「自律を求めて・連携を恐れず」「あとは自分で考えなさい。」第183回連動「だから、言わんこっちゃない!」4月5日号!
ダイレクト・メール yassy@tanakayasuo.me
タイムシフト視聴 http://live.nicovideo.jp/watch/lv294391802
昨夜の「たまらなく、AOR」 http://tanakayasuo.me/archives/20448
「たまらなく、AOR」ポータル http://tanakayasuo.me/aor
初回からのジャケ写&YouTube音源データhttp://tanakayasuo.me/archives/category/aor
「憂国呆談」 http://tanakayasuo.me/archives/20346
「田中康夫の新ニッポン論」資源大国・北朝鮮 http://tanakayasuo.me/archives/20424
「週刊東洋経済」インタヴュー http://tanakayasuo.me/archives/20439
「VOGUE」インタヴュー http://tanakayasuo.me/archives/20408
ロッタとお出掛け http://tanakayasuo.me/archives/20251
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これからのメディア出演情報 http://tanakayasuo.me/media
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Twitter: https://twitter.com/loveyassy/with_replies
Facebook: https://www.facebook.com/yassytanakayasuo/
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今村雅弘復興相「出て行きなさい」と記者にキレる 自主避難は「本人の責任」とも フクイチ周辺ドローン写真&動画も
http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/04/minister-apologises_n_15804524.html
自主避難は「本人の責任」 今村復興相が発言
http://www.asahi.com/articles/ASK452F4MK45UBQU003.html
自主避難は「本人の責任」 復興相、記者に「うるさい」
http://www.asahi.com/articles/ASK444HK9K44ULZU009.html
今村復興相、東電株8000株保有 職務への影響「ない」
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFS05H5M_V00C16A8EE8000/
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45秒動画
https://twitter.com/MahoArt/status/849200135133212673
小田嶋隆氏
https://twitter.com/tako_ashi/status/849249314530402304
西中誠一郎氏
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放射能への不安、残ったまま 前例のない除染事業完了へ
http://www.asahi.com/articles/ASK3B0CX9K39UGTB017.html
放射能への不安、残ったまま 前例のない2.6兆円除染事業完了へ
http://www.asahi.com/articles/ASK3B0CX9K39UGTB017.html
既に避難指示が解除された5市町村では、いまの人口に対して、戻った住民の割合は平均13・5%。
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2011年12月8日 国会事故調
http://www.nippon-dream.com/?p=6442
田中康夫の改国論
http://www.nippon-dream.com/?page_id=10531
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/b52c2a04a059172de8d01493238e58ed.pdf
国会質疑アーカイヴ
http://www.nippon-dream.com/?cat=15
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映画 豊川悦司さん 元原発作業員役に「演じる責任痛感」https://mainichi.jp/articles/20170331/k00/00e/040/348000c
被ばく影響を否定する「権威」による、事故当時0~5歳の発症なし「根拠」が瓦解
https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170402-00069447/
✽今村雅弘復興相 東日本大震災の自主避難者に「故郷を捨てるのは簡単」http://news.livedoor.com/article/detail/12786736/
✽✽中学武道に追加の「銃剣道」とは? 旧日本軍訓練の流れ
http://www.asahi.com/articles/ASK3063F4K30UTIL058.html
「銃剣道」は『おそ松くん』のイヤミが大~好きなおフランス陸軍から大日本帝国陸軍発足後の明治7年に招聘した軍曹の指導で普及。明治2年パン屋創業の木村屋總本店が酒種桜あんぱんを天皇に献上は明治8年4月4日。「教育勅語」発布は明治23年。文科省は頭の中を再インストールすべし
https://www.facebook.com/yassy.tanaka.1/posts/10155212046874586?pnref=story
教育勅語、肯定の動き 安倍内閣閣議決定
http://www.asahi.com/articles/DA3S12871011.html
スポーツ選手、パン屋が1位 新小1の就きたい職業
https://this.kiji.is/222229961572171779
クラレは5日、小学校に今春入学する新1年生に就きたい職業を尋ねたアンケート結果を発表した。男の子の1位は21.9%を占めた「スポーツ選手」、女の子は30.3%の「ケーキ屋・パン屋」で、いずれも1999年の調査開始以来、19年連続で首位を維持した。 男の子のスポーツ選手の内訳は、サッカーが57.7%を占めた一方、かつて人気だった野球が17.8%と過去最低だった。2位は14.5%の「警察官」。女の子の2位は12.9%の「芸能人・歌手・モデル」だった。 調査はクラレの素材を使ったランドセルの購入者を対象に実施し、男女それぞれ2千人、計4千人の回答を集計した。
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「田中康夫の新ニッポン論」資源大国・北朝鮮 http://tanakayasuo.me/archives/20424
北朝鮮に米韓軍の戦争作戦計画流出か 2017/04/04 00:11:06
【ソウル共同】韓国KBSテレビは3日、韓国軍の内部ネットワークに対する北朝鮮のハッキングで、朝鮮戦争が全面的に再開された際に適用となる米韓軍の軍事作戦が流出していたと報じた。
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職員の記憶を特定秘密 4割弱は文書なし 情報入手見込みも指定
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201703/CK2017033002000143.html
82年入省組に共通点 「森友」解明阻む悪徳財務官僚の源流
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/202421
当事者ことごとく否定 安倍首相が辻元議員攻撃でまた墓穴
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/202493/1
資料不開示に首相審議拒否 森友疑惑解明に背向ける政権
http://www.asahi.com/articles/ASK3053VCK30UTFK00M.html
団体支援「総理夫人の仕事」 昭恵氏、著書で「私人と区別」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017040302000114.html?ref=rank
昭恵氏付職員のファクス「行政文書ではない」 閣議決定
http://www.asahi.com/articles/ASK444WB0K44ULFA010.html
菅長官「承知していない」連発 昭恵氏付職員の電話連絡
http://www.asahi.com/articles/ASK4362KWK43UTFK01C.html
森友問題 職員あて手紙の内容が次々と実現 昭恵氏関与は?
