北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
■連載コラム(第13回)
『ラーメンの憂鬱』〜ラーメンの未来形(山路力也)
『教養としてのラーメン』〜神奈川のご当地ラーメン(山本剛志)
□告知スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
『「玄米麺」を食べてみた』山本剛志
6月上旬、都内で「ソラノイロ4周年記念パーティー」が開催された。120名ほどが集まったパーティーではライブやトークショーも行われ、私も何故かトークショーに登壇したわけですが、今回のパーティーでは、6月18日に東京ラーメンストリートに開店する3号店「ソラノイロNIPPON」についてのメニュー構成が発表された。
また、そこで販売予定の「ビーガン担々麺」をベースに、札幌の「麺eiji」とコラボした、その日限定のラーメンも提供された。動物系の素材を使わず、すっきりしたスープにゴマダレがしっかりと絡み、挽肉状の大豆製のミートも全く違和感なく、道産小麦を使ったこの日の為の麺がマッチしていた。
新店のもう一つの特徴は、全メニューで「玄米麺」への変更が可能になるという事。これは、「ラーマガ59号」でレビューした期間限定メニュー「アジアンビーガンジェネレーション」でも使われているもので、島根県雲南市の生産者たちが売り込みをかけている麺。イベントではその麺をお土産にいただいたので、早速自宅で茹でてみて食べてみた。
麺に小麦粉を使わず、つなぎにも馬鈴薯澱粉を使う事で、小麦アレルギーや大豆アレルギーにも対応している。麺には焙煎玄米を使用し、歯ごたえを感じつつもモチモチとした弾力も感じられてよかった。ラーメンやつけ麺の麺として使うだけでなく、タレをかけた「和えそば」として、和風や洋風にも楽しむことが可能。これまでにも米粉を使った麺があったが、フォーに近かった食感から、焙煎玄米を使う事で中華麺に近づいた印象を持った。
この麺を開発するきっかけになったのが、雲南市で広がっていた耕作放棄地だという。余っている土地を有効活用させるため、無農薬で栽培された米を麺に使用。この麺が東京で話題になれば、田畑や山をよみがえらせる事ができる。そんな思いがこもった玄米麺、「ソラノイロNIPPON」開店の際にはチェックしてみてほしい。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は5月29日、新横浜ラーメン博物館にオープンした、カーザルカ CASA LUCA MIRANOの「ミラノとんこつラーメン」を山路と山本が食べて、語ります。
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