北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
■ラーメン活動月報(7月)
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
『改めて、火の用心』山本剛志
2017年8月3日夕方、築地場外市場の7棟935平方メートルを焼く火災が発生した。火元はラーメン好きのみならず、築地を訪れる人達に知られるラーメン店「井上」で、出火当時は無人で火の気がない状態だったが、ステンレスを貼っていた壁が、ステンレスが熱せられる事で木の壁に熱が伝わる「伝導加熱」によって壁が炭化し、自然に発火したとみられる。
今回の火災は、厨房が狭い為に壁の近くで火を使い続け、その壁が木製だった事が原因ではなかったかと思われる。築地場外市場は木造で、人のいない時間帯だった事もあって、一度発火してしまえば瞬く間に燃え広がってしまった。しかし、火災の危険性は、壁が難燃性であっても、コンロを壁から離していてもありうる。ひとたび火災になれば自店や延焼による損害だけでなく、店舗を借りられなくなって休業や閉店に追い込まれるケースも多い。
2016年12月、新潟県で発生した「糸魚川大火」では、ラーメン店の店主が鍋に火をかけたまま外出してしまった事が原因になった。長年の営業で慣れてしまっていた事が問題だったと思うが、そういった火事を起こさない為には複数人でのチェックが必要になる。
そこまで明らかな過失でなかったとしても、防ぎたい火災はある。特に多いのが「ダクト内からの出火」。ダクトにたまった油が原因だが、ダクト内は見通しが悪く、ついつい掃除を忘れがち。設置する時にはメンテナンスの事も考えておきたい。直接火災の原因にならなくても、店舗の周辺にゴミ箱などを放置しない事も、放火などの不審火を防ぐのに有用である。
味づくりやスタッフの事など、ラーメン店主には様々な苦労が絶えないが、火事で全焼してしまえば元も子もないし、ボヤであっても、大家から契約を解除されてしまい、そのまま閉店してしまう店もある。とにかく、火事のような形でお店が消えてしまう事のないように、店の皆さんには細心の注意を払ってほしいと思っています。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は今年3月に「ニューラーメンショップいわせ」からリニューアルオープンした「二九八家 いわせ」の「二九八家ら〜麺」を山路と山本が食べて、語ります。
「二九八家ら〜麺」1,000円
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