http://www.tokyo-np.co.jp/article/politics/list/201704/CK2017040502000123.html
資料不開示に首相審議拒否 森友疑惑解明に背向ける政権
http://www.asahi.com/articles/ASK3053VCK30UTFK00M.html
行政調査権限は、「犯罪捜査」のためのものと解してはならない 郷原信郎
つまり最初から昭恵が噛んでんじゃねえか
http://my.shadowcity.jp/2017/03/post-10880.html
【社説】失速する日本の安倍首相 - WSJ
http://jp.wsj.com/articles/SB11885338817628184768404583055403489061948
Abe Loses Momentum
https://www.wsj.com/articles/abe-loses-momentum-1490916705
モメンタム:勢い
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「恫喝と圧力には屈しない」辻元デマに抗議した民進党に反論の産経新聞、デマだと発覚してもなお開き直る | BUZZAP !
http://buzzap.jp/news/20170331-sankei-tsujimoto/
渦中の辻元清美に訊く「デマと保守」 | 文春オンライン
http://bunshun.jp/articles/-/1908?device=smartphone&page=1
「悪魔の証明」と「辻元デマ」で安倍政権はいかに「語るに落ちた」のか | BUZZAP !
http://buzzap.jp/news/20170330-abe-tsujimoto-dema/
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公務員&閣僚と異なり無償奉仕のファーストレディは「準公人」と日本的な曖昧さで規定しておけば事なきを得たのに「私人」と強弁して自縄自縛な袋小路状態今朝の #tbsradio「生島ヒロシのおはよう一直線」で語りました。音声はこちらで⇒ https://t.co/e097RpA4nC
https://www.facebook.com/yassy.tanaka.1/posts/10155214711974586?pnref=story
高橋健太郎氏
https://twitter.com/kentarotakahash
「イヴァンカが名誉校長を務めるKKKの小学校が州の認可をパスした」といった事態がアメリカでどんなインパクトを与えるか想像せよ
https://twitter.com/mami_tanaka/status/845956552712368129
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死なば森友疑獄年表
https://www.gosen-dojo.com/index.php?key=joo5zsl29-760#_760
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森友学園報道が下世話な理由 小田嶋隆の「ア・ピース・オブ・警句」 ~世間に転がる意味不明
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/033000088/?n_cid=nbpnbo_mlpum&rt=nocnt
http://business.nikkeibp.co.jp/atcl/opinion/15/174784/033000088/?ST=print
やらおん、はちま起稿、保守速報がアクセス不能で運営が同じ説が浮上
https://matome.naver.jp/odai/2149082512713513601
[FT]Sontakuがつなぐ日本のスキャンダル
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFK30H0U_Q7A330C1000000/
アキエリークス – 安倍昭恵夫人に関する様々な資料を公開してまいります
籠池氏側が抗議書 証人喚問の「偽証」発言
https://this.kiji.is/220582987102799348
抗議書 山口貴士弁護士
http://yama-ben.cocolog-nifty.com/ooinikataru/20170331kougisho.pdf
安倍内閣総理大臣夫人付FAX「個人で保有」:行政文書の定義逃れには無理がある( まさのあつこ)
https://news.yahoo.co.jp/byline/masanoatsuko/20170327-00069178/
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「特区の議論はすべて『加計ありき』」――「第2の森友」・加計学園の疑惑をIWJだけにトコトンぶちまける!岩上安身が日本獣医師会顧問・北村直人氏(前衆議院議員)に独走スクープインタビュー!
http://iwj.co.jp/wj/open/archives/372080
✽構造改革特区 国家戦略特区
加計学園 首相の本当のお友達に血税176億円が流れた「週刊現代」
①森友学園:9億円の国有地をタダ同然
②岡山理科大:今治土地37億無償+整備費96億助成+建設費120億市負担②吉備国際大南あわじ志知キャンパス:建物設備39億無償+整備費13億市負担③順正学園:高梁市60億支援④九州保健福祉大:延岡市90億支援!
