.lemonde.fr/2014/02/07/reponse-graduee-des-femmes-tokyoites-appellent-a-la-greve-du-sexe-apres-les-propos-insultants-dun-politicien/

Tokyo women call for 'sex strike' over sexist gubernatorial candidate

Front-runner Yoichi Masuzoe's statements include 1989 claim that menstruation makes women unfit for government

http://www.theguardian.com/world/2014/feb/07/tokyo-women-sex-strike-yoichi-masuzoe

Women Are Starting a Sex Strike in Tokyo Because of This Guy

A modern day Lysistrata

舛添に抗議する女性は現代のアリストフェネス「女の平和」だと知的な見出しのタイム

Tokyo Women Go On Sex Strike Because of Yoichi Masuzoe | TIME.com 

http://newsfeed.time.com/2014/02/07/women-are-starting-a-sex-strike-in-tokyo-because-of-this-guy/

IWJブログ・東京都知事選】「性的異常者を都民に押しつけるのは犯罪」~舛添氏の婚外子の告発 http://iwj.co.jp/wj/open/archives/124234

【東京都知事選】組織票で圧倒、舛添氏が新都知事へ~勝因は「最も有権者と対話した」

http://iwj.co.jp/wj/open/archives/124485

舛添氏、蒲田駅で「たすき外せ」に激怒

http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20140207-1254278.html

http://www.hoshusokuhou.com/archives/36209804.html

都知事選:保育所探しの親、迅速に待機児童対策も

http://mainichi.jp/select/news/20140206k0000m010063000c.html

宇都宮氏と細川氏が食い合い? 田母神氏が強い地域は...... 地図でみる都知事選

http://www.huffingtonpost.jp/2014/02/09/tochiji-sen-on-map_n_4757689.html?&ncid=tweetlnkushpmg00000067#slide=3408446

ジャーナリスト池上彰の凄さ(池上無双と言われる理由)

http://blogos.com/article/80089/

ジャーナリスト池上彰から敵前逃亡をした新都知事の情けなさ

http://blogos.com/article/79990/

家入一真という「実験」 希望の都市の絶望の若者ネット選挙

http://politas.jp/articles/113

家入一真さん、「ぼくら」って「誰」なんですか?

http://blogos.com/article/80102/

東京都知事選 無責任な「原発ゼロ」信任されず(210日付・読売社説)

http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20140209-OYT1T00903.htm

◆舛添氏は謙虚に政策を推進せよ

 非現実的な「原発即時ゼロ」の主張に、多くの都民が拒否反応を示したと言えるだろう。

 東京都知事選で、元厚生労働相の舛添要一氏が圧勝した。「東京を世界一の街にする」と述べ、福祉や防災、五輪に全力を尽くすと強調した。

 原発の再稼働を認めず、即時ゼロを掲げた元首相の細川護熙氏や、前日本弁護士連合会長の宇都宮健児氏は及ばなかった。

 国政に関わる原発・エネルギー問題を首長選で争うのは、無理があったのではないか。

 ◆「単一争点」は奏功せず

 都知事選の性格を一変させたのは、告示直前になって細川氏が出馬表明し、人気の高い小泉元首相と二人三脚で、原発ゼロか否かと訴えたことである。

 単一の争点を掲げる選挙では、小泉氏が首相時代、衆院選で郵政民営化を訴え、自民党を大勝させた例がある。だが、今回、そうした戦術は奏功しなかった。

 読売新聞の出口調査では、有権者の重視した政策として「原発などエネルギー問題」は「医療や福祉」や「景気や雇用」を下回った。

 細川氏は「原発以外の政策は、誰が知事でもそんなに変わらない」として原発を主要争点に位置づけながら、代替電源の柱とする再生可能エネルギーの確保策について具体的に語らなかった。無責任に過ぎる。

 原発を代替している火力発電の燃料費がかさみ、電気料金の上昇が続く。二酸化炭素の排出増による環境への影響も心配だ。こうした点を考慮せず、観念的に原発ゼロを唱えても説得力はない。

 これに対し、舛添氏は、エネルギーは国の政策との認識を示しつつ、都の再生可能エネルギーの割合を高めると主張した。同時に、子育て支援など身近な課題に力点を置いた選挙戦を展開した。

