ラーメンマガジン「ラーマガ」

「ラーマガ」#049

2015/02/10 21:00 投稿

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北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#049

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2015年2月10日発行(月3回)2月第1号(通刊 第49号)

【目次】

■巻頭コラム
 『ネットニュースでのラーメンネタを読んでみる』(山本剛志)

□クロスレビュー「必食の一杯」
  中野 大勝軒@中野「肉入りつけそば」

■ラーメン実食レビュー
【北島秀一】
  らーめん夢@東神奈川「わんたんらーめん」

【山路力也】
  千駄ヶ谷 ホープ軒@千駄ヶ谷「ラーメン」
  中華そば 田中屋@神楽坂「中華そば(こってり)」
  肉煮干し中華そば さいころ@中野「辛ネギ味噌中華そば」
  麺彩房 中野本店@沼袋「味玉そば」
  らあめん花月嵐 荻窪西口店@荻窪「徳島中華そばすきたに」
  ラーメン こうや@矢口渡「キャベツラーメン」
  らーめんStyle JUNK STORY@谷町九丁目「塩のキラメキ」

【山本剛志】
  二代目にゃがにゃが亭@三河島「冷台カレーそば」
  バリバリジョニー@小岩「名古屋」
  はまんど湘南@長後「中華そば」
  麺や偶もとなり@古島「濃厚もとなり」
  龍珍@牧志「広島風冷麺」
  てぃあんだー@おもろまち「そーきそば中」
  琉家@県庁前「琉とんこつハーフサイズ」

□拉麺人インタビュー 
 黒木直人<饗 くろ㐂 店主>①
 『塩そばは僕の「技術」の一杯、味噌そばは僕の「欲望」の一杯』(聞き手 山本剛志)

■連載コラム(第8回)
 『ラーメンの憂鬱』〜グルメサイトに振り回される店(山路力也)
 『教養としてのラーメン』〜宮城・山形のご当地ラーメン(山本剛志)

□告知/スケジュール

■編集後記


■巻頭コラム
『ネットニュースでのラーメンネタを読んでみる』山本剛志

 ラーメンは、話題性を集めるコンテンツなので、ネットニュースでもしばしば取り上げられる。新オープン店に関する話題や、ネットニュース記者が好きなラーメンをレポする事もある。そんな中で、興味深いのは「ネットアンケートによるラーメンの話題」。ただ、そのデータが意味する所を誤解してしまうと、その記事自体が意味のないものになってしまう。そのアンケートが誰に、どうやって行われたかを確認しながら、記事を読み解いてみたい。

 今回取り上げる記事は、ネットニュース専業のJ-CASTグループ、Jタウンネットが1月16日に発表したこちら。

「ラーメン一杯に払える値段」の全国平均、「802円」だった! それ以上は高すぎ!?

アンケートの内容は以下の通り。

"Jタウンネットは2014年11月5日から2015年1月13日までの70日間、「ラーメン一杯に払える値段の上限は?」というテーマでアンケートを実施したところ、3015名の方に投票いただいた。

選択肢は、「500円まで」「600円まで」「700円まで」「800円まで」「900円まで」「1000円まで」「1200円まで」「1500円まで」「2000円まで」「いくらでもOK」の10個。"

 まず大事なのは、このアンケートは「消費者がいくらまで払いたいか」について回答した設問である事。ラーメン店の平均値ではないし、実際に消費者が支払った金額と言うわけでもない訳ではない。この辺を混同しているネット上の反応も見られた。

 また、このアンケート内容で確認できるのは、回答者はインターネット利用者に限られている事。また、世代・性別・未婚既婚の別による集計は行われてなく、人口に対する世代などの構成比に応じて補正を行う、テレビや新聞の「世論調査」とは異なる。

 とはいえ、この全国平均「802円」という金額を見ると、近年の「ラーメンが800円から」という店も増えてきているのも、あながち的外れではないのかな、とも思えてくる。

 アンケートでは都道府県別の金額も発表していて、それについては翌日の記事でも詳細に紹介している。


「ラーメン一杯に払える値段」、福岡県民は日本最安レベルだった

 見出しにもなっている通り、福岡県の消費者が「ラーメン一杯の上限値」と考える金額は664円低い。全国でも45位で、46位が佐賀の640円、47位が大分の629円と、北部九州エリアに集中している。福岡県の詳細データを見ると、600円以下を上限と考える意見が全体の56.8%を占めている。これは、福岡県で実際に提供されているラーメンの価格帯が低いため、「600円もあれば美味しいラーメンが食べられるはず」と、食べる側の意識に影響していると考えられる。とはいえ、佐賀や大分では600円未満のラーメンは福岡県ほどは見かけない。ただ、高額なラーメンもあまりないように思えるので、ラーメン店の価格帯の幅が狭いとも考えられ、回答者の意識に影響を与えていると言えるかもしれない。

 逆に、「ラーメン一杯の上限値」が高い順の1位は沖縄県の914円、2位は奈良県の939円、3位は島根県の900円。これら3県についての詳細データは発表されていないが、沖縄ではワンコイン未満で食べられる店も多い「沖縄そば」が根強い人気なので、ラーメンについては「非日常のごちそう」と捉えている回答者が多いのかもしれない。島根県ではラーメン専門店がそもそも少ないため、「ラーメンの値段はここまで」という上限意識がそもそもないとも想像できるし、回答数が少ない事も想像できる。しかし、奈良県についてはそれらの要素はない。2000円を超えるラーメンを出す人気店「まりお流ラーメン」の存在が影響しているのか、大阪や京都に美味しいラーメンを食べに行く交通費を含めているのか…。

 もちろん正確な理由は分からないし、そもそもこのアンケート結果で県別の理由まで考えている人はいないかもしれない。とはいえ、せっかく都道府県別の平均値を出しているのなら、もう少し考察してほしかったなぁ、とネットニュースに注文をつけたくなる。まあ、配信側もラーメンについて考えてほしくてこのアンケートを実施したわけではなく、単なるアクセス数稼ぎでラーメンをネタにしているのだろうと想像はできるんですけどね。


□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は今年で創業64年目を迎える、つけ麺発祥の老舗『中野 大勝軒』の「つけそば」を山路と山本が食べて、語ります。

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中野 大勝軒@中野
「肉入りつけそば」700円
 

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