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自民・二階氏、森友問題「友達選ぶには気をつけないと」
http://www.asahi.com/articles/ASK425VLNK42UTFK006.html
時代の風:森友問題の本質=作家・中島京子
https://mainichi.jp/articles/20170402/ddm/002/070/056000c
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音声欠落の怪 2017/4/5付日本経済新聞 朝刊
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14926260V00C17A4PP8000/
日本維新の会の足立康史氏は4日の衆院総務委員会で、2月16日に自らが同委で質問した映像記録の音声が一部途切れていると指摘した。東京都の小池百合子知事が豊洲問題で石原慎太郎元知事をやり玉に挙げていることを批判し「これは大変なことに、それこそ韓国みたいになる」と発言した部分だ。 衆院事務局によると、約20年前に開始した審議中継で初の事例だという。事故なのか、何者かが政治的に意図して音声を削除したのかは不明だ。事務方は「原因究明に努めたい」と答弁したが、職員がいちいち録画動画を確認するのは困難だ。 議事録検索システムでも「森友学園」に関する質疑を行った2月の予算委などが未掲載のまま。担当者は「精査に時間が必要」というが、政権に不都合な議事録の作成を遅らせていると勘繰る向きもある。国会関係者は「ネット時代で難しい問題が増えてきた」と漏らす。(秋)
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公文書管理「日本の歴史に責任を持つこと」 福田元首相
http://www.asahi.com/articles/ASK104RL6K10UTFK00K.html
ナチュラルとナショナル 日本主義に傾く危うさ 中島岳志
http://www.chunichi.co.jp/article/feature/rondan/list/CK2017032802000265.html
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JPモルガン、J&J、ベライゾン……。相次ぐYouTube広告の掲載停止_――_グーグル元CEO「時にアルゴリズムに翻弄されることも」
https://www.businessinsider.jp/post-141
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三菱重工、瀕死・東芝の二の舞の兆候…赤字1 兆円の原発企業に巨額出資の博打、赤字垂れ流し事業も
http://biz-journal.jp/2017/04/post_18541.html
東芝を沈めた原発事業「大誤算」、誰の責任か? 大前研一
http://president.jp/articles/-/21710
小池都知事、豊洲移転「築地再整備も比較検討」
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO14836310T00C17A4I00000/
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「共謀罪」か「テロ準備罪」か 報道各社、割れる表記
http://www.asahi.com/articles/DA3S12871012.html
「社会に満足」過去最高66%=防衛・外交、悪化の見方増す―内閣府調査
https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20170401-00000071-jij-pol
「家庭教育支援法」成立目指す自民 「伝統的家族」なる幻想 家族の絆弱まり、家庭の教育力低下
https://mainichi.jp/articles/20170301/dde/012/010/003000c
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乾貴士は断っていた。現地取材で見えた「安倍晋三・スペイン国王晩餐会」招待の真相。
https://news.yahoo.co.jp/byline/toyofukushin/20170401-00069406/
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トランプ氏、給与全額を国立公園局に寄付 予算はカット
http://www.asahi.com/articles/ASK44232GK44UHBI002.html
「1000人のロシア人、金で雇われ偽ニュース拡散」アメリカ上院に報告書
http://www.huffingtonpost.jp/2017/04/04/troll_n_15797774.html
トランプ政権阻む保守強硬派 看板公約滞る
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM30H1Y_Q7A330C1EA5000/
独左派党、選挙公約草案を発表 NATO代替や武装解除を訴え
http://jp.reuters.com/article/germany-election-linke-idJPL3N1HC1HN
エクアドル大統領選、左派候補が勝利宣言 右派猛追かわす
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM03H1U_T00C17A4EAF000/
「独」国名の当て字やめて 漢字愛するドイツ人・八王子のシュミッツさん
http://www.tokyo-np.co.jp/article/metropolitan/list/201704/CK2017040102000179.html?ref=rank
