北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
中華酒家 江山楼@乃木坂「四川担々麺」
■新連載:侃々諤々!
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「売れるラーメンの作り方」山路力也
私がやっている「Tokyo Raumen On Air」は、ラーメン店主さんなどと一緒にラーメンについて語り合うインターネットライブプログラムです。今月の放送では、麺屋武蔵の矢都木二郎さんと、つけめんTETSUの小宮一哲さんのお二人と共に、「売れるラーメンの作り方」というタイトルで60分語り合いました。
「売れるラーメン」と聞くと、なんだか下世話なように聞こえるかも知れませんが、ラーメン店が暖簾を掲げてお客様をお招きして商売している以上、売れないよりは売れた方がいい。売れるということは、結果多くのお客様を喜ばせていることに繋がります。美味しいものを作っていれば売れるというのは幻想で、やはり多くの人に知ってもらわなければなりませんし、美味しそうと思ってもらわなければ売れません。そこにフォーカスして考えると、ラーメンの味以前の部分でやらねばならぬことがたくさんあるのだ、ということなのです。
人間はほとんど頭で食べているといってもいい。小宮さんも例に挙げていましたが、麦茶もめんつゆも美味しいものだけれど、めんつゆを麦茶だと思って口にするとまずくて吐き出してしまう。そういう意味ではラーメンを食べる前に多くの情報を私たちは頭に入れて、ある程度の予想や推測のもとにラーメンを美味しいとか不味いとか判断しているということが分かります。
例えば丼の選択。ラーメンを真っ白い丼に入れるのと黒い丼に入れるのでは、丼が違うだけで随分と印象が変わります。ラーメンの名前もラーメン、らーめん、らぁ麺、中華そば、そば、など名前が変わるとイメージが変わります。店の雰囲気やスタッフの立ち振る舞いもラーメンの味を左右します。矢都木さんは番組の中で「ラーメンを出す前で8割は美味しいかどうかが決まっている」と言いました。私もまったく同感です。
丼の向きやレンゲの向き、最初にレンゲを入れるために丼の中にスペースを作る。やはり売れる店の売れているラーメンは、ただ美味しいだけではなく色々な見えないところでの工夫や努力があるのです。ラーメン店を営む方にはぜひそういう意識を持って頂きたいなとも思いますし、ラーメンを食べる私たちもラーメン店の方たちはそういう意識で取り組んでいるということを知って頂きたいと思います。ご覧になっていない方はアーカイブがありますので、ぜひご覧頂けたらと思います。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は昨年10月、伊勢佐木長者町にオープンした新進店、地球の中華そばの「地球の塩そば」を山路と山本が食べて、語ります。
「地球の塩そば」780円
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