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サッカー専門誌の編集者時代から現在に至るまで、使ってきた取材ノートの数は90冊以上に上る。それらに残されたメモを頼りに、日本サッカー界のさまざまな時代をひも解いていく。第106回は2015シーズンをもって湘南ベルマーレから、鹿島アントラーズへの移籍を発表したMF永木亮太。湘南で主軸へと成長を遂げた男が、新天地での更なる飛躍を目指して動き出す。[Jリーグサッカーキング3月号掲載]

「よく走る選手だなあ」というのが第一印象だった。2010年7月25日の湘南ベルマーレ対FC東京戦で、永木亮太のプレーを初めて見た。

 J1リーグデビューを飾ったばかりの22歳は、中央大学在学中のJFA・Jリーグ特別指定選手である。反町康治監督(当時)に聞くと、「チーム事情が苦しいからな。まあ、良くやってくれているよ」と言う。素っ気なく聞こえるコメントには、もちろん続きがあった。

「ボールを動かすことができるし、ボー