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おときた駿×宇野常寛 小池百合子は東京をどこに連れていくのか
(HANGOUT PLUS 11月14日放送分書き起こし)
【毎週月曜日配信】
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2016.11.21 vol.737
毎週月曜日夜よりニコ生で放送中の宇野常寛がナビゲーターを 務める「HANGOUT PLUS」。今回は2016年11月14日に放送された、都議会議員のおときた駿さんをゲストに迎えた回の一部書き起こしをお届けします。
都議会でも数少ない「小池派」議員として、積極的に小池都知事の支援を展開しているおときたさんと、築地市場の豊洲移転やボート競技施設の問題など、小池都知事が進めている改革の本質、小池劇場で加熱するマスメディアの問題について議論しました。
PLANETSチャンネルで、J-WAVE 「THE HANGOUT」月曜日の後継となる宇野常寛のニコ生番組を放送中!
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▼プロフィール
おときた駿(おときた・しゅん)
東京都議会議員(北区選出)/北区出身 33歳
1983年東京都北区生まれ。私立海城高校・早稲田大学政治経済学部を卒業後、LVMHモエヘネシー・ルイヴィトングループで7年間のビジネス経験を経て、現在東京都議会議員一期目。ネットを中心に積極的な情報発信を行い、日本初のブロガー議員として活動中。都政の専門家として、ニュースやワイドショーにも多数出演。著書に「ギャル男でもわかる政治の話」がある。
「HANGOUT PLUS書き起こし」これまでの記事はこちらのリンクから。
※このテキストは2016年11月14日放送の「HANGOUT PLUS」の内容の一部を書き起こしたものです。
◼︎ 小池百合子は何を狙っているのか
宇野 小池劇場が始まってから3ヶ月ほど経ちましたが、小池都知事の応援団長として、ぜひ中間報告をお聞きしたいです。いかがですか?
おときた ここまでのことをやるか、というぐらい詰め込んだ、怒涛の3ヶ月間でしたね。最初の100日が重要ということは、本人もおっしゃっていたので、その通りにやってきたなと思います。
宇野 就任直後からこんなにカードを切ってくると思いませんでした。いつの間にこんなに準備していたんですか?
おときた 前回の都知事選からでしょうね。舛添さんが選挙に出馬したとき、本当は小池さんも出たかったんですよね。その頃から虎視眈々と都知事の座を狙っていて、東京区内での衆議院議員として、ある程度、政策の準備をしていたみたいですね。しかも、石原伸晃さんや内田茂さんを敵に回して絶好の形を作れたっていう。「してやったり」だったと思います。
宇野 この100日間、都議会議員として小池派でいるのは、問題の渦中にいるということだと思うんですが、どうでしたか?
おときた 我々は最大与党だと自分たちで言っているんですが、実は都議会議員127名のうち、たった3人の与党なんですよ。それでも、都庁職員からメディアまで、対応が変わりましたね。今までは塩対応で、都庁の職員なんか「先生、先生」と物腰は慇懃ですけれども、「それはできないんですよ」「これは都政に馴染まないです」と、行政用語を使いながら騙そうとしてきたんですね。でも今は、とにかく何かやらなければならないという感じで、少しでも改善しようとしてきますね。メディアの対応も、自民党には常にくっついている「自民党番」がいるんですが、私にも「おときた番」ができたわけですよ。
これが与党になるということなのか、と思いました。
◼︎ 豊洲移転問題や東京五輪問題の本丸とは?
宇野 メールも頂いています。
こんばんは。おときたさんは以前は2期目の当選は難しそう、 とブログで仰っていたかと思うのですが、 最近のメディア露出等から勢いを見るとそんなことないんじゃないかな、と思えてしまいます。ところで、東京都は、小池百合子都知事が就任し、 あっという間に豊洲新市場と東京オリンピックの問題が政局化し、 いずれも、都民の生活に影響をどう帰着させるか、の方針が見えてくる前に責任者を叩いて、都庁、 そして都議会という、『伏魔殿』 と形容しやすいような組織の頭を押さえ込むことの方が先決、 とでも言わんばかりの事態が進行しているように見えます。東京都政の行く末はどこにあるのでしょうか? 教えて頂ければ幸いです。(ビスちゃんぽん 32歳)
おときた 幅の広い質問ですね。
宇野 今は膿を出すことに集中しすぎているきらいはありますよね。
おときた 情報公開が非常に遅れていたのは確かですね。ガバナンスも適当なんですよ。「処分ありきだ」という批判も確かにあるんですが、責任者を処分しなければどうしようもないですよね。僕としては、そこは理解を示したいですね。
宇野 僕がメディア側の人間として問題だと思うのは、豊洲移転や「盛り土」なんてどうだっていいわけですよ。「盛り土」だろうが地下室だろうが、汚染水を防げればなんだっていいんです。問題は、全く不透明な、はっきり言ってしまえば談合があったとしか思えないような状況で、膨大な予算を投入した一大プロジェクトが進行しているということなんですよね。でも、そこが表立って問題化されていないのはメディアの怠慢だと思うんですよね。
おときた 本丸である「盛り土」問題は、ひょうたんから駒のように出てきた話で、最初は小池さんも知らなかったわけですよ。共産党さんが発見してやる気になっていた話で、もともとは共産党が月曜日の朝イチで発表する予定だったんですよ。「すごいことを発表するぞ」と言っていて「なんだなんだ」となっていたんですが、先走って金曜日に喋っちゃったんですよ。それで一気に話が回って小池さんの耳に入って、小池さんが土曜日に記者会見を開いたので、あたかも小池さんが発見したかのようになったんですね。
宇野 あの「盛り土」問題が変にバズワードになったせいで、本来の問題である「どう考えても談合しているだろ」という部分が隠れている気がするんですよね。
おときた ただ、これはある意味、想定の範囲内というか、これから談合に切り込んでいったときに、誰が出てくるかといえば、前石原都知事のラインと都議会の内田茂さんのラインが、完全に見えてるんですよね。これはいつ出すのかという問題で、例えば年末とか年明けくらい、都議会議員選挙がもうちょっと近くなってから、しっかりとそこに取り組んでいけば、また改革の風が吹くんじゃないかと思います。
宇野 五輪のボート競技施設の問題も全く一緒で、あれも最終的には、最初の海の森水上競技場でやることになる可能性が高いと思っています。ベストではないかもしれないけれど、それなりにベターな選択肢ではあるのでね。でも、そのときに「あれだけ大騒ぎして、結局、東京でやるのかよ」となってしまうのが心配なんですよね。だから、そこは小池さんは「これは膿を出すためにやっていることであって、結果的に会場を移さず東京でやることになったとしても、会場を決める過程では明らかに不正があったんだよ」ということを、カードとしてなるべく早めに切るべきだと思う。
おときた 五輪の費用が高騰していく理由は、人件費や資材費だけではないんです。ボート競技施設の問題では、結局、海の森水上競技場になる可能性は高いんですが、それでも長沼という候補地を出したことで、いきなり200億円も安くなったわけです。それは積まれていた70億円の予備費を切ったからなんですが。
宇野 予備費が70億円って何に使うんだよ(笑)。
おときた 完全にゼネコンが懐に入れるための70億円なんですよ。それを積んだ奴がどこかにいる。その犯人を明らかにして有権者の理解を得ていかないといけません。都政はこんなふうにシロアリがたくさん巣食っているんですよね。
宇野 膿を出す作業は、最後までやりきることが大事で。手錠をかけられる人が2〜3人出るくらいまでやらないと、逆に小池さんがやられちゃうと思うんですよね。
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