なんちゅう研究をしている人がいるのだと、前向きに呆気にとられた。大阪公立大で学位を取られ、そして今大阪公立大で教鞭をとられる、林侑輝先生の日本経営学会誌の最新論稿(2024)である。

タイトルをみてピンときた方が、どれだけいるだろうか。

かくいう私も、しばらく読み流してしまっていた。

だがこれは、学会への重大な告発である。

レジリエンス。しなやかな強さ、健全性を維持する力。
個人のレジリエンスといえば、困難にあっても精神的に克服できる、柔軟さを備えた心の強さのことである。
組織のレジリエンスといえば、災害や、あるいは激烈な事業環境の変化に対して、柔軟に組織や事業のかたちを変えて存続できることを指す。

研究分野の、レジリエンス。
ある研究テーマが、その議論の質や問題意識を担保したまま、連綿と研究され続けていくのは大変に困難なことである。
研究者にも生活がかかっている。自分の分野が下火になれば、研究者として生存