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認可保育施設、1次募集で3割落選 今春、東京23区と政令市調査
http://www.nikkei.com/article/DGKKZO14811510S7A400C1MM8000/
生涯未婚の男性23%、15年 女性14%、最高更新
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017040401002132.html?ref=rank
梅毒になったら「HIV感染」も疑え! 日本だけエイズ患者が減らない理由
https://www.houdoukyoku.jp/posts/9586
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英アニメ「ひつじのショーン」が横浜市の親善大使に
http://www.nikkei.com/article/DGXLASFB31HCK_R30C17A3L82000/
「ひつじのショーン」横浜市の親善大使に 五輪へ英国との関係強化に一役
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/list/201704/CK2017040102000151.html
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東京で行くべきレコードショップ 世界有数のレコード天国で掘り出す
https://www.timeout.jp/tokyo/ja/music/recordshop
政界地獄耳 冗談で済まぬ「安倍晋三の発言は全て真実」http://www.nikkansports.com/general/column/jigokumimi/news/1802777.html
★森友学園疑惑は、野党の予算委員会での追及が予算成立とともに終了したことを受け、幕引きの様相だが、これだけの材料があって、野党は政権を追い込めなかったのだから、話にならない。しかし政権がこの疑惑をかわした最大の理由は本来あるべき、また出すべき役所の公文書やメモがことごとく紛失、破棄、黒塗りで覆われ、役所がそれで逃げ切ろうとしたことが挙げられる。
★今までも役所を挙げてごまかそうとしてきたことは幾多もあるが、ここまで財務省がいかがわしい国有地払い下げに手を染め、それを隠し通そうとする様は哀れにさえ見える。もう高級財務官僚としてのプライドもあったものではない。「All the President’s Men」とは、米ニクソン大統領のウォーターゲート事件を掘り起こして辞任にまで追い込んだ米ワシントン・ポスト紙記者の手記の原題だが、「すべて王様の臣」という意味だ。今の財務官僚はその類いだ。
★もう1つ特徴的なのは、質問主意書で問われたものに答えるという形で閣議決定してしまうというやり方。首相・安倍晋三の昭恵夫人は私人か公人かとの問いに「私人」と閣議決定し、今度は昭恵夫人付の政府職員が森友学園前理事長・籠池泰典に送ったファクスを「行政文書に該当しない」と閣議決定した。なんでも閣議決定して、議論を更地にしてしまうやり方も相当強引だ。
★ネットに「安倍内閣は、1日までに『安倍晋三の発言は全て真実』と閣議決定した。自由党の山本太郎参院議員の質問主意書への答弁書。答弁書は『安倍晋三の言うことは全て正しい。なぜなら安倍晋三は総理なのだから』とした上で『安倍晋三を批判することだけでなく、安倍晋三の発言に疑問をもつこと自体、安倍晋三を罪人扱いすることであり、安倍晋三への印象操作である』」と、記事が出た。驚いたかと思うが、エープリルフールの冗談記事。今の内閣は本当に閣議決定しかねない勢いだ。政治が劣化している。(K)※敬称略
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沢田研二、原発にNO、憲法改正に反対する歌詞も ライブMCでは反安倍政権を鮮明
https://news.nifty.com/article/entame/showbizd/12180-503019/
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小澤俊夫氏が警鐘 「共謀罪で言論の息の根が止められる」
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/news/202513
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映画「1984」、世界各地で一斉上映 トランプ政権に抗議
http://www.cnn.co.jp/showbiz/35099291.html
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作家、作詩家・なかにし礼さんに聞く 自分の言葉、取り戻そう 「二重思考」から抜け出せ/エロスは平和を守ること
http://mainichi.jp/articles/20170331/dde/012/040/004000c?fm=mnm
昭和には歌謡曲に幾多の恋の詩を書き、平成には作家として小説やエッセーを世に送り出してきた、なかにし礼さん(78)。がん再発後、一度は死を覚悟した自称「言葉人間」の目には今、この国の「言葉」が少しずつ損なわれ、失われていくのが見えるという。取り戻す道をどこに見いだせばいいのだろう。【小国綾子】
「言葉が失われつつある。日本人は自ら『声なき民』でいることを選んでいるのではないか」。東京・赤坂にある会議室で、なかにしさんがこう切り出すのを聞いて、正直、戸惑った。
インターネットの隆盛で個人が意見表明するハードルは低くなった。むしろ言葉にあふれているとも言えるのではないか。