 現実的な姿勢に、都民は期待を寄せたのではないか。

 ◆小泉VS安倍の代理戦争

 自民党には当初、党を批判して除名された舛添氏を支援することへの慎重論もあった。だが、細川、小泉両氏の動向を受け、全面支援に乗り出した。

 安倍首相や石破幹事長らも応援演説に立った。細川氏の得票が伸びれば、原発の再稼働、ひいては成長戦略に影響しかねないとの判断も働いたのだろう。

 影の主役ともいえる小泉氏は、安倍首相の「政治の師」であり、昨年来、首相に原発ゼロへの政治決断を促してきた。だが、首相は受け入れず、両氏の間に溝ができていた。都知事選が、両氏の代理戦争となったことも否めない。

 安倍首相は、国会で「『原発はもうやめる』というわけにはいかない」と述べ、国民生活や経済活動への悪影響を指摘した。近く決定するエネルギー基本計画で原発を重要電源と位置づけ、再稼働に正面から取り組むべきである。

 疑問なのは民主党の姿勢だ。舛添氏を推す構えを見せていたが、細川氏に乗り換えた。民主党は、2030年代の原発稼働ゼロを主張しており、細川氏の「即時ゼロ」とは、本来は相いれない。場当たり的な対応と言うほかない。

 細川氏の大敗で、民主党の一部にあった脱原発を軸とする野党再編構想も失速しよう。

 都政の課題は山積している。舛添氏が演説で時間を割いた少子高齢化対策はその一つだ。

 6年後には東京の人口の4人に1人を高齢者が占めるようになる。用地確保の難しさから、特別養護老人ホームなど高齢者施設の不足は一層深刻化するだろう。

 舛添氏は都の所有する遊休地の活用を約束した。具体策を示す必要がある。4年で待機児童を解消する公約も実現してほしい。

 20年東京五輪・パラリンピックの準備にも都知事は重い責任を負う。舛添氏は「史上最高の五輪」を目指すと繰り返してきた。

 都は、五輪準備のために4000億円の基金を保有している。競技場建設などを遅滞なく進めることはもちろん、無駄を排し、使途の透明性を確保すべきである。

 ◆都議会と信頼関係築け

 30年以内の発生確率が70%と予測される首都直下地震への備えも重要だ。立ち遅れている木造住宅密集地域の不燃化や老朽化したインフラの再整備が急務である。

 猪瀬直樹前知事には独断専行が目立った。舛添氏は、得票結果に(おご)らず、謙虚な都政運営を心がけてもらいたい。

 着実に公約を具体化していくには、都庁という巨大組織を率いるリーダーシップに加え、都議会との信頼関係をしっかり構築することが肝要である。

20142100015  読売新聞)

都知事選:元三重県知事で早稲田大大学院教授の北川正恭さんの話

毎日新聞 20140210日 東京夕刊

http://mainichi.jp/shimen/news/20140210dde041010018000c.html

 ◇脱原発の票割れた−−元三重県知事で早稲田大大学院教授の北川正恭さんの話

 脱原発の支持票が細川氏と宇都宮氏に割れて舛添氏が勝利したが、一本化されていれば接戦になったはずだ。有権者は舛添氏を積極的に選んだのではなく、消去法だったのではないか。自民党のスタンスが明確でなく、安倍政権の評価を問う選挙にはならなかった。脱原発の議論は国のエネルギー政策の根幹に関わり、1回の選挙では答えが出ない。今回の結果によって、政権の方針が信任されたとは言えない。

 

東京都中央区、地下鉄の新路線誘致を検討 五輪で人口増にらむ

http://www.nikkei.com/article/DGXNZO66473270W4A200C1L83000/

【画像集】京成線が運転見合わせに!それもそのはず、線路が大雪原化しています

http://matome.naver.jp/odai/2139191808849556801

 

一応、魚拓として。

朝日新聞は「安倍政権打倒が社是」…首相

http://www.yomiuri.co.jp/politics/news/20140205-OYT1T01210.htm

安倍首相は5日の参院予算委員会で、特定秘密保護法を巡る一部報道に関し、「この数か月間行われてきた言辞が正しかったかどうか」と不快感を示し、「検証すれば極めて有意義だ」と述べた。

