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■「東京ラーメンショー2013」第二幕も行ってきた!

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 東京ラーメンショー第二幕の初日になる11/20(水)、早速行ってきました。友人からシェアされた分を含め、14杯のラーメンを賞味。その詳細は後ほど書くとして、まず言いたいことは2つ!



例年ほど混んでない。行列少なく天気も安定してるのでオススメ!
第二幕は混戦模様。注目は
「09:大分佐伯ラーメン」「11:福島黒中華そば」
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 第一幕同様、ここ数年に比べるとやや客足は控えめ。開催時期がこれまでより遅くなった事はありますが、冬が近くなったことで天気の心配がなくなった事はメリットか。やはり回転がいいブースが多く、行列ができても比較的早めに対応できています。「03:稲庭中華そば」が乾麺を使って麺茹でに時間がかかる為並んでいましたが、ペースを早めて対応。夕方から夜にかけては「09:大分佐伯ラーメン」「10:鶏豚 海老ワンタン麺」に比較的長い列。九州豚骨を看板にした店は20ブース中佐伯だけで、知名度の高い「一風堂」「ちばき屋」が出店したブースと合わせて人気だったようです。

 そんな中、第二幕の中でも特にお勧めしたいのは、醤油派には「11:福島黒中華そば」。パンフレットでは「喜多方黒中華そば」となってますが、直前に「福島」に改題。そこに、福島の味と名を背負った彼らの覚悟を感じます。醤油の味わいと温度が他にない感じです。豚骨派には、やはり「09:大分佐伯ラーメン」。九州の他のどこにもない味わいなので戸惑う方がいるかもしれませんが、この機会を逃すと佐伯まで行かなくてはならないかも。まずはこの2軒をオススメしますが、第二幕は「味噌」のブースが非常に多いのが特徴。普段ならトップクラスに並ぶはずのブースに行列ができてなかったりします。狙い目が多いです!

 それでは、第二幕でチェックしたラーメンを、まずは写真で速報します!




■01:熟成とんこつ 徳島ラーメン
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 去年に続いての出店で、正直去年はかなりあっさりしていた印象なので、今年は食べようか迷っていたのが「東大」。ところが会場で食べた人から「去年とは全然違ってる」という声を聞いて、友人のラーメンをシェア。ひと口食べて思ったのが「この味を去年持ってきてくれていれば(笑)」。豚骨を存分に感じるスープは、醤油ダレとも絡んで濃密で、徳島ラーメンの店で味わったことがなもの。和歌山ラーメンの濃厚系が絶好調の時を思い出すほどのインパクト。この味が店の味にフィードバックされたら、東大を目指して遠征する事になりそうです。
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■02:伊勢海老味噌らーめん
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 札幌の人気店による味噌ラーメンと、「けいすけ」で海老そばのエッセンスを両方取り入れた感じの一杯。寒い季節にちょうどいい一杯。生姜が香る中、刺すような海老の匂いがしっかりしたインパクトを感じる。食材偽装が話題になる昨今、もちろんスープになった海老の種類は食べる側には分かりませんが。そんな時期だからちゃんと伊勢海老使ってるはず。
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■03:秋田 稲庭中華そば
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(写真は「特製(500円)をトッピング)

 「稲庭うどん」の老舗、佐藤養悦本舗が作った「稲庭中華そば」。これをメニューに入れて提供する「七彩」に、「魂麺」「BASSOドリルマン」がコラボ。乾麺から3分半茹でる為行列ができやすく、平日の昼に唯一の行列ブースになっていた(夜は茹でる量を増やして回転は改善)。和風の醤油味スープは鶏をしっかり感じ、具にも鶏肉を使い、なめこも加わり和風の面持ち。特製トッピングは更に「鶏チャーシュー」「たまごもち」「三関セリ」「味玉」が加わるが、特に三関セリはスープをフレッシュに感じさせてくれるので、どれか一つトッピングしようかな、という人にはこれをお勧めします。

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■04:青森スタイルみそらーめん ど・にぼ
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 東京スタイルの「ど・みそ」と、煮干が効いた津軽中華の雄「長尾中華そば」のコラボで「ど・にぼ」。味噌ダレのインパクトが強めに感じられるが、それにも負けない煮干の旨みが追いかけ、ホッとできる味。モヤシやネギも乗ることで、ボリュームを感じさせて食後感をさっぱりさせる意味合いもあって楽しめる。比較的回転が速いので、混み合う週末にもオススメできるかも。

