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各界のイノベーターとの対話集
『資本主義こそが究極の革命である』発売記念!
宇野常寛による書き下ろしの
「まえがき」を無料公開!
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.6.10 vol.341
http://wakusei2nd.com

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本日、宇野常寛と各界のイノベーターとの対話集『資本主義こそが究極の革命である』が発売になります。それを記念し、宇野による書き下ろしの「まえがき」を無料公開します! いま、産業界でイノベーションを起こしている彼らの「思想」について考え、知ることの意味とは――?

 
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▲『資本主義こそが究極の革命である 市場から社会を変えるイノベーターたち』
宇野常寛(編著)、粟飯原理咲 (著), 安藝貴範 (著), 安宅 和人 (著), 川鍋一郎 (著), 北川拓也(著), 野林徳行 (著), 古川健介 (著), 森 健志郎 (著) 
 
 
まえがき
 
 この本には8人の実業家とビジネスマンが登場する。
 この8人は誰をとってもその世界では一目も二目も置かれているキーパーソンで、たぶん経済誌の特集でもこのメンバーを一度に揃えることは難しいのではないかと思う。
 しかし、最初に言っておかなければならない。これは、ビジネスでの成功の秘訣を教えてくれる本でもなければ、起業や経営のコツについて論じた本でもない。もっとはっきり言ってしまえば、お金の儲け方について扱った本でもない。
 こう書いてしまうと、表紙の著者たちの名前を見て手に取ってくれたビジネスマンたちは──彼らの名前にピンとくるということは、きっとさまざまなジャンルにアンテナを張っている気の利いたビジネスマンなのだろうが──この本を書店の本棚に戻してしまうかもしれない。けれど、そうする前にちょっとだけ待ってほしい。確かにこの本には彼らがどうやって事業を成功させたかということは、全く書かれていない。けれど(あえて言うが)「そんなことよりも大事なこと」が、この本には詰まっている。
 この本では、僕が聞き手になって彼ら8人に、それぞれの専門分野で発見したことについて語ってもらっている。
 例えば、大手タクシー運営会社の日本交通・川鍋一朗社長を既存のメディアは、ほぼ「マッキンゼー出身の、エリート三代目」「傾いた会社を立て直した辣腕タクシー王子」という文脈でしか取り上げることが出来ていない。しかし、僕に言わせればこうした視点からの紹介は、川鍋一朗というビジネスマンのやろうとしていることの社会的な意味を1ミリグラムも伝えていない。そこで僕は川鍋氏のところに出かけて行って、彼の計画をとおしてこれからの車社会と都市交通がどうなるのか、どうすべきなのかというビジョンを聞いてきた。
 本書を一読してもらえればすぐにわかることだが、氏の構想する新しい地域交通の形は、タクシー業界の再編という業界地図の問題に収斂されるものではない。もっと根本的に、日本の国土開発や地方の労働社会の、それも今後数十年単位の野心的な設計図に基づいたものであることに気づくはずだ。
 そして、さらに言うならそれは同時にインターネットやモータリゼーションという、従来は個人主義を押し進め、コミュニティを解体していたものを逆手に取ることで、これまでとは違う形で地域社会を再建することでもある。集約型=マス的なものではなく、分散型=ソーシャル的なものを通じて新しい社会を考えるというのは、現代社会の直面している最大の思想的な課題の一つでもあるはずだ。しかし、従来の言論メディアでは川鍋氏のような実業家が「思想」の語り手であり、実践者であるということを認めようとしない。そして従来のビジネス系のメディアは、彼の業績を株価と売上でしか評価することが出来ないのだ。
 これは、もの凄く「もったいない」ことではないだろうか。
 あるいは、同じく本書に登場する粟飯原理咲氏の手掛ける一連のウェブサービスは、概ね同業他社が苦手とする特定の年代の女性のマーケティングに成功したと評価されることが多い。しかし、僕の考えでは粟飯原氏の事業のもつ批判力はそんなところにはない。共働きや職住近接という現代的な(脱戦後的な)ホワイトカラーのライフスタイルが都市部の20代、30代を中心に成立しつつあるとき、そのライフスタイルの実現をインフラ面で支援しているのが氏の手掛ける「おとりよせネット」や「朝時間.jp」に他ならない。ここでは、かつて電気洗濯機や冷蔵庫が実現した家事労働の軽減による主婦層の解放を、ウェブサービスが形を変えて実現しつつあると言えるはずだ。だがやはり、既存のメディアで粟飯原氏の意欲的な試みの数々が、社会や文化の問題として取り上げられることはほとんどない。
 