 同法は、安全保障に関わる機密情報を漏らした公務員らへの罰則を強化することが柱だが、首相は「飛んでいる(米軍の新型輸送機)オスプレイを撮り、友人に送ったら懲役5年という議論もあった」と指摘。「誰かやってくださいよ。全くそんなことは起こらない。言った人は責任をとっていただきたい」と気色ばむ一幕もあった。さらに朝日新聞について、「安倍政権打倒は社是であると(聞いた)。そういう新聞と思って読んでいる」と語った。

 

安倍首相の靖国参拝、知られざる波紋

大前研一の日本のカラクリ

http://president.jp/articles/-/11835

強く懸念されるのは、靖国問題で日本が孤立し、国内と国外の認識ギャップがさらに広がり、それに対して感情的に反発する日本人が次第に増え、かつ急速に右傾化していく、つまり、いつか来た道に引きずり込まれることだ。

 

憲法を改正したい、誤った史観を正したい

政権発足から丸1年が経過した20131226日、安倍晋三首相が靖国神社を参拝した。首相の靖国参拝は06年の小泉純一郎氏以来、7年ぶりのことである。今回の安倍首相の靖国参拝を「馬脚を現した」という声もあるが、そうではない。本質的にそういう人間なのだ。

安倍首相の応援団は2派ある。一方は経済重視のアドバイザリーグループで、「靖国参拝は封印して経済に専念せよ」と安倍首相の手綱を引っ張ってきた。もう一方は、地元サポーターなどの伝統的な保守勢力からネトウヨ(ネット右翼)まで含めた右派グループで、彼らは「国民の代表である首相が靖国に行くのは当然」と考えている。

安倍首相のメンタリティはどちらかといえば後者に近い。つまり集団的自衛権を行使したいし、憲法を改正したい、戦後の誤った史観を正したい。そして靖国神社に参拝したいのだ。

それらを封印して1年頑張った結果、東証平均株価は56%伸びた。年末年始でマスコミのマークも緩い――と、参拝を強行したのである。靖国参拝を後押しする勢力からは「よくやってくれた」という評価になるが、

「在任中の参拝は控えてもらわなければ商売に差し障る」と訴えていた財界関係者などには、想定の範囲内ではあるが、突発的な出来事だったはずだ。

むしろ安倍首相にとっても財界にとっても“予想外”だったのは、今回の参拝に対する国際社会の反応である。中韓の反発という想定を超えて、靖国問題が世界中でクローズアップされて、アメリカやロシア、インド、ドイツなどからも厳しい批判的な声が寄せられたのだ。

アメリカのケリー国務長官(左)とヘーゲル国防長官が、戦没者墓苑に献花したが、これは日本への「メッセージ」だった。(時事通信フォト=写真)

これまで日本のトップの靖国参拝に過去一切言及してこなかったアメリカ政府までが「失望した」との声明を発表した。その後、「靖国参拝そのものを論評した『失望』ではなく、近隣諸国との関係悪化を懸念したもの」と取ってつけたような言い訳をしたが、以前に指摘したように(「アメリカが警戒“失言政治家”の危ない勘違い」http://president.jp/articles/-/9819)、安倍首相を「危険人物」とみなして警戒していたアメリカ政府としては、安倍首相の行動に失望したというのが本音だろう。

というのも以前から強烈な警戒警報を発していたからだ。1310月、2プラス2(日米外務・防衛担当閣僚会合)で来日したジョン・ケリー国務長官とチャック・ヘーゲル国防長官は千鳥ヶ淵の戦没者墓苑を訪れた。靖国神社ではなく、わざわざ千鳥ヶ淵の慰霊碑にアメリカの要人が献花したのは安倍首相に対する
「強烈なメッセージ」だったはずだ。

靖国神社は、英訳では「戦争神社」である

靖国問題の本質は何か。A級戦犯の合祀が問題であって、A級戦犯を分祀すればいいという考え方もあれば、一宗教法人である靖国神社に政治家などが公式参拝するのは、政教分離の原則になじまないため、国営化すべしという議論もある。しかしA級戦犯を分祀したり、国営化すれば靖国問題が収まるかといえば、そんな単純は話ではないだろう。そもそも靖国神社の成り立ちからして、英霊を鎮め、平和や不戦の誓いを立てるに相応しい「聖地」とはいえない。