そんな疑問を察したかのように、なかにしさんは「他人のものとは違う、自分の言葉でなければいけない。でも今あるのは、これだけ」と、親指を立て、フェイスブックの「いいね!」をまねてみせた。「他人の意見に『いいね!』と言って意見表明したつもりになっている。これでは言葉を失っているのと同じです。言葉の、そして『個』の喪失です」。部屋の空気が、より一層重くなる。
「日本は『二重思考』の国になりつつある」と言う。その考えの下地にあるのは、英国の小説家ジョージ・オーウェルの小説「1984年」(1949年出版)だ。「党」が支配する全体主義的な近未来社会を描いたディストピア小説で、トランプ米大統領誕生後、米国で大ベストセラーになっている。
「二重思考」とは、この小説の中で「党」が国民に強要する思考回路だ。国民は矛盾する二つの信念を同時に受容し、信奉することを強いられる。例えば、党が「2足す2は5」と言えば、二重思考を駆使し、それを信じ込まねばならない。
「言葉人間」の作家は危惧する。「確かに日本は憲法で、思想の自由も言論の自由も保障され、戦前のような言論統制があるわけではない。しかし、アンケートを取れば『どちらでもない』と答える人が極端に多い。人と異なる意見を口にするのを避けようとして、あるいはネット炎上におびえて、原発問題に、死刑制度に、改憲に、自分の良心に照らしてイエスかノーか、声を上げられなくなっている。ノーだがイエスでもある、などとごまかしてはいないか」と。
つまり自分で自分に「二重思考」を強いている、と言うのだ。「歴史修正主義はその最たるものです。『南京大虐殺はあったな』『いや、ないっていう人がいるんだからないんだろう』。二つの相反する考えをその場の空気でどちらも受け入れる。自分の考えを言わず、問題に触れないことが賢明であるかのように、面倒なテーマはあえて避ける。結果、言葉は失われていくのです」
なかにしさん自身も「二重思考」から脱するため言葉と格闘してきた、と打ち明ける。生まれ育った満州(現中国東北部)から8歳の時、日本に引き揚げた。少年時代を過ごした青森では「まんしゅう、まんしゅう」といじめられ、戦争体験を“開かずの扉”に押し込めた。
戦争体験を隠して生きようとする自分と、それが血肉に染み込んでいる自分。「相反する自己の間で、歌謡曲に詩を書き続けた。戦争体験を直視し、克明に思い出し、それを恋の歌の体裁にすることで、僕は言葉を獲得した。戦争で体験した事実から目を背けようとする自分自身を克服し、『二重思考』から抜け出そうとしたのです」
例えば、67年に黛(まゆずみ)ジュンさんが歌ってヒットした「恋のハレルヤ」は、中国・葫蘆島(ころとう)の丘から海に浮かぶ引き揚げ船を見下ろし、「あれで日本に帰るんだ!」と歓喜した記憶が下敷きになっている。<愛されたくて 愛したんじゃない>の歌詞の愛の相手は、生まれ故郷満州であり、祖国日本である。政府に棄民にされた少年の故郷を思う恋慕が、恋の歌となったのだ。
昭和の時代、エロスに満ちた恋の歌を書けること自体が、なかにしさんにとって「平和」だった。「エロス、つまり人を愛するということは、それ自体が支配層の強いる『愛国心』への反逆だから。エロスは『個』を大事にすること。平和を守ること。エロスなき世界に平和はない」。黒い指輪をつけた手のひらを頬に添え、持論を語る。
しかし当時は、戦争体験を下敷きに恋の歌を書いてきたことを口外しなかった。「日本人は先の戦争に負いの意識を持っている。そこに戦争体験を持ち出すのは愚かだと思った」からだ。
平成の時代、さらに一歩踏み出した。歌を離れ、作家を目指した。本当に書きたいことにより迫るために。以来、自身や家族の戦争体験を下敷きにした作品を次々に発表。「もっとも『長崎ぶらぶら節』は、まだ二重思考が色濃く出た作品でした。日本人の美意識、人情のこまやかさを評価するような作品がこの国では好まれると知って、日本文学の価値観で書いた。その結果が直木賞でした」
転機は2012年2月。食道がんが見つかり、余命8カ月と宣告された。陽子線治療が成功したものの、15年、リンパ節に再発。抗がん剤治療を5回受けた末、なんとか仕事に復帰した。「死を覚悟した時、寄り道している暇はないと思った。本当に自分が書きたいこと、書くべきことを書こうと」。そうして書き上げたのが近著「夜の歌」だ。全459ページの分厚い本だがこの春、3度目の増刷が決まった。
近著で戦争の「加害」体験も克明に
小説の形を取るが、事実上の自叙伝。過去にも「兄弟」や「赤い月」など戦争をテーマにした自叙伝的小説はあるが、この本は明確に違う。戦争に翻弄(ほんろう)された被害者としての体験談にとどまらず、加害者としての体験を克明につづっている点だ。
なかにしさんらは、軍用列車で満州の牡丹江から脱出する途中、日本刀を振り上げた将校に命じられ、列車にしがみつき「乗せてくれ」と懇願する開拓団員たちの指を一本一本はがしていった。「中国人や韓国人に対する加害者だった、というだけじゃない。僕らは同胞をすら見殺しにしたんです」。小説には、<誰一人、正しさだけでここまで生き抜いた人間などいない>とつづった。
なぜ、あえてつらい加害体験を書いたのか。「本当は書きたくなかった。しかし書かねば、と思った」と吐露しつつ、こう言った。「二重思考から自由になるためです。この本は戦争の残酷さだけでなく、国民を食い物にし、『加害者』にしてしまう国家を描こうとした。白を黒と言いくるめて戦争を起こし、『2足す2は5である』と二重思考を国民に強いた、国家権力のからくりそのものを書かねばならないと」
そして静かに言い添えた。「僕はそれを書くために作家になったのですから」。見れば、本の帯に「なかにし礼、最後の小説。」という文字があった。
今、「自分の言葉を取り戻そう」と呼びかける。「国会では共謀罪法案が明日にも通りそうだ。死んだはずの教育勅語までが鎌首をもたげている。歴史は修正され、ヘイトスピーチが横行する。米国では、トランプ大統領の報道官の虚偽発言を、大統領顧問が『オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実)』と表現した。まるでオーウェルの書いた『二重思考』そのものです」
