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北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#041

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2014年11月20日発行(月3回)11月第2号(通刊 第42号)

【目次】

■巻頭コラム
 『ラーメン屋の人手不足を考える』(山本剛志)

□クロスレビュー「必食の一杯」
 中華そば 田中屋@神楽坂「中華そば」

■ラーメン実食レビュー
【北島秀一】
  博多長浜らーめん 田中商店@六町「らーめん」

【山路力也】
  麺屋武蔵 武骨@御徒町「気仙沼サメ武骨」
  麺屋こころ 高田馬場店@西早稲田「台湾まぜそば」
  焼麺 劔@高田馬場「ソース焼麺」
  支那そばや 新横浜ラーメン博物館店@新横浜「ミニ塩らぁ麺」
  NARUMI-IPPUDO@新横浜「「まさか・・・!」のコクと深み~ベジタリアンヌードル~」
  つどい@赤坂「ギュウそば」
  超濃厚鶏白湯専門 麺道はなもこし@薬院大通「鶏だしラーメン」

【山本剛志】
  らーめん なないろ@荻窪「なないろらーめん」
  らーめん無垢 ツヴァイテ@新横浜「焦げ味噌ラーメン」
  らーめん 雅楽@あざみ野「みそらーめん」
  和風とんこつ かしや@玉出「和風とんこつ」
  べらしお福祉 住吉東店@住吉東「あぶらかすらーめん塩味」
  駅ナカらーめん ス・ス・ル@三国ヶ丘「雨風熟成醤油そば」
  三麺流 麺武者@江坂「中華そばこってり」

□拉麺人インタビュー 
 前島司<せたが屋 店主>②
 『他人の真似は面白くない』(聞き手 山路力也)

■連載コラム(第4回)
 『ラーメンの憂鬱』〜麺を知ろうとしないスープ屋(山路力也)
 『教養としてのラーメン』〜ラーメンとは何かを、ラーメンでないものから考える(山本剛志)

□告知/スケジュール

■編集後記


■巻頭コラム
『ラーメン屋の人手不足を考える』

 ラーメン屋の人手不足が止まらない。人手不足による臨時休業、長期休業、閉店すらも珍しくない。一方で「今日は人手不足のため、店主一人で営業します」という店も出てきて、客席やメニューを絞って営業していたりする。

 人手不足の問題は、ラーメン屋、飲食業に限らず全国的な問題である。飲食業を始めとするサービス業では、給料が安く拘束時間が長いというイメージがついていて、更に人手不足感を高めている。

 個人店主の小規模ラーメン屋の場合、更に難しい問題がある。労働集約型なので利益を上げやすい構造であると同時に、一人当たりの作業の幅が大きい。それを教えるべき店主も忙しいので、店の営業中にOJTというわけにもいかず、働き始めたものの何をしていいか分からず、そこでお店の期待通り働けなかったり、トラブルが発生してしまったりする事になる。

 こういう話をしていると、店主の側から「自分が働いていた頃は、長時間勤務で休日なしで働いて安い月給でも普通だった。最近の若者は根性が足りないんじゃないか」という意見も聞こえてくる。その面がないとは言わないが、一つ誤解している所がある。今、ラーメン店で働こうとしている人が、そもそも自分で独立する意識を持っているとは限らない事である。自分が店主になる為でなく、一定時間を働いて、必要な時に休みを取りたい。そう考えている人に、店主がこれまでの修業で高めてきた水準まで働かせようとしても、「無理です」と言われて仕事に来なくなるだけである。

 面接の時は「何でもやります」と元気に宣言してくれたかもしれない。ただ、最近は「面接の時は"何でもやる"とアピールする事」というテクニックが知れ渡ってしまっている。そうしないと採用されない、と言われているからである。

 かの「ワタミ」創業者の渡辺美樹氏も、宅配便でのアルバイトから、相当の苦労を重ねて一大企業に育て上げた。しかし、その苦労を押し付けるかのように、非常識な働かせ方をさせていた。正社員の立場を守りたかった新入社員を過労死させて、いまや「ブラック企業」の代名詞になってしまった。「働き方」と「働かせ方」のミスマッチは悲劇である。

 働き手が集まらないと言われる今、大事なのは働く人の「働かせ方」を細かく確認する事である。単に働けばいいと思っている人と、修業してラーメン店を開きたいと思っている人とでは、働かせ方は変えなければいけない。採用面接で、本音を聞き出さないと意味がない。また、ラーメン店同士のネットワークを人材活用に繋げている例もあると聞く。あちこちの店を転々として問題を起こす人もいるかもしれないが、それぞれの店の特徴を知っているだけに、自分の店にマッチした人材の発掘への参考になるかもしれない。

 大規模チェーン店でもない限り、人事のプロを雇うわけにはいかず、店主が応募者の人となりを判断しなければならない。苦労も多いと思うが、うまくいけば店が飛躍するきっかけになる。味づくりより難しい「人づくり」にも力を注いでいただければと願っています。


□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は10月22日、神楽坂にオープンした『中華そば田中屋』の「中華そば」を山路と山本が食べて、語ります。

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中華そば 田中屋@神楽坂
中華そば」780円