創建は明治21869)年。靖国神社は幕末の志士や国事に殉じた軍人などの戦没者を「英霊」として祀ってきたが、英訳本では「Yasukuni War Shrine」と表記されてきた。

要するに「戦争神社」である。西欧列強に追い付け追い越せの時代に、戦争に出征するときに「エイエイオー」と雄叫びを上げて勇気を奮い起こし、「国のために戦って散ったときには英霊として帰ってこられるのだから安心して行ってこい」と兵士に決意を促す場所だったのだ。

どれだけお色直しをしても、日本帝国主義を象徴する「戦争神社」として創建されたオリジンは色濃く残っている。靖国神社に併設されている「遊就館」という施設をご存じだろうか。ゼロ戦や人間魚雷など戦争で使われた兵器や戦争関連の資料、遺物遺品がところ狭しと展示されている軍事博物館である。

過去の戦争における日本の正当性をアピールし、「もう一度戦争を行えば日本は負けない」と言わんばかりの展示の仕方は、左翼全盛の時代に育った世代にとっては、“異世界”に迷い込んだような感覚に襲われる。実際、戦後の左翼全盛期に追い詰められていた右翼は、この場所を“心の拠り所”にしていたわけで、遊就館のような施設を持ち合わせている靖国神社で平和や非戦の祈りを捧げるのは、あるいはそれを参拝の口実にしている安倍総理のレトリックは、論理矛盾していると言わざるをえない。

A級戦犯を“日中共通の加害者”に仕立てた

そのような靖国神社だが、かつては、戦後、日本の首相や天皇が参拝しても中国や韓国は特に問題視してこなかった。

靖国問題が浮上したのはA級戦犯が合祀されてからしばらくたってのことだ。事の発端は1972年にさかのぼる。同年、当時の田中角栄首相は中国を訪問し、日中の国交が回復した。このときに田中首相と周恩来の間で交わされた合意事項の一つに「A級戦犯問題」があった。

周恩来は日中友好条約締結の前提条件として戦後賠償を求めたが、田中首相はこれを拒否、すでに賠償済み(蒋介石の国民党政権に対して賠償を申し出たが蒋介石はこれを断った)との立場を取ったが、ODA(政府開発援助)という形での資金・技術供与を約束した。

その際に戦後賠償の放棄を国内向けに説明するために、周恩来がひねり出したのが「中国人民も日本国民もともに日本の軍部独裁の犠牲者」という理屈だった。つまり、A級戦犯を“日中共通の加害者”に仕立てたのだ。田中首相はあまり深く考えずに合意し、それが日中の密約になった、あるいはそれ以来ODAが田中派の利権となった、と言われている。問題はこれが条約でもなく、公開された文書でもない、というところで、したがって同じ自民党であっても反田中派や、ましてや国民は、「そんなことは知らない」のだ。

しかし、78年にA級戦犯は靖国神社に合祀されて「英霊」として奉られるようになった。合祀以降、天皇は一度も靖国参拝をしていないが、日本の首相の参拝は何度か行われた。

そのときには中国からの抗議はなかったが、85年に当時の中曽根康弘首相が公式参拝を表明すると中国側が反発、後に韓国も便乗して、“外交カード”に使うようになった。この靖国問題の掘り起こしは、朝日新聞など日本のメディアが首相の靖国参拝を批判するキャンペーンを張ったことが影響したとも言われている。

いずれにせよ、中国の立場からすれば、日中の両国民は同じ“被害者”という前提で友好関係を結んだのに、「話が違う」ということになる。“共通の加害者”であるA級戦犯を奉る靖国神社を国民の代表である首相が参拝するということは、日本国民全体が加害者の側に与することになってしまうからだ。

ここでも密約ベースの自民党外交の弊害が

これも以前に指摘したが(「日本で政権交代がうまくいかない本当の理由」http://president.jp/articles/-/9984)、自民党外交の特徴は密約ベースの属人的な外交で、時のリーダーが相手国とどのような合意や約束をしたか、(意図的に)文書にも残さず、正しい内容を国民に知らせてこなかった。それゆえに政権交代が起きると、外交関係が踏襲されないという大きな問題が依然として存在する。

