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  宇野常寛のオールナイトニッポン0(zero)金曜日
     ~11月1日放送・全文書き起こし!~
                発行:PLANETS  2013.11.8
                  http://wakusei2nd.com

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【オープニングトーク】       

はい。倉持さん、松井さん、鈴木さん、おつかれさまでした。評論家の宇野常寛です。あのー、結論から言うとですね。僕はもう、結構ピンチでしたよ。

三日くらい前かなー。新宿のね、伊勢丹で。その日ですね、僕は柄でもなく「ちょっとオシャレしようかなー」と思って、新宿の伊勢丹行って服を買ってきたんですよ。僕はね、着るものとか昔から本当に興味が無くて……特にここ何年間かは仕事が忙しいし、面倒くさいしで無印良品かユニクロでしか服を買ってこない男だったんですよ。その話をね、この間ちょっと仲良くしている人達とご飯を食べながらしたんですよ。「いやあ、僕、もう本当服とか興味なくて……」ってそんな話をしたんですよね。誰にしたかって言うと、このラジオでも度々話題にしている僕の心の師匠ですよ。僕の心の師と仰ぐ脚本家の井上敏樹さん。平成仮面ライダーシリーズの脚本家ですね。アギトにファイズにキバですね。その井上さんと、あと小説家の川上弘美さんですね。『センセイの鞄』とか『蛇を踏む』とか『溺レる』とかのね。芥川賞の選考委員とかもやっているちょっとすごい人なんですけど、この2人とご飯を食べている時に、ちょっとその話になったんですよね。なんでこの3人が仲いいのかっていうと、ちょっといろいろあって……僕と川上さんって言うのは、仮面ライダーオタクつながりなんですよ。仮面ライダーオタ友達なんですよね。で、そのファン活動の延長線で、井上さんに会ったんですよ。仕事にかこつけて、「井上さんに2人で会いにいこう!」って言って会いにいって、それですごい意気投合したんですよね。

それはまあちょっと置いといて、とにかくね、この3人で結構集まってご飯とか食べたりしてるんですよ。で、そのときに僕が、「ユニクロと無印でしか服を買っていない」って話をしたら、なんか井上さんが、「おう。じゃあ、もう、俺がね、お前に似合うもの選んでやるよ。」って言うんですよ。すごいダンディに(笑)。そしてね、3人でね、服を買いにいくことになったんですよね。僕と、井上敏樹さんと川上弘美さんの3人で。そんときはね、まあ普通に「楽しみだなー」って思ってたんですけど、なんかね、約束の日が近づいてきたら、段々不安になってきたんですよ……。

井上敏樹さんって一部では有名なんですけど、まあなんていったらいいかなー……趣味というか、センスというかね、ぶっちゃけ外見がね、まあうーん……比較的イリーガルな活動をしているタイプの人に近いっていうか……法律上のグレーゾーンを常に歩いているタイプの人に近いんですよ。なんかこう、外見が。ルックスが。「ヤ」がついたりつかなかったりな感じの人に近いんですよ。で、すごいカッコいいスーツをいつも着こなしてるんですけど、あの人本当にめちゃめちゃガタイがよくて、身長も僕と同じくらいあるんですよ。180センチ以上あって、胸囲も100超えてるんですよ。脚本家なのに身体鍛えまくってて、ムキムキなんですよね。絶対に文筆業とかに見えない人なんですよ。時計とか、携帯とか、小物系とか基本的にゴールドなんですよね。僕が一番ビックリしたのが、ガラケー使ってるんですけどあの人は、真っ黒の携帯に金の龍のシールとか貼ってるんですよ。もう、ドラゴンとか大好きなんですよね。着信音は普通に007(ダブルオーセブン)とかですよ。その井上さんに服を選んでもらうっていうことが何を意味するのか、約束の日が近づくにつれて、段々僕も気づいてきたんですよね。
 
で、恐る恐るね、3時頃かな?伊勢丹のメンズ館の一階で待ち合わせたら、川上さんが仕事の都合かなんかで遅れてきたんですよね。だから僕と井上さんが先に見て回ることになったんですよ。で、なんか心配だから……「敏樹さん、僕の趣味を理解した上で選んでくださいよねー……」って言ったら、「大丈夫だ。俺はお前の全てを理解している。だから完璧お前に似合う物を選んでやる」って言うんですよ。これはちょっと気を使ってくれるのかなーと思って、安心していいのかなーとか一瞬頭をよぎったら、次の瞬間ね、