ラーマガ限定「NAKED」#022
麺の坊 砦『鴨にぼ「かけ」らぁめん』
ラーマガと人気ラーメン店によるコラボレーション企画「NAKED」。毎月1軒の人気ラーメン店がラーマガ限定ラーメンの「かけラーメン」を創作します。ラーメンの根幹ともいえる「麺」と「スープ」だけで食べさせる、作り手の技術と食べ手の味覚に挑むような究極の限定ラーメン。
第22作目となる7月は、豚骨ラーメンの雄『麺の坊 砦』が満を持しての登場。鴨ガラで取った白濁スープに、砦自慢の豚骨スープをブレンド。そこに煮干しを始めとした魚介の旨味が複合的に重なり合う、今までの砦にはない一杯を生み出した店主の中坪正勝さん。ベテランラーメン職人がNAKEDの新しい可能性を切り開きます。
山路力也
砦にNAKEDをお願いするということは、北島さんがいた時から決まっていたことだった。オファー自体は一年以上も前のことになるが、スタッフの人員の問題であったりクリアすべき部分がいくつかあり、タイミングを待っての今回ついに参戦。ついに砦のNAKEDを食べられる時が来た。
色々なラーメンを作れる中坪さんだが、創業以来豚骨ラーメン以外には脇目もふらずに突き進んで来たイメージがある。実際には限定ラーメンなどで非豚骨ラーメンも出しているのだが、私の中では豚骨オンリーの人。だから、今回「鴨」「煮干し」を使った白湯のNAKEDを出すと聞いて、ちょっと驚いたとともに、試作までの日々が物凄く楽しみになっていった。
鴨と鶏のふくよかな旨味を下支えするのが煮干しにサバ節、カツオ厚削り節などの魚介出汁。このバランスが実に秀逸で、あくまでも主役にあるのは鴨の旨味と煮干しの風味なのだが、それらをうまく他の要素が固めているような。飲めば飲む程味わい深く立体的になっていくスープがとにかく美味い。そしてそのスープの味をしっかり楽しんで貰えるようにと、通常は20秒程度で上げる麺を敢えて1分30秒としっかり茹でて柔めで出す。これが20秒の固麺だとまったくスープと合わないというのだから、やはりラーメンとは面白い食べ物だなぁとあらためて感じる。
もちろんこのラーメンはNAKEDとして成立しており、麺とスープだけでまったく飽きることなく食べきれるのだが、これをベースにしてこのスープと麺に合った具材も合わせたラーメンも食べてみたい。ここ数年鴨を使ったラーメンは増えているが、こういうアプローチの店はあまりないんじゃないかしら。なんならそれで一店舗出来るほど、完成度が高い麺とスープなのだ。毎月言っていることだけれど、今月のNAKEDも必食だ。
山本剛志
豚骨の名店「麺の坊 砦」が今取り組んでいるのが「鴨」。現在も「鴨白湯つけ麺」を提供中だが、鴨をベースにしたかけラーメンにして、更に奥深い一杯を提供している。
スープは鴨ガラに鶏のくるぶしを加え、香味野菜を加えて煮出した鴨白湯。ここに煮干スープを加え、鴨の味を残しながら煮干のキレも加えている。鴨と煮干を、それぞれに強い味で合わせてバランスを取っている。麺には細麺を使用しているが、これは通常の麺と異なり、太麺で使う麺帯を細麺にして切り出したもの。しっかり茹でた滑らかな麺は、スープとたおやかに調和して、啜れば鴨と煮干しの味を口の中に運び込む事ができる。ここにしかない一杯が創出されている。
薬味にはミョウガの酢漬けをトッピング。紅生姜やネギと異なり、後に薬味の味を残さず、それでいてスープの味をしっかりと断ち切ってくれる効果を出している。スープを残しておいて、ご飯にスープをかけて食べても独特の相性を楽しめる。
豚骨ラーメンを極めた中坪店主の、新しい素材への見事な挑戦が味として実っている。皆さんにも是非食べてみてもらいたい。
【NAKED #022】
麺の坊 砦(東京都渋谷区神泉町20-23)
「鴨にぼ「かけ」らぁめん」700円
販売期間:7月1日(水)〜31日(金)
※一日20食の限定販売になります。売り切れの場合はご容赦下さい。
※ラーマガ有料会員ではなくても注文が可能です。
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