日中の国交回復も田中角栄というリーダーの属人的な外交成果であり、田中首相と周恩来のほとんど密約のような相互理解によって、尖閣諸島問題の棚上げや戦後賠償とバーターのODAなどが合意されてきた。

A級戦犯を“共通の加害者”に仕立てて、日中両国民は“被害者”であるという前提で日中友好が進められてきたことも、日本の国民は知らされていない。だから中国が靖国問題で怒る、エキサイトする理由がさっぱり理解できずに、「内政干渉だ」と反発したくなる。さらに問題を複雑化したのは、周恩来が持ち出してきた「日中の共通の加害者である軍部独裁」について、きちんと定義しなかったことだ。本当の加害者が誰だったのか、田中首相は歴史学者に手伝ってもらってでも定義しておけばよかったのだが、「よっしゃ、よっしゃ」という田中首相の性格に加えて、密約外交だったために、そうした手続きを踏まなかった。

結果、中国側は東京裁判(極東国際軍事裁判)でA級戦犯とされた人たちを軍部独裁の責任者とみなしてしまった。東京裁判でのA級戦犯、B級戦犯、C級戦犯というのは職業上のクラス分けのようなもので、罪の軽重ではない。A級戦犯の中には処刑された人もいれば、自害した人もいる。病死した人もいれば、安倍首相の祖父である岸信介のように、GHQの占領政策転換で罪が軽減され、生き残って首相にまでなった人もいる。

東京裁判の正当性にも問題があるし、A級戦犯の定義もきわめて曖昧だ。にもかかわらず、外交交渉ではなく、ほぼ“密約”で行われたために、A級戦犯を加害者に仕立てるということで中国との間で“手打ち”が行われてしまったのである。

属人的で密約ベースの自民党外交においては、文書は残されていないし、外交内容は継承されにくい。一方、中国は共産党一党独裁だから外交内容が継承されやすい。靖国問題をめぐる日中の噛み合わせの悪さには、そうした理由もあるのだろう。

天皇の戦争責任に行きついてしまう

「先の戦争における本当の加害者は誰なのか」という議論は、本来、日本人自らがしていなければいけないことだ。憲法にあるように「二度と戦争はしない」と本気で誓うのであれば、これは絶対に不可欠な作業である。しかしこの問題を突き詰めていくと、どうしても天皇の戦争責任に行きついてしまう。「天皇の問題」があったがゆえに、駐留軍も東京裁判も、我々日本人もそこを曖昧なままにしてきた。

駐留軍は明治憲法を踏襲して冒頭に天皇のチャプターを置いた憲法を日本に創り与え、東京裁判では、インド人法学者、ラダ・ビノード・パール判事の温情もあって天皇の戦争責任が問われることはなかった。日本人は発言権のない敗戦国という立場にある意味で安住して、駐留軍が書いた憲法を戴き、東京裁判で裁いてもらうだけで、自ら戦争責任を明確にする作業(「総括」)をしてこなかったのだ。

同じ敗戦国であるドイツやイタリアは、ナチス独裁=ヒトラー、あるいはファシスト独裁=ムッソリーニという総括を行った。拙速な東京裁判と違い、ニュルンベルク裁判ではドイツとイタリアの戦争責任が徹底的に問い詰められた。ヒトラーを完膚なきまでに否定し、戦犯を完璧に定義して、戦後何年経とうと地球の裏まで追いかけていく“仕掛け”をつくった。

加害者と被害者をきっちり分けるシビアな作業を、ドイツ国民も(そしてもちろん特にエスニッククレンジングの被害に遭ったユダヤ人たちも)一緒になって血のにじむような努力で行ったのだ。だからこそドイツは過去とハッキリ訣別して、ゼロベースで国づくりができた。

しかし日本においては、「軍部独裁」という抽象名詞のままで、「軍部独裁の軍部とは誰のことなのか」を突き詰める作業をしてこなかった。旧日本陸軍なのか、天皇なのか、あるいは日本人全員か、とさまざまな考えや解釈が存在する。それを田中・周会談では日中友好条約締結を急ぐあまり便宜的に「A級戦犯」で合意してしまったのだ。

