デザイナーの池田明季哉さんによる連載『"kakkoii"の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』の番外編として、現在公開中の映画『トイ・ストーリー4』を論じます。1995年の第一作目以降、本作の〈男性性の美学〉は少しずつ形を変え、多様な価値観を包括するようになりました。トイ・ストーリーシリーズの24年間の主題の変遷を改めて振り返ります。
※注意:本記事には『トイ・ストーリー4』のネタバレが含まれています。
こんにちは。デザイナーの池田明季哉です。今回は『“kakkoii”の誕生ーー世紀末ボーイズトイ列伝』の番外編として、『トイ・ストーリー4』について論じていこうと思います。
ご存知のとおり、『トイ・ストーリー4』は前世紀末、1995年に第一作が公開された「トイ・ストーリー」シリーズの最新作ですから、世紀末ボーイズトイから現代に繋がる想像力を引き出そうとするこの連載としては、避けて通ることはできません。これまでおもちゃにとって重要なトピックを提示し続けてきた本シリーズの批評力は、今作においても健在です。『トイ・ストーリー4』を通じて、現在のおもちゃ、特にアメリカのおもちゃ文化が置かれている状況について考えていきたいと思います。
僕は故あって、現在イギリスに住んでいます。6月21日のアメリカ公開と同時にイギリスでも本作が公開され、7月12日の日本公開に先駆けてこの作品を見る幸運に恵まれました。当然見たのは純粋な原語版ということになるので、カタカナによる代替表記については筆者独自のものであり、後に公開されるであろう日本語の吹き替え・字幕の表記とは揺れがある可能性があることをご了承ください。
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