日に日に危機感が募る。「日本だけではない。世界中のあらゆる国家権力は、こちらがうっかりしているうちに、白を黒と言いくるめ、史実や事実を改ざんし、国民にさまざまな犠牲を強いてくる」。それはもう、歴史が証明しているのだ。
自分の言葉とは何なのか。どうすれば、それを取り戻せるのか。「理性や人間性や良心を持って真偽を見極めること。自分の頭で考えること。権力を持つ側が真実をねじまげようとした時には、恐れず声を上げること。白は白である、と。僕はそこから始めたい。そのために書く」
2時間半のインタビューを終え、赤坂の街でなかにしさんを見送った。右手に黒いステッキ。背中がしゃんと伸びている。4000曲もの歌を生んだ作家が繰り返した、私たちへの呼びかけの言葉を忘れまい。
「一人一人が絶えず、言い続けましょう。2足す2は4であると。白は白であると。それこそが言葉を取り戻すこと。平和への最初の一歩なのです」
■人物略歴 なかにし・れい
1938年、旧満州生まれ。シャンソンの訳詩や多数のヒット曲を手がけた。集団的自衛権行使容認が閣議決定された2014年夏に書いた詩「平和の申し子たちへ! 泣きながら抵抗を始めよう」(7月10日「特集ワイド」掲載)が大きな話題を呼んだ。
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欧州統合の基礎となったローマ条約締結から60周年
将来像なきEU崩壊懸念 ローマ法王、首脳らに結束求める
http://www.nikkei.com/article/DGXLASGM25H0K_V20C17A3NNE000/
ローマ法王、欧州の排外主義に警鐘「連帯が解毒剤に」
http://www.asahi.com/articles/ASK3T2RRQK3TUHBI008.html
「恐怖に負け、偽りの安全に閉じこもることを拒否したとき、欧州は新たな希望をみつける」
ローマ法王、ポピュリズムを批判 「エゴイズムの産物」
http://www.tokyo-np.co.jp/s/article/2017032501001049.html
欧米で勢いづくポピュリズム(大衆迎合主義)は「人々を囲い込み、視野を広げることを妨げるエゴイズムの産物だ」
ローマ 法王批判の街頭ポスター、一斉に出現http://mainichi.jp/articles/20170206/k00/00e/030/177000c
「慈しみどこに?」、ローマ市内に法王批判のポスター
http://www.cnn.co.jp/world/35096124.html
フリップ1
「改革派」VS「保守派」情報戦
◎2月4日未明 数百枚の教皇フランシスコ糾弾ポスター
「おい、フランチェ、お前には慈悲の心がないのか!?」
マルタ騎士団斬首の惹句
◎「オッセルヴァトーレ・ロマーノ」電子版のフェイク・ニュースPDF
教皇のフェイク・インタヴュー掲載
ローマ教皇庁VSマルタ騎士団
マルタ騎士団:1048年にエルサレムで設立。慈善活動に従事する騎士修道会。106カ国と外交関係。常任オブザーバー@国際連合。
M:HIV予防コンドーム配布@ミャンマー
アルプレヒト・ビューゼラーガー外務総官を解任。
R:解任に関する調査を指示。
M:協力を拒否したマシュー・フェスティング総長(元サザビーズ)が辞任。
ビューゼラーガー氏復職。
フリップ2
ローマ教皇フランシスコ 心の傷を癒やす「野戦病院」「貧者の教会」
2013年11月:使徒的勧告「福音の喜び=エヴァンジェリイ・ガウディウム」
2016年 4月:使徒的勧告「愛の喜び=アモリス・レティティア」
✽離婚した信徒の再婚を容認✽人工妊娠中絶の女性に赦しを与える
✽LGBTを擁護✽難民・移民の保護は道徳上の義務✽地球温暖化防止対策推進
欧米で勢いづくポピュリズムは「人々を囲い込み、視野を広げることを妨げるエゴイズムの産物だ」
「恐怖に負け、偽りの安全に閉じ籠もるのを拒否した時、新たな希望が欧州に見出される」
教皇フランシスコVSバーク枢機卿&レパント財団
レイモンド・バーク枢機卿:使徒座署名院最高裁判所長官⇒マルタ騎士団パトロン職⇒無役
スティーブン・バノン:ドナルド・トランプ大統領首席戦略官・上級顧問
ブライトバート・ニュース元会長
「壁を造ることだけを考えている人はキリスト教徒ではない」教皇フランシスコ
内なる抵抗/1 「避妊」暴露、保守派の反旗 エイズ予防活動、騎士団総長解任劇に
http://mainichi.jp/articles/20170313/dde/007/030/015000c
高級ブランド店が軒を連ねるローマ中心部のコンドッティ通り。エルメスの催事場の隣にキリスト教カトリックの修道会「マルタ騎士団」の本部がある。昨年末から今年初めにかけ、カトリック教会の総本山バチカン(ローマ法王庁)を巻き込んだスキャンダルの震源地となった。
「騎士団傘下の人道・医療救援組織がミャンマーでエイズ予防のためにコンドームを配布していた」と米保守系カトリック団体「レパント協会」が暴露したのがきっかけ。人間の生命を神聖視するカトリック教会では避妊はご法度だ。
騎士団本部は2004年時点でコンドーム配布事業には参加しない方針を決めており、救援組織はミャンマー国内3事業のうち二つから撤退した。だが、対中国境沿いの北部では貧困層への基礎医療サービスに組み込まれていたため、配布は当面、継続された。
騎士団トップのマシュー・フェスティング総長(67)は昨年12月、救援組織の監督責任者だったアルプレヒト・ビューゼラーガー外務総官(67)に辞任を迫った。バチカンは真相の合同調査を求めたが、フェスティング氏は拒否。弱い女性の立場から「避妊は絶対悪ではない」と考えるフランシスコ・ローマ法王(80)は1月24日、たてついたフェスティング氏を解任し、ビューゼラーガー氏はその4日後に復職した。
騎士団総長は原則終身制で生前退位は異例だ。10日後、ローマ中心部に法王を批判するポスターが張られた。ポスターは「マルタ騎士団トップをクビにするお前のいつくしみはどこにあるのか」とフェスティング氏の解任を糾弾していた。