 だから、僕は彼らのもとに出向いて、彼らとじっくり腰を据えて話し合うことにした。
 彼らのやろうとしていること、やりたいこと、これまですでにやってきたことの意味を、経済の言葉ではなく「文化の言葉」で、その売上ではなく「意味」を言葉にする仕事をやろう、そう思ったのだ。
 なぜならば、彼らのこうした仕事が利益でしか測られないのだとしたら、それは甚だしい過小評価で、そして彼らのこれまでの仕事とこれからの構想が、社会を変えてきた、変えていけることを、世の中の人が知らないことは大きな、いや大きすぎる損失だと思うからだ。
 
 この一冊は、こうしたことを考えながら1年あまり僕が取材してきた人々との対話を集めたものだ。大手タクシー会社の社長から、ビッグデータ活用の第一人者まで、さまざまな仕事に携わっている人々が登場する。
 野林徳行さんとは、リクルートとブックオフ、コンビニエンスストアをテーマに「流通」という視点から、これからの生活文化について語り合った。グッドスマイルカンパニーの安藝貴範さんとは、エンターテインメントをとおしてアメリカ西海岸的なイデオロギーを、(特にこの現代日本が)生活文化の中でいかに受容していくのか話し合った。nanapiの古川健介さんとは、インターネットが「文字検索」の時代を終えたのちにどこへいくのか、スクーの森健志郎さんとは、動画教育の需要から見えてくる新しい「教養」の形について議論した。楽天の北川拓也さんとは、eコマースの世界が溜め込んだデータから明らかになった人間の行動様式について意見を交わした。そしてヤフーの安宅和人さんとは、ビジネスシーンで用いられている思考法を、どのように思想として、人間観の問題として捉え直すのかという、いささか抽象的な議論に挑んでいる。
 こうした幅広い議論が、すべて彼らの手掛けるビジネスを起点にした変化について交わされていることに、驚く読者も多いはずだ。
 そして、今の日本にはこうした意欲的で創造的なプレイヤーが数えきれないほど活躍している。そして、彼らの仕事は確実に、少しずつこの世界を変えつつある。問題があるとすれば、社会の側にそれに気づくためのアンテナと、それを伝えるための回路が不足していることだけだ。
 
 20世紀の遺物のような学者や文化人の中には、いまだに「資本主義からは価値は生まれない」とか言う人がいるのだけれど、僕は全く逆のことを思っている。
 少なくとも僕の知る限り、いま世の中を確実に変えていく力はすべて市場から、資本主義の内部から生まれている。断言しよう。資本主義こそが究極の革命である。
 
(この続きは、発売中の『資本主義こそが究極の革命である』で!)
 

  
『資本主義こそが究極の革命である 市場から社会を変えるイノベーターたち』
宇野常寛(編著)、粟飯原理咲 (著), 安藝貴範 (著), 安宅 和人 (著), 川鍋一郎 (著), 北川拓也(著), 野林徳行 (著), 古川健介 (著), 森 健志郎 (著)
 
堀江貴文氏推薦! 真に世の中を変えている「革命家」たちとの希望ある未来への対話集
 
インターネットによるジャーナリズムが市民社会を革新すると期待された10年前。
しかし現実には変革は起こらず、むしろ閉塞感のある社会になってはいないだろうか。
 
では、世の中に希望はないのか。
 
宇野常寛は情報社会を再検討する中で一つの答えに辿り着く。
資本主義こそが究極の革命であると。
つまり、サービスを設計する経営者たちが、テクノロジーを手掛けるエンジニアたちが、
仕事を通じて得た思想とビジョンを背景に着実に世の中を変えていたのだ。
 
勉強や仕事、あなたが今やっていることの先にやりたいこと、そしてビジョンさえあれば
毎日は希望に満ちた日々に変わっていくはずだ。
その先駆者8人との、未来への対話集。
 
