現役官僚である橘宏樹さんが、「中の人」ならではの視点で日米の行政・社会構造を比較分析していく連載「現役官僚のニューヨーク駐在日記」。
今回は11月におこなわれたアメリカ中間選挙のポイントを解説するとともに、ニューヨーク市民と日本国民の選挙に対する姿勢の違いについて分析します。
橘宏樹 現役官僚のニューヨーク駐在日記
第7回 「分断」から「瓦解」へ――変質する民主主義の危機 ~中間選挙を読み解く3つの視座~
おはようございます。橘宏樹です。ニューヨークでは、11月24日にサンクス・ギビング・デイ(感謝祭)を迎えました。去年に続き今年もアメリカ人の友人宅にお招きいただき、大きな骨付きハムを分け合って楽しい時間を過ごしました。感謝祭の料理と言えば七面鳥がおなじみですが、ハムの流派も多いのだとか。
▲手製のサンクス・ギビング・ハム。グランベリーなど甘めのソースをかけて食べるのがセオリー。
▲アラビア文字の書かれたお皿がハムと餃子と団らんを待つ多文化な食卓。
▲手製のチョコチップ入りピーカンナッツ・パイ。使われたメープルシロップは庭で採れたものだそう。めちゃくちゃ美味しかった...…
▲大きな家と薪の暖炉。これぞアメリカの冬って感じ。
翌25日のブラック・フライデーのセールには人々が殺到し、ロックフェラーセンター前の有名な巨大クリスマスツリーはいそいそと装飾を始めています。クリスマス休暇の始まりまでは少し間があるものの、なんかもう、ニューヨーク市内からビジネスのやる気は感じられず、仕事納めに向かっている雰囲気です。
しかし、蓋を開けてみると、民主党が上院の過半数をギリギリながらもキープし、下院も共和党220に対し民主党213(過半数は218。2議席未決着。執筆時点(11月27日)。)と踏みとどまりました。大統領の党が負けやすい選挙にしては、バイデン民主党はかなり善戦したと言ってよいでしょう。
▲ニューヨーク・マラソンを走る参加者
① 選挙管理の危機
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