ポスター制作者は不明だが、法王に不満を抱く抵抗勢力の存在が明るみに出た。レパント協会のマイケル・ヒッチボーン会長(42)は「法王がコンドーム配布責任者を復帰させ、騎士団トップを辞任させたのは不名誉極まりない。『正統性を守ろうとする者は罰する』というメッセージに等しい」と憤る。
騎士団本部で毎日新聞のインタビューに応じたビューゼラーガー氏の見解は異なる。「法王は力になってくれたのであり、ポスターの批判は不当だ。避妊具問題は前総長による権力闘争の口実にすぎず、騎士団は危機に巻き込まれてしまった」
レパント協会が昨年11月末、コンドーム配布問題について報告書を提出したのは、騎士団を担当する保守派聖職者のレイモンド・バーク枢機卿(68)に宛ててだった。騎士団内紛の背景には、法王と対立するバーク氏の策動があった。
◇
フランシスコ法王が初の中南米出身法王に選出されて13日で丸4年を迎えた。社会的弱者に寄り添う「貧者の教会」を掲げ、バチカン改革に取り組むが、保守派の反対が表面化している。「内なる抵抗」から浮き彫りになるフランシスコ像を探った。【ローマ福島良典】=つづく
■ことば
マルタ騎士団
聖地エルサレムを訪れる巡礼者を守るために1048年ごろに創設された騎士修道会。かつてロードス島、マルタ島などに領土を持っていたが、1798年に領土を失い、「領土なき国家」とも呼ばれる。現在は106カ国と外交関係を持ち、国連にオブザーバーとして加盟。紛争地や被災地など120カ国で救援活動を展開している。メンバーは約1万3500人。協力するボランティア約8万5000人、医師・看護師約2万5000人。
内なる抵抗/2 聖体拝領「信徒が混乱」
http://mainichi.jp/articles/20170314/dde/007/030/029000c
古代ローマのカラカラ浴場跡近くにキリスト教カトリックの小さな聖堂が建つ。隣の建物にはカトリック組織「レパント財団」の表札。社会的弱者への教義の押しつけを戒めるフランシスコ・ローマ法王(80)に反対する保守派の「牙城」だ。
昨年12月5日、財団の講演会場に保守派の重鎮、レイモンド・バーク枢機卿(68)の姿があった。テーマは「貞潔」。参加者によると、バーク氏は「今は乱世だ」と現代人の生活の乱れを嘆き、保守派の結束を呼びかけた。
法王への保守派の不満が噴出したのは2014~15年に家族問題を主題にバチカンで開かれた「世界代表司教会議」がきっかけだ。会議を踏まえて法王が昨年4月に発表した文書には、再婚した信徒もミサの重要儀式「聖体拝領」に参加できると読める箇所があった。
従来、離婚信徒が教会の必要な手続き抜きで再婚するのは「姦通(かんつう)」とみなされ、聖体拝領を受けられなかった。「司教の間でも解釈が割れ、信徒が混乱している」。昨年11月、バーク氏ら4人の枢機卿が法王批判の合同書簡を公表した。法王を補佐するはずの枢機卿が反旗を翻すのは「異例」(教会法専門家)だった。
教会を心の傷を癒やす「野戦病院」になぞらえる法王。救いの手を差し伸べる相手は離婚信徒にとどまらない。昨年11月には、人工妊娠中絶した女性信徒に赦(ゆる)しを与える権限を世界各地の全ての司祭に認めると発表し、保守派の神経を逆なでした。
「バーク氏は少数派のカトリック教徒が多数派を前に信仰を守り抜いてきた米国の聖職者、法王はカトリックが多数派の中南米出身。来歴は対照的で、目指す教会の方向も違う」。ローマのシンクタンク「人間尊厳協会」のベンジャミン・ハーンウェル会長(41)が対立の背景を解説する。
家族や生命を最優先する価値観でバーク氏と反りが合うのは、トランプ米新大統領のスティーブン・バノン首席戦略官兼上級顧問(63)だ。「影の大統領」とも呼ばれるバノン氏は右翼系メディア「ブライトバート」会長時代の14年、バチカンでバーク氏と会見。以来、両氏はメールで連絡を取り合っているという。
法王と保守派の対立はバチカンと米国の関係に波及するか。「移民の保護は道徳上の義務」と主張する法王に対し、メキシコ国境に壁建設を計画し、入国禁止令に署名したトランプ氏。2人は5月下旬にバチカンで会談する可能性がある。「バチカンとトランプ政権がいかに衝突を回避するか見ものだ」とハーンウェル氏は注目している。【ローマ福島良典】=つづく
■ことば
世界代表司教会議
カトリック教会の現代化に道筋を付けた「第2バチカン公会議」(1962~65年)の討議を受け、当時のローマ法王、パウロ6世が開催を決めた。世界各国の司教の代表者がバチカンに集まり、教会が直面する課題を話し合う。「共に歩む」という意味のギリシャ語から「シノドス」と呼ばれ、通常総会、臨時総会、特定地域に関する特別会議の3種類がある。フランシスコ法王は家族問題に関する総会を2014年と15年の10月に連続開催した。
内なる抵抗/3 「2人法王」の幻影
http://mainichi.jp/articles/20170316/dde/007/030/034000c
サンピエトロ大聖堂の背後に広がる面積約23ヘクタールのバチカン庭園。園内に建つ修道院「マーテル・エクレジエ」では、2013年2月に生前退位した前ローマ法王、ベネディクト16世(89)が祈りと瞑想(めいそう)の日々を送る。フランシスコ法王(80)の住居、執務室からわずか数百メートルの距離だ。
「法王が2人いるわけではないが、現役者(フランシスコ法王)と観想者(ベネディクト16世)に(法王としての)務めが拡大している。ベネディクト(16世)は(法王の)名も白い服も放棄しなかった」
昨年5月、名誉法王・ベネディクト16世の個人秘書を務めるゲオルク・ゲンスバイン大司教(60)が講演会で説明した。現在はフランシスコ法王の公邸管理室責任者で、前・現の法王2人に仕える。それだけに「共同の務めのようなもの」との発言は「2人法王制の追認か」と物議を醸した。
「貧者の教会」を掲げて社会的弱者に寄り添い、信徒との交流を好む「動」のフランシスコ法王に対し、「静」のベネディクト16世はイエス・キリストに関する大作「ナザレのイエス」を著した神学者。2人の性格や言動は対照的だ。