【内容】
1 川鍋一朗
過疎化する地方でタクシーが果たす使命
──日本交通・川鍋一朗が描く「交通」の未来

2 粟飯原理咲
「中食」はポスト戦後の食文化にどう介入するか
──アイランド・粟飯原理咲が語る「お取り寄せ」の現在

3 野林徳行
なぜネット時代に『ゼクシィ』は売れ続ける?
──レッグス・野林徳行の「顔が浮かぶ」マーケティング

4 安藝貴範
僕らに『スター・ウォーズ』さえあれば
──グッドスマイルカンパニー・安藝貴範が語るオタク文化の世界戦略

5 古川健介
そもそも検索ワードなんて要らない?
──nanapi・古川健介が語る「ポスト検索」の時代

6 森健志郎
動画教育が可視化する新しい日本人の人生設計とは
──スクー・森健志郎の学歴社会「解体プラン」

7 北川拓也
人間の意識を変革するECサイトは可能か?
──理論物理学者・北川拓也が楽天で得た「哲学

8 安宅和人
「人間」を単位に考えるのは生命に失礼
──『イシューからはじめよ』著者・安宅和人が神経科学とマーケティングの間で考えてきたこと


PLANETSの日刊メルマガ「ほぼ日刊惑星開発委員会」は6月も厳選された記事を多数配信予定!
配信記事一覧は下記リンクから。
http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/201506
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【6/24(水)開催 尾原和啓×北川拓也×古川健介×高宮慎一×宇野常寛が、プラットフォームやwebサービス運営の最前線を語り合うトークショー!

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▼概要
 
 スマートフォンのiPhone、検索エンジンのGoogle、SNSのFacebook、……今や社会から私たちの生活まで、すべてを形づくるのは超国家的なIT企業である。そして、それらの超国家的プラットフォームを運営するのは、投資家から資金を調達して事業活動を行う株式会社である。つまり、世界を変えるアクターは資本主義の内部から生まれているのだ。

 本イベントは様々なプラットフォーム運営の最前線で活躍する出演者たちが、現場の目線で真剣に語り合い、激変する現在の世界を見通すためのトークセッションだ。ありきたりなビジネスの成功体験や秘訣を語るのではなく、世界を変えるにはどうしたらいいのかを本気で議論する場である。

 その場にふさわしい出演者を今回の渋谷セカンドステージでも迎えることとなった。
2015年Kindleビジネス書年間7位のベストセラー『ITビジネスの原理』の著者であり6/11に『ザ・プラットフォーム』を出版する尾原和啓氏は、10回を超えるIT企業での転職から長きにわたり「IT」を見てきたプロフェッショナルだ。一方で6/10に出版される、PLANETS編集長・宇野常寛編著の対談集『資本主義こそが究極の革命である』からは、nanapi代表取締役社長の古川健介氏と楽天執行役員・北川拓也氏が参加。古川氏は81世代を代表する起業家であり、けんすう氏として鋭い分析と筆力でスタートアップ界に多大な影響力をもつインフルエンサーでもある。さらに、北川氏は理論物理学者でありながら、ECサイトは人間の意識を変容させることが可能かについて深い示唆を持つ。そしてPLANETS編集長の宇野常寛と、司会にはITのビジネスモデル知り尽くすプロであり、資本主義の根幹を担うともいえる投資家、グロービスの高宮慎一氏を迎えた。

 IT企業は世界の何を変えるのか? まさに出演者たちが最前線で活躍する、日本的インターネットのゆくえとは? 私たちの生活はこれからどうなるのか? 渋谷セカンドステージとしては初の大きなテーマを基に、IT業界のトップランナーたちが激変する世界と未来のビジョンを縦横無尽に語り尽くす!

 なお本イベントは、
6/10刊行 宇野常寛編著『資本主義こそが究極の革命である--市場から社会を変えるイノベーターたち』(紙:KADOKAWA/電子:PLANETS)
6/11刊行 尾原和啓著『ザ・プラットフォーム』(紙:NHK出版/電子:PLANETS)の合同刊行記念イベントを兼ねています。
どちらの書籍もご一読いただけると、イベントがもっと楽しめます!
 
▼出演者
尾原和啓(Fringe81株式会社執行役員、『ザ・プラットフォーム』著者) ※バリ島からコピーロボットにて参加
北川拓也(楽天株式会社 執行役員、Behavior Insight Strategy Office室長、データサイエンス部 部長、『資本主義こそが究極の革命である』共著者)
古川健介(けんすう)(nanapi 代表、『資本主義こそが究極の革命である』共著者)
高宮慎一(グロービス・キャピタル・パートナーズ パートナー/CSO)
【司会】宇野常寛(評論家、PLANETS 編集長)
 
▼スケジュール
6月24日(水) 18:30 open / 19:00 start
 
▼会場
渋谷ヒカリエ 8階 8/01/COURT(渋谷駅 直結)
〒150-8510 東京都渋谷区渋谷2-21-1
▼PLANETSチャンネル会員割引チケットのお求めはこちら
http://peatix.com/event/92103/
 

『PLANETS vol.9 東京2020 オルタナティブ・オリンピック・プロジェクト』好評発売中です!