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■05:小豆島ラーメン/醤そば

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 「小豆島ラーメン」という名前を初めて聞いた人も多いと思う。小豆島の素材を使った醤油ラーメンで、岡山駅近くに1号店を構え、倉敷、そして小豆島にも出店した気鋭のラーメン店。店員さんたちも元気に呼び込んでいた。スープはまろやかな鶏ベースで、カタクチイワシと野菜をあわせ煮込んだもの。小豆島産の醤油を使った醤油ダレにインパクトがあり、麺と具の上には醤油のもろみが乗る。醤油にこだわりつつ、こってり感もあるので飽きさせない。トッピングメニューに「オリーブ牛炙りがあったので追加。小豆島特産のオリーブ牛は流通量は少ないが味自慢の一品とのこと。これもよかった。一度は小豆島に行ってみたくなります。
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■06:鮮魚のアラ炊き中華そば
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(写真は「海藻(200円)」をトッピング)
 東日本大震災の直後、様々なラーメン店が炊き出しに向かった。その中の一軒「凪」のスタッフが、南三陸町のトレーラーで1年ほど営業した「あおぞら食堂」が東京ラーメンショーで復活。素材が限られた当時の南三陸町で、スープの決め手になったのは「鮮魚のアラ」。魚の香りを立たせながら、煮干でブレを抑える味付けが嬉しい。海藻をトッピングすると、ワカメが鮮魚の香りに絡んできて更に美味しい。
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■07:新東京背脂ブラック わぽ軒
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(写真は「焼牛(日替わり)」をトッピング)
 最近、限定メニューのスタンプラリーなどが東京で話題の「わぽ会」。「若手っぽい」各店が挑むのは、20世紀の東京で一世を風靡した背油醤油。背油をプリッとさせた存在感で、麺を啜りながらその存在感を味あわせている。黒い醤油ベースのスープが背油に入っていき、馴染ませる味が秀逸。人気店の店主が勢ぞろいということもあって、日替わりのトッピングが各店舗ごとに用意されている。乗せたのは「マタドール」でお馴染みの「焼牛」。もちろん美味しい。
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■08:奥美濃古地鶏ラーメン
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 池袋への出店、大つけ麺博からの東京ラーメンショーへの出店と、活躍が続く白神。今回は岐阜の「奥美濃古地鶏」をベースにしたスープを提供。呼び込みでは「名古屋コーチンより美味しいとの評判も」とコール。確かに知名度はまだまだこれからな地鶏かも。美濃のご当地グルメ「鶏ちゃん」を乗せた一杯。じんわりした鶏の味に醤油ダレがしっかりとのっかって、じんわりと美味しいスープ。トッピングメニューには岐阜の名産「明方ハム」もある。
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■09:大分佐伯ラーメン
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 今年カップ麺でも話題になった、大分県佐伯市の豚骨ラーメン。この街は大分と宮崎の中間にあって交通の便がよくなく、独自の進化を遂げた「ガラパゴスとんこつ」と話題になっていた。「行ったことがないから興味がある」の他に「佐伯に行く機会がなさそう」という理由でこのブースを選ぶ人が多く、他に九州出身の豚骨ブースがなかったこともあってか、夜にかけては一番の行列を続けていた。
 豚骨醤油スープの濃さを感じる間に甘みもあり、ニンニクをたっぷり感じる独特なもの。そして柔らかめに茹でられた中太麺が、濃いめで少なめにしたスープの中に入っている。特に麺の柔らかさは特筆に値するほどで、全体的に佐伯の味をしっかりと再現している事に驚く。このラーメンの味をもう一度食べてみたい人は、佐伯まで行くしかない。はまるかどうかわからない人は、ラーメンショー開催中に食べに行くしかない。
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■10:鶏豚 海老ワンタン麺
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 厨房を見守るのは「博多一風堂」の河原さん、ラーメンを出すのは「ちばき屋」の千葉さんという、まさにオールスターキャスト。豚骨と鶏白湯をブレンドしたスープに中細麺。海老がプリッとして、レンコンが入ったワンタンがドーンと乗ってインパクト十分。一風堂を象徴する赤い辛味噌を溶けば、スープの味も変化して飽きさせず。発売中のカップ麺を再現した味という事で、角切りされた具材がそれを思い出させるものになっていました。
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■11:福島黒中華そば
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(写真は「飯坂温泉玉子(100円)」をトッピング)
 福島市から郡山市にかけて、中通りのラーメン店が集まってのコラボ。パンフでは「喜多方黒中華そば」になっているが、議論の末に「福島」の名を冠する事になったとの事。誇りを持ち、「福島」の名で堂々と勝負との事。
 麺は喜多方風の中太縮れ麺だが、喜多方のそれに比べるとやや固めの茹で加減なのか、麺を短く感じる。その意味では「喜多方」の名前使わなかった事はいい方向に現れていると思う。スープは黒い醤油色で、煮干の香りを感じる。油が加えられているのかアツアツ。チャーシュー2種類にメンマもトッピングされているが、これは「特製」の写真をパンフに間違えて乗せてしまった為に、敢えてチャーシュー・メンマ乗せをデフォルトにしてしまったとの事。つまり採算割れしているわけで、食べる側にはチャンス。是非食べてみてほしいです。
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■12:杜の味噌とんこつ ~海と大地の松島味噌~
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(写真は「牛タン」トッピング)
 都内城南地区の3軒によるコラボだが、「えにし」店主の出身地である宮城県松島町で手作りされた味噌を使用。麺も松島の海苔を練り込んだ特製麺、具の「ずんだ」「麩」も県内のものを使用。「玉子焼?」と思った具は「むう」と呼ばれるもので、松島蒲鉾本舗が作る、大豆と魚を入れた豆腐蒲鉾。甘さは今回特別に入れたカボチャから感じるもの。スープは豚骨のまろやかさもありながら味噌が効果的に効かされている。友人のものを軽く試食させてもらっただけなので、改めて食べてみたくなった味です。
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■13:白醤油らーめん
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 同行者が持ってきたラーメンをシェアしましたが、持ってくるタイミングの関係で麺が少し伸びてしまった様子。しかしそれでも味は絶品。あっさりした中に、魚介の様々な旨みを感じさせ、節系の力強さを存分に楽しめるスープ。動物系素材に頼らず、イベントでなくてもその個性に驚く味は健在。
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■14: 沖縄ちゅら塩ラーメン
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 昨年の東京ラーメンショーで話題を呼んだ「ちゅら塩」が今年も登場。初日朝のTBSテレビ「はなまるマーケット」でも紹介された事もあって人気を呼んでいた。豚ベースのあっさり澄んだスープは沖縄そばを思わせつつ、麺の食感と絡んで、塩の魅力を感じさせる沖縄らしい一杯にまとめられている。豊富なトッピングメニューは肉が多くそそられたが、連食中なのでぐっと我慢(笑)。
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■15:濃厚味噌「炎炙」肉盛そば ~加賀百年蔵出しバージョン~