イタリア「新宗教研究所」のマッシモ・イントロビーニェ所長(61)はフランシスコ法王に抵抗する勢力を(1)法王の移民受け入れ姿勢に反発する右翼政治家(2)教会改革路線を否定する少数過激派(3)ベネディクト16世時代を懐かしむ一部の聖職者・信徒--に大別する。
懐古派の一人がイタリア人ジャーナリスト・作家のアントニオ・ソッチ氏(58)だ。「ベネディクト16世は依然、法王としての権限を保持している。フランシスコ法王は世俗的なため、メディアの受けはいいが、信徒・聖職者は道を見失っている」と語る。
だが、ベネディクト16世自身はフランシスコ法王を支える姿勢を取っており、懐古派は孤立気味だ。昨年6月、司祭叙階65周年を迎えたベネディクト16世はフランシスコ法王から祝福を受け、「あなたの優しさの中で私は守られている」と謝意を表明した。
イタリア誌レスプレッソのバチカン専門記者、サンドロ・マジステル氏(73)は法王と名誉法王の並立状態について「教会にとって新たな状況であり、その様式が今、実験中なのだ」と指摘する。
「反対派や分裂は教会の歴史につきものだ。しかし、フランシスコ法王の人気は高く、3種の抵抗勢力が足並みをそろえるのは難しい。たとえ法王からの離反が起きても極めて小規模だろう」。イントロビーニェ所長はそう予想する。【ローマ福島良典】=つづく
■ことば
ローマ法王の生前退位
教会法にはローマ法王退位の規定があるが、伝統的に終身在位が続いてきた。ベネディクト16世の生前退位は、法王並立時代の1415年に教会の分裂状態を収束させるためグレゴリオ12世が身を引いて以来597年ぶり。歴史的に退位が確認、または確実視されている法王の人数には諸説あるが、7人という説が有力とされる。退位から法王選挙会議(コンクラーベ)による後継法王の選出までは、死去の場合と同様に「使徒座空位」期間と呼ばれる。
内なる抵抗/4止 異論抑え、対中接近
http://mainichi.jp/articles/20170317/dde/007/030/022000c
ローマ郊外にある歴代ローマ法王の「夏の離宮」カステルガンドルフォ。昨年10月、宮殿の一般公開開始を記念する式典にバチカンと国交のない中国の芸術家が招かれ、書と民族音楽を披露した。最前列には中国人参列者が並び、文化交流を通じたバチカンの対中接近が浮き彫りになった。
フランシスコ法王(80)はアジアにキリスト教を布教した修道会イエズス会の出身。2013年3月の就任以来、「明日にでも中国に行きたい」と中国指導部に秋波を送っている。対中関係改善を通じ、分裂状態の中国カトリック教会を糾合するのが狙いだ。
「先々代ヨハネ・パウロ2世と先代ベネディクト16世は対中関係で障害があると立ち止まったが、フランシスコ法王は最後まで突き進もうとしている」。ミラノ・カトリック大学のアゴスティーノ・ジョバニョーリ教授(歴史学)が現法王の意気込みを解説する。
だが、反対意見もくすぶる。香港の陳日君・枢機卿(85)は「法王は世間知らず。中国共産党が分かっていない」と批判し、法王が非公認の地下教会を「見捨てるのではないか」と懸念を深める。バチカンの通信社アジアニュースのベルナルド・チェルベレッラ編集長(65)も「中国では政教分離の理解が進んでいない」と融和路線に懐疑的だ。
陳氏はベネディクト16世が対中交渉のために設置した諮問機関「中国教会委員会」の委員だ。しかし、フランシスコ法王は就任後、委員会を一度も招集せず「休業」状態にすることで陳氏の影響力を封じ込めた。
代わって交渉を取り仕切るのは法王をトップに親中派のピエトロ・パロリン国務長官(62)らの5人組とされる。イエズス会誌チビルタ・カトリカのアントニオ・スパダロ編集長(50)は「抵抗勢力の考え方を克服しなければならない」と法王の手法に理解を示す。
「中国とバチカンが関係正常化の歴史的合意に近づいている--」。中国国営の「中国グローバルテレビネットワーク」(CGTN)が2月26日に対バチカン関係をテーマとする初の特集番組を放映するなど、中国側の関心も高まる。
ジョバニョーリ教授は「中南米出身の法王にとって重要なのは欧州域外にキリスト教を広めること。人口が多く、近隣諸国に影響力を持つ中国の人々をキリスト教に近づけたいと思っている」と分析する。法王の対中接近には、カトリック教会の生き残り戦略が透けて見える。【ローマ福島良典】=おわり
■ことば
バチカンと中国の関係
中国は共産党による建国宣言の2年後の1951年にバチカンと断交し、57年に政府公認のカトリック教会「中国天主教愛国会」を発足させた。これとは別に、ローマ法王に忠誠を誓う非公認の地下教会がある。中国のカトリック教徒は愛国会と地下教会を合わせ推定約1000万~1200万人。バチカンと中国はカトリック聖職者・司教の任命権限をどちらが持つかで対立してきたが、最近、任命方法を巡り歩み寄りがあったとされる。
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ローマ法王欧米のポピュリズム台頭に警鐘
http://mainichi.jp/articles/20170123/k00/00m/030/058000c
ローマ法王中絶信徒に赦し…権限を司祭に授与
http://mainichi.jp/articles/20161123/k00/00m/030/047000c
ローマ法王80歳の誕生日 お祝い用専用メールを開設
http://mainichi.jp/articles/20161218/k00/00m/030/030000c
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「福音の喜び」
http://tanakayasuo.me/archives/11965
http://www.nippon-dream.com/?p=11876
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