 
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『PLANETS vol.9』は2020年の東京五輪計画と近未来の日本像について、気鋭の論客たちからなるプロジェクトチームを結成し、4つの視点から徹底的に考える一大提言特集です。リアリスティックでありながらワクワクする日本再生のシナリオを描き出します。
 
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【告知】編集部からのお知らせ
PLANETSからの耳寄りな情報を、どこよりも早くお届けします。

 
☆★今週のPLANETS★☆
 
▽ニコ生情報
 
6/12(金)20:00〜「朝までオタ討論!15th ROUND」オタ有志×宇野常寛
☆総選挙開票を受けて、今月も語り合います!(今回は20:00のスタートです)
http://live.nicovideo.jp/gate/lv222906798
 
▽出演情報
 
毎週木曜日8:00〜日テレ「スッキリ!!」
☆レギュラーコメンテーターとして、宇野常寛が出演しています。
番組公式サイトはこちら
http://www.ntv.co.jp/sukkiri/
 
▽書籍・雑誌情報
 
★発売中★
「文化時評アーカイブス2014-2015」(朝日新聞出版)
☆今年は乃木坂46・秋元真夏さんが表紙&巻頭グラビアです! よっぴーさんと宇野常寛が2014年を振り返る特別対談や、よっぴーさん、石岡良治さん、宇野常寛で2010年代の文化地図を総括する座談会、そして濱野智史さん、岡島紳士さん、さやわかさんと第二次アイドルブームのゆくえを語り尽くす座談会なども新規収録。

宇野常寛『リトル・ピープルの時代』文庫版(幻冬舎)
☆ついに『リトピー』が文庫になりました! 価格もぐっとお求めやすくなっています。文庫版の解説は川上弘美さんです。なお今回も著者印税は復興支援のため全て寄付させていただきます。

『楽器と武器だけが人を殺すことができる』(KADOKAWA/メディア・ファクトリー)
☆雑誌『ダ・ヴィンチ』宇野常寛の連載、書籍化第2弾! チームラボ、ドラ泣き、ガンダムUC、風立ちぬ、多崎つくる、恋チュン、海街diary、頭文字D…など多くの論考を収録。

『ナショナリズムの現在――〈ネトウヨ〉化する日本と東アジアの未来』(朝日新聞出版)
☆いま私たちはナショナリズムとどう向き合うべきか? 21世紀の東アジア社会のなかで、この国はいかなるビジョンを描くべきか――。萱野稔人、小林よしのり、朴順梨、與那覇潤、宇野常寛によるシンポジウムの内容に加え、萱野稔人、與那覇潤それぞれと宇野常寛の対談も収録。

『ポスト「J-POP」の時代――激変する音楽地図とクリエイションのゆくえ』(Kindle版)
☆今年4月に開催され大好評だった、いきものがかり水野良樹さん、livetuneのkzさん、そして音楽ジャーナリストの柴那典さんと宇野常寛で「これからのJ-POP」を語ったトークイベントの全容を電子書籍でお届けします。

『静かなる革命へのブループリント:この国の未来をつくる7つの対話』(河出書房新社)
☆根津孝太さん、吉田浩一郎さん、駒崎弘樹さん、門脇耕三さん、猪子寿之さん、尾原和啓さん、落合陽一さんとの対話集。

「サイゾー」2015年6月号(サイゾー)
☆連載「月刊カルチャー時評」では、松谷創一郎さんと「山田孝之の東京都北区赤羽」について語りました!

「中央公論」2015年7月号(中央公論新社)
☆連載「テレビドラマが時代を映す」では、岡田惠和さん脚本のドラマ「心がポキッとね」を扱いました!6/10(水)発売。

吉田正樹著『メディアのリアル』(プレジデント社)
☆昨年立教大学の授業にて宇野常寛が吉田正樹さんと対談した内容も収録されています!

輿那覇潤『中国化する日本 増強版 日中「文明の衝突」一千年史』(文藝春秋)
☆文庫版附録として、輿那覇さんと宇野常寛の新規対談が収録されています!