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■16:牛骨ラーメン 白
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 ここ数年、鳥取から「牛骨ラーメン」で出店が続いている。あっさりした牛骨の味を提供してきたが、今回は「牛骨ラーメン白」を提供。濁らせた牛骨スープは油は抑え目にしつつ、牛の旨みを澄んだスープよりも強めに感じられる。そのスープにマー油をプラスしたことで、食べやすく分かりやすさも感じられるようになっている。
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■17:我流あぶり味噌
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 札幌で元気な鶏白湯の新店「飛燕」と、都内を中心に札幌ラーメンを展開する「真武咲弥」。看板に「札幌」を大きく掲げていないせいか、思いのほか行列がなかったのでこちらへ。濃厚な味噌味で油もほどほど感じられるもの。こってりしているがしつこすぎない味でなかなか好印象。「あぶり味噌」の「あぶり」がやや分かりづらかったが、スープのインパクトをしっかりと感じられる味わいで好印象。一味唐辛子はラーメンを受け取ってからセルフで入れられるので、寒い時は少し多めに入れてもいいかも。
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■18:日替りご当地コラボ

11/19~11/20 新潟:心温まる!元気が出る!男の味噌ラーメン/味噌
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(この味の提供は20日で終了)
 厨房を回してたのは主に「勝龍」のスタッフ。あっさりしたスープに味噌を加えたシンプルな味噌ラーメンだが、味噌が濃すぎないのにしっかりと味を出し、肉味噌でとどめの味付け。濃いだけが味噌じゃないと、濃い男たちのアピールを感じる一杯でした。 
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11/21~22 北海道:旭川中華そば/醤油
11/23~24 小樽×高知:濃厚味噌カツラーメン/味噌豚骨
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 正直な所、一番謎だったのが「味噌カツラーメン」。味噌ラーメンにトンカツを乗せただけの正面突破の一杯。高知市内には「味噌カツラーメン」を出している店が数軒あるとの事で、その知名度アップに萌える「なかひら」がトンカツを、春日部にある「豆の木」が濃厚味噌ベースのスープを担当。トンカツを揚げる為のフライヤーや、保管しておくストッカーも厨房内に入れている。努力の甲斐あって、ソースもちょっとかけられた100gのトンカツがしっかりおいしい。濃厚な味噌味との相性も抜群。食べていて楽しくなる一杯。「味噌カツラーメン」で800円なら得した気分になれるのもポイント。
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■19:信州王様中華そば
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 去年の東京ラーメンショーでデビューを飾り、県内各店や長野出身の都内の店がメニューに加える他、都内の他の店でもインスパイアされたメニューが広がりつつある「王様中華そば」。長野権堂で2010年に閉店した「光蘭」の独特な味を後世に伝えたい、という思いが結実している。たっぷりのネギに注がれた熱い醤油スープに麺が入り、具にはドーンとチャーシューが2枚。スープの熱さだけでなく、ネギで体がしっかり温まる。たっぷりの黒胡椒がしんなりしたネギと相性がよい。今年も美味しい王様中華そば、オススメです!
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■20:立山ポーク豚肉(トンロー)麺

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第二幕:2013年11月21日(木)朝写真公開。11月22日(金)朝、レビューを追記。
    2013年11月24日(日)朝、5軒の写真とレビューを追加。


c557c6830f3e2bc329f263c11be51fa2cf589930山本剛志:ラーメン評論家、ラーメン王。1969年生まれ。東京都出身、東京都在住。TVチャンピオン第6回ラーメン王。