実は靖国問題の本質はそこにある。当事国として戦争責任をどう考えているか、海外に向かって明確に説明できる日本人がいない。また説明したくない。靖国問題は、そうした日本の戦後処理の曖昧さに起因している。

いつか来た道に引きずり込まれる

中国や韓国から見れば安倍首相の靖国参拝は、彼らにとっては戦争加害者(と彼らが勘違いしている)A級戦犯を礼賛しているようにしか映らない。さらに今回、アメリカが口を出したのは、靖国参拝を強行した安倍首相が戦後秩序全体を見直そうとするように見えるからだ。

安倍首相は憲法改正や日中、日韓の歴史の見直しに言及しているが、それは取りも直さず、戦後秩序の見直しに直結する。

つまり、アメリカの駐留政策は正しかったのか、駐留軍に押し付けられた憲法は正しかったのか、という議論にどうしてもつながる。もちろん、そうした見直し作業の中には東京裁判や原爆投下の正当性検証なども入ってくるだろう。アメリカが一番恐れているのはそこで、靖国問題が占領政策や東京裁判、さらには沖縄問題を含めた戦後の日米関係すべての見直しにつながることを警戒しているのだ。

安倍首相の過去の言動を積み重ねていけば、そうしたことを透視してみるのは不自然なことではない。「22」で靖国問題に火を付けるなとメッセージを発したのに、安倍首相は参拝した。だから「失望」したのだ。

戦勝国のロシアにしても、靖国参拝は(北方四島占領などを含めた)歴史の見直しにつながるように見えるし、謝罪と賠償で過去を清算してきたドイツにしても、戦前を蒸し返すような靖国参拝は理解できない。インドが今回反発しているのも、同じく(日本人が尊敬し感謝していると思っていた)パール判事の東京裁判を「受け入れていない」かのごとき安倍首相の言動をいぶかしがっているからである。年末の安倍首相の靖国参拝は従来の中韓の反発を遙かに超えて米ロやインド、欧州までも含めた「日本=安倍警戒論」を巻き起こしてしまったのである。

どこの国も靖国問題の詳しいいきさつを知らない。それだけに憲法で不戦を誓ったはずの日本が改憲を唱える安倍政権のもとで、集団的自衛権、NSC、特定機密保護法案、などを矢継ぎ早に通過させて過去に旋回しようとしている、との印象を受けるし、台頭する中国に対する過度の警戒心、反発、挑発行為のようにも見える。かつてアメリカが台頭したときにイギリスが感じたように、ドイツが台頭したときにヨーロッパが警戒したように、日本は中国に脅威を感じていて「右傾化」している、歴史は繰り返すというストーリーで西洋人は語りたがるのだ。

安倍首相がヒトラーかと問われれば、多分そうではないし、修正主義者でもないと思う。しかし、海外からの批判に抵抗するかのように、国内では安倍首相の靖国参拝を支持する声が少なからず存在するし、安倍首相の言動に(75%もの国民が)支持・喝采を送る雰囲気は、雄叫びを上げてヒトラーに頼ろうとしたかつてのドイツと重なる。

安倍首相は経済政策で実績を出した後で靖国を参拝した。これは第一次大戦後のハイパーインフレと戦後賠償でドイツが疲弊し切ったときにヒトラーがミュンヘンから登場し、インフレ対策などの経済政策を通じて国民からの支持を得ていったプロセスと実はよく似ているのだ。

まだほとんどの日本人が気づいていないが、安倍首相の参拝で、靖国問題はまったく違った次元に広がってしまった。靖国問題の本質についてきちんと諸外国に説明する必要があるが、前述のように説明できる人もおらず、誤解をどの段階から紐解いていったらいいのか明確に認識している人もいない。天皇問題を避けて(A級戦犯に代わる)戦争の責任者を特定できるのか、も定かではない。

強く懸念されるのは、靖国問題で日本が孤立し、国内と国外の認識ギャップがさらに広がり、それに対して感情的に反発する日本人が次第に増え、かつ急速に右傾化していく、つまり、いつか来た道に引きずり込まれることだ。